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2022年8月3日水曜日

茶碗を出す 向き

 お茶を点てたら、茶碗の正面を客に向けて出すが、
出す茶碗の向きは、炉の場合も風炉の場合も同じで、真正面に向けて出す。
斜めに向けて出すことはない。


客が茶碗を返す場合も同じ。

2022年4月26日火曜日

旅箪笥の戸 薄茶器拝見の場合の扱い 炉

旅箪笥

通常の点前の場合は、水指に水を差し加えた後、すぐに旅箪笥の戸を閉めるが、
続き薄茶点前または薄茶点前の場合に、終りに拝見がある場合、
水指に水を加えた後、水指を旅箪笥に戻して、戸を閉める事なく、水次ヤカンを持って戻り、ヤカンを前にフスマを閉める。

拝見の物(続き薄茶点前の場合はご三器と薄茶器。薄茶点前の場合はご両器)を取りに出る。

主客挨拶応答の後、薄茶器を右手で取り、左手に載せて棚正面に回り、右手で中棚に戻す。
この後すぐに、旅箪笥の戸を取り、戸を閉める。
再び客付正面に回り、ご三器ないし茶杓を取り退出する。


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2021年4月1日木曜日

旅箪笥 中棚の3通りの扱い 薄茶 炉

旅箪笥は、炉の終り頃よく使われるが、本来は季節を選ぶ棚ではない。
炉の時季であればいつ使ってもよい棚である。
また、釣釜と取り合わせて使う事も多いが、釣釜と取り合わせて使わなければならないものでもない。


薄茶の場合、点前の始まりに旅箪笥の中棚を扱うには、3通りある。

(1)濃茶の場合と同じく、水指を引き出す場合

茶碗を持ち出し仮置し、
水指を手前に引き出してから、薄茶器を中棚から下ろし、茶碗と置き合わせる。
その後、建水を持ち出す。
仕舞いの時は、薬缶で水を加えるまで水指は引き出したままにしておく。
水指は旅箪笥から下ろして水を差す。

(2)芝点ての場合

柄杓を蓋置に引いて、「お楽に」の挨拶。
居前から中棚を取り出し、斜めに畳の上に置いてから、居ずまいを直す。
その後、建水を進める。
仕舞いの時は、水指の蓋をしたら直ぐに棚板を元に戻す。
水指は旅箪笥から下ろして水を差す。

(3)中棚を上棚に重ねる場合

柄杓を蓋置に引いて、「お楽に」の挨拶。
居前から中棚を取り出し、上棚に重ねてから、居ずまいを直す。
その後、建水を進める。
仕舞いの時は、水指の蓋をしたら直ぐに棚板を元に戻す。
水指は旅箪笥から下ろして水を差す。

下記を参照
2021年4月9日 「旅箪笥 柄杓・蓋置飾り残し 棚板 炉
2023年4月9日 「旅箪笥 点前の終わり 柄杓を棚に掛ける


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2020年2月29日土曜日

茶碗の飲み口

お茶を茶碗から飲む時、茶碗の右横90度辺りから飲む。
しかし常に右真横から飲む訳ではない。
右真横から飲むのは、本勝手の時だけである。

本勝手 : 亭主の右手の方向に客が座る状態。亭主は右手で茶碗を出す。

本勝手の時、亭主が建水に水(湯)を捨てる時には、左手で捨てる。
茶碗の水を捨てる位置は、茶碗正面の右真横になる。
客が茶碗の飲んだ辺りから、水(湯)も捨てている。
良く考えられている。

逆勝手の時には、亭主の右横に建水があり、水(湯)を捨てるのも右手で捨てる。
捨てる位置は、茶碗の左真横になる。
本勝手の時の逆の位置から捨てている。

となると、
逆勝手の場合、客も本勝手とは逆の場所からお茶を飲むことになる。
お茶を茶碗から飲む時、茶碗の左横90度辺りから飲む。

茶碗を廻して、出す時も返す時も、本勝手と逆勝手は異なる。
本勝手で右回り(時計回り)に茶碗を回す場合には、逆勝手では左回り(反時計回り)に回す。
同じく、本勝手で左回り(反時計回り)に茶碗を回す場合には、逆勝手では右回り(時計回り)に回す。


参照
2015年2月12日 「逆勝手 客 お茶の飲み方
2017年10月9日 「茶碗と茶器(茶入)の置き合わせ 道具の格

2019年9月27日金曜日

茶碗にお湯を注ぐ 水を注ぐ

茶碗にお湯(水)を注ぎ入れる時、茶碗の右側にお湯が垂れて、
茶碗を取ると、畳が濡れている事がよくある。
その原因の大部分は、柄杓の底の部分が茶碗の右の縁から外に出て、
柄杓の底からお湯が畳に落ちている。

柄杓の合からお湯を茶碗のどこに落とすかが、重要である。
茶碗の中心にお湯を落とさないようにする事が大切である。

お湯の落とし始めは、茶碗の左側手前に落とす。
茶碗の7時~8時位の縁に近い所に落とし始める。
 (注)茶碗の7時~8時とは、
    茶碗の手前正面を6時、向こう正面を12時と考えた場合、
    茶碗の左手前側に当たる。

茶碗の縁に近い辺りに落とし始めたら、
落とし終わるまでその位置を動かさないようにする。
同じ場所に落とす。
お湯を落とす位置を茶碗の中心の方にずらさない様にする。
これが大事である。

茶碗の中心辺りにお湯を落とすと、
柄杓の合の底が茶碗の外に出て、茶碗の外にお湯の滴が落ちてしまう。
注意すべき事である。

但し、あまり気にし過ぎる事でもない。
畳は所詮替えるものであるから、悪くなれば畳を替えれば良い。
先生のお宅での稽古であれば、こうも言っておられないので、出来るだけお湯を垂らさない様に注意する必要がある。

下記も参照。
2018年7月1日 「柄杓 お湯(水)を汲む
2018年7月1日 「お茶を点てる 留意点 茶の量 お湯の量
2015年5月9日 「濃茶の点て方 濃さ
2015年5月9日 「薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量
2015年5月9日 「茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる
2015年5月2日 「濃茶 濃さ 元伯宗旦


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2018年7月1日日曜日

お茶を点てる 留意点 お茶の量 お湯の量

お茶を美味しく点てるには、実践あるのみだとは思うが、
やみくもに点てるだけでは、中々美味しいお茶にはならないと思う。

茶碗に、お茶をはき、お湯を入れて、茶筅を使う訳だが、
茶筅を使うより前の段階にも十分留意しなければならない。

何千回、何万回と点てている方は別として、
まだ千回、二千回位しか点てていない人は、次の点に留意した方が良いと思う。

薄茶の場合

毎回お茶の量を決めただけキチンと取れるようにする。
1.4g~1.7g位だと思うが、自分の量を決める。
一般的には、少なめにお茶を取る人が多い。

お湯の量をいつも一定量入れるようにする。
40cc~60cc位だと思うが、お茶の量に合った自分のお湯の量を決める。
一般的には、お湯の量が一定せず、多すぎる人が多い。
お湯の量は、薄茶であっても、三口半で飲める位の量を目安にしたら良い。

何度か試してみて、自分なりに美味しいと思うお茶の量とお湯の量を決めて、
その量を毎回取れる様にする事が大切。

お茶の量は、見た目で分かるので、
一定量を取れるようになるのは、それ程難しい事ではないと思う。

お湯の量を一定に取る為には、工夫が必要となる。
風炉の柄杓には、100cc~110cc位のお湯が入る。
炉の柄杓には、130cc位のお湯が入る。
どの位柄杓の合を傾けたら、自分の量になるのかを掴む必要がある。
お湯を茶碗に入れた後、柄杓の合にどの位お湯が残っているかを掴む必要がある。
その前提としては、お湯を汲む場合、必ず同じ量を汲む必要がある。
出来るだけ多い量を汲んだ方が良い。
合の上をどの位空けるのか、例えば2mm位空けると決めて、毎回必ず決めたお湯の量を取る。

茶碗の中をのぞいて、様子を見てお湯の量を決めていては、適量を入れる事は出来ない。
茶室が明るく、同じ茶碗を使うのであれば、
茶碗の中をのぞいてお湯の量を見る事が出来るだろうが、
暗い茶室では、茶碗の中のお湯の量など見えない。

お湯の量を見るのではなく、柄杓の傾け方と残ったお湯の量で、どれ位お湯を入れたのか判断しなければならない。

何万回とお茶を点てている方は、柄杓が勝手に適量を入れてくれるだろうが、
点てている回数が少ない者はそうはいかないので、工夫をしなければならない。

お茶とお湯が入った後、上手に茶筅を使って、美味しいお茶を点てる事になる。
稽古では、自分が点てたお茶を客に出すだけで、自分で飲んでいないので、
どんなに不味いお茶を客に出しているかが分からない。
自宅で、自分でお茶を点て、自分でそのお茶を飲むことが大切である。

又、茶筅の使い方で、お茶も美味しくもなれば、不味くもなる。
どの様に茶筅を動かすと美味しいお茶になるのか研究した方が良い。
実践あるのみ。

濃茶の場合も
基本は、薄茶と同じ。
お茶の量とお湯の量が変わるだけ。

自分の点てたお茶が、美味しいと勘違いしている人もいると思うので、
美味しく点てられている人のお茶を飲む必要もある。
大寄せの茶会で出て来るお茶が美味しいお茶だと思うのは、錯覚にしか過ぎない。

美味しいお茶を飲み慣れている方に伺うと、
美味しいお茶は外では中々飲めないと言われる。

点前の形、順序にばかりに気を使っているからだと思う。

茶事に行って、美味しくない濃茶・薄茶を飲まされたら、
申し訳ないが、道具と料理を褒めるしかない。
六代 覚々斎ではないが、
「料理 賞められ 無念に候」になってしまう。

茶カブキでも、同じ様にしないと、客はお茶を当てられない。
5服のお茶は、同じ濃さ、同じ点て方でなければ、当たる方がおかしい。

次も参照
2018年7月1日「柄杓 お湯(水)を汲む
2015年5月9日「濃茶の点て方 濃さ
2015年5月9日「薄茶の点て方 お湯の量 お茶の量
2015年5月9日「茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる
2016年9月20日「茶事 懐石 元伯宗旦 覚々斎

2018-7-2 修正
2021-1-17 修正(お茶の量を修正)
2021-2-27 修正


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2018年2月11日日曜日

道具 仮置き 客

拝見その他で、客が亭主の道具を手元に持って来て仮置きする場合がある。
お茶の習い始めには、どちらからどの順番で並べるか迷う事がよくあった。
理屈を知らないから迷いが出て来るので、出来るだけ理屈を知り、考える様にした方がよい。

道具の仮置きについて、濃茶の御三器(茶入、茶杓、仕服)を例にして記してみる。

お茶では、原則、格の高い道具は右手で扱う。
よって、
仮置きする場合も、右手の方向から左手の方向へ、格の高いものから順に置く事になる。

自分の前に並べる時には、
自分の右手の方から、左手の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。

末客が道具を正客に返す場合、正客の前に並べて置く時には、
正客の右手の方から、左手の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。

正客が亭主に道具を返す時に置く場合も同じで、
亭主の右手の方から、左手の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。


但し、例外が一つだけある。
それは拝見する前に、正客が自席の前に仮置きする時である。
この時には、拝見する順番に並べる。
正客から見て、左から右の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。


これは、普段稽古をする上座床(正客の右手側に床がある)の場合である。

下座床(正客の左手側に床がある)の場合も、理屈を考えれば直ぐ分かる事で、
拝見する前の正客は、正客から見て右の方から、左の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。
上座床の場合とは逆に並べる事になる。
下座床でもそれ以外の場合は、上座床の場合と同じ様に、右手の方向から左手の方向へ置く。

普段の稽古する広間は、上座床が大半であるが、
小間では、下座床が結構多くあるので、知っておいて悪くない。

下記も参照
2014年10月30日 「茶入・茶器・茶碗等の格 扱い
2015年4月7日 「正客の席 表千家 上座床・下座床
2015年4月20日 「下座床 濃茶 客 茶碗と出し帛紗
2017年10月9日 「茶碗と茶器(茶入)の置き合せ 道具の格


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2018年1月12日金曜日

紹鴎棚 地袋の柄杓・蓋置を使う 薄茶 炉

紹鴎棚を使っている時、
濃茶の終りに、柄杓と蓋置を地袋の左袋戸の中に飾り残すことがある。
この飾り残した柄杓・蓋置を使って薄茶を始めるには、普段あまりしない様な手順を踏むので、ここに記してみた。

紹鴎棚 飾り残した柄杓・蓋置を使って薄茶の点前を始める場合、

茶碗を水屋から持ち出し、棚正面に座る。
茶碗を勝手付きに仮置き。
直ぐに立って、水屋に戻る。

建水を持って出て、棚正面に座る。(柄杓・蓋置は入っていない)
建水を左膝横少し下がった所に置く。

左袋戸のツマミを右手で摘まんで7分目程開け、左手に替えて戸袋を開け切る。

右手で蓋置を取って、左手であしらって、右手で建水の中に入れる。

柄杓を右手で取って、左手で建水の上に置く。
(建水を持ち出す時と同じ格好、柄杓の合は落とさない)

左袋戸のツマミを左手→右手と使って、戸袋を閉め切る。

身体を右戸袋の前まで移し、左手→右手と使って、右戸袋を開ける。

水指を手前に出して、
身体を棚正面に戻す。

右手で中棚の薄茶器を取り、棚前正面の中央少し右寄りに置く。

仮置きした茶碗を、右手で取り、左手で薄茶器の左横に置き合せる。
(建水が左膝脇にあるので、茶碗は右手で取る)

左手で柄杓の柄を少し持ち上げ、
右手で蓋置を取り出して、
柄杓を元に戻す。

左手に蓋置を受けて持ち、身体を居前(外隅中心)に廻す。

蓋置を炉の横定所に置き、
左手で柄杓を取り、右手で蓋置に引いて、「お楽に」の挨拶をする。

この建水から蓋置・柄杓を取るやり方は、男女同じである。

以降は、いつもと同じ。

袋戸ツマミを摘まむ時の親指は、上から摘まむ。
横からは摘ままない。



2018-1-26 2行追加


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2017年10月9日月曜日

茶碗と茶器(茶入)の置き合せ 道具の格

点前の始まりで水指の前に茶碗と茶器(茶入)を置き合せるが、
格の高い物(重要な物、茶入や茶器)を客付きに置いている。
本勝手であれば、客付きである茶碗の右側に茶器(茶入)を置く。

薄茶の運びであれば、
格の高い道具を持つ右手に格の高い茶器を持って、格の低い道具を持つ左手に格の低い茶碗を持って、水屋から運び出す。
水指前に座って、持って来たそのままに、茶器と茶碗を置いている訳ではない。
客付きに近い右手に格の高い茶器を持っているから、持ってきたそのままに茶器と茶碗を置いている。

逆勝手の場合を考えてみると分かる。
水屋から運び出す時には、右手に茶器を持ち、左手に茶碗を持って、出て来るが、
坐って水指前に置き合せる時には、
右手の茶器を客付きに近い左側に置き、
左手の茶碗は右手に握り替えて茶器の右側に置く。

逆勝手でも、客付きに近い方に格の高い茶器を置いている。

逆勝手の濃茶の場合も同じで、運び出すことはないが、茶碗と置き合せる時には、茶入は客付きに近い左側に動かす。

茶器(茶入)と茶筅を並べて置く時には、粗相しない様に(茶筅を倒さない様に)茶筅を右側に置いている。
これは本勝手でも逆勝手でも同じ。

ついでに、
茶入・茶器の蓋を置く場所についても、同じ事が言える。
濃茶を入れる茶入や茶器(棗など)については、
蓋を置く位置は茶碗の客付き(本勝手では、茶碗の右側)になる。
濃茶を入れることのない茶器の蓋は、茶碗と膝の間に置いている。

逆勝手の場合は、
茶碗の客付き(左側)に置きづらいので、全ての蓋を茶碗と膝との間に置いている。

参照
2015年2月12日 「逆勝手 客 お茶の飲み方
2014年10月30日 「茶入・茶器・茶碗等の格 扱い


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2017年7月23日日曜日

干菓子 季節に合わせた銘

色々な銘が付いた干菓子が全国各地にあるが、季節季節に合わせて出したくなるものである。

盛夏ともなると、季節に合わせると言うより、正反対の冬季の銘がついたお菓子の方が好ましい場合もある。

冬季の銘が付いた干菓子も種々あるが、一例として下記のようなものが全国的にも知られている。

薄氷(小矢部、五郎丸屋)
寒菊(長崎、梅寿軒など)
越乃雪(長岡、大和屋)
御所氷室(京都、鶴屋吉信)
笹の雪(能登、長生堂)
雪だるま(岐阜、奈良屋)

この様なお菓子が出て来ると、名前を聞いただけで涼しさを感じる。
これらの銘のお菓子は、冬季の物と言うより盛夏の物ではないだろうか。

季節に合わせるのではなく、季節と正反対の銘の菓子を出すのも好ましい。

なお、「霜ばしら(仙台、玉澤)」の様に、冬季限定で販売していて、冬にしか使えないものもある。


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2016年9月19日月曜日

茶壺 口切り

立春から88日目の八十八夜頃(5月2日頃)に摘んだお茶の葉を、
直ぐに蒸して発酵を止め、さらに葉脈の様な不純物を取り除いて、
揉まずに精製したお茶の葉を「碾茶(てんちゃ)」と言う。
抹茶は、濃茶も薄茶も、碾茶を茶臼でひいて粉にしたもの。

昔は、碾茶を詰め、木で作った口蓋をし、更にその上から和紙で封をした状態で、茶師から戻って来た茶壺を、風通しの良い冷暗所で一夏熟成させた。
吐く息が白くなる頃、柚子の実が黄色くなる頃、風炉から炉に替えて、その年の新茶(碾茶)を茶臼でひいて口切りをする事になっていた。

濃茶は「極(ごく)」と呼ばれ、茶銘別に和紙の袋に詰められて、茶壺に入れられる。
更に、その周りを薄茶の茶葉(碾茶)で埋める。
その上で、茶壺に蓋をし、更に和紙で封をする。

この茶壺の口封を切って、その年の初夏に摘んだお茶を初めて使い始める事を、「口切り」と言う。

「極」は、二十匁(75g)ないし十匁(37.5g)、五匁(18.75g)を和紙の袋に詰める。

茶壺を納めた箱の蓋の裏に、「入日記(いりにっき)」と言われる紙に、詰められたお茶の一覧、年月日、茶師名を記入し、貼り付けてある。
この入日記は、毎年前年の入日記の上に張り付けて行く。
例えば、30年にわたって同じ茶壺にお茶を詰めさせていれば、30枚の入日記が箱の蓋裏に貼ってあり、過去30年の詰めたお茶の歴史を見る事が出来る。

現在では、茶壺は儀式用(口切り用)としてだけ残っている。

私は茶壺にお茶を詰めて貰って、口切りの茶事をした事はないが、毎年茶壺の口切りをして茶事をされる方もおられる。
その様な方の口切りの茶事に呼ばれて多く貼られた入日記を拝見すると、その方の茶人としての歴史を感じて壮観である。

現在は、一年中何時でも粉に挽いてある抹茶を自由に手に入れられる様になっているので、
「名残り」「口切り」と言っても実感の伴わないものになってしまっている。
風炉の時期にはお茶の勢いも弱っているから釜に水を加えると言う濃茶の点前も、空しい形ばかりのものになっている。

「匁」は、重さの単位。
明治以後、1匁=3.75g。
五円硬貨は3.75gで、ちょうど1匁に相当する。
江戸時代は、時期によって変動するが、平均して 1匁=3.75g弱である。

茶壺


茶壺の口から見た「極」の袋、周りの茶葉(碾茶)は薄茶。



茶壺の中身
濃茶の袋。ザルの中は周りに詰めてある碾茶の薄茶。



入日記


下記も参照。
2015年5月9日 「薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量
2016年9月20日 「匁 斤 重さ


2016-09-22 修正


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2016年8月16日火曜日

平水指 割蓋

平水指 割蓋

啐啄斎好み「立浪蒔絵 割蓋 朝鮮平水指」、
即中斎好み「芦水蒔絵 割蓋 万古青磁平水指」 などがある。

風炉敷板より畳目1目奥に水指を据える。

運びの道具立てではあるが、蓋置は竹に限ることはない。
柄杓・蓋置を置き残す時は、焼物などの蓋置にする。
焼物であれば少々侘びた物が良い。

柄杓・蓋置を水指の蓋に置き残す時は、湯返しをしない。
入り飾りの様にして残す。

割蓋ではないが、平水指の一枚蓋の場合は、蓋のツマミが邪魔になるので、
柄杓・蓋置は、置き残さない。

2016年4月6日「大水指 大壷水指 炉」 を参照。


濃茶では、

仕服は、風炉と水指の間の奥の方に寄せて置く。

茶巾は、割蓋の開ける方(左側)の手前に置く。

薄茶では、

中仕舞いはしない。
棚の場合と同じく、点前の終わりには水指前に茶器・茶碗を置き合せる。

2014年11月13日「中仕舞 炉 濃茶 風炉 薄茶 広間
2014年11月13日「本仕舞 点前の終わり
を参照。


尚、平水指でなく、普通の水指に割蓋の時には、

合せ目は、平水指と同じ様に縦にして置き、釜に近い方の蓋を開ける。
広間であれば、
風炉では、左側の蓋を開け、炉では右側の蓋を開ける事になる。

蓋の開け方は、平水指の場合と同じ手の使い方で開ける。
左側の蓋を開ける時は、右手で右の蓋を押え、左手で開け始め、手を替え右手で開けきる。
右側の蓋を開ける時は、左手で左の蓋を押え、右手で開け始め、手を替え左手で開けきる。
開けている手の反対の手で、蓋が動かない様に押えて置くのは同様。

濃茶では、開ける方の蓋の上に茶巾を載せる。




啐啄斎好み「立浪蒔絵 割蓋 朝鮮平水指」




2016-9-29 修正
2018-12-16 追加


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2016年6月2日木曜日

桑小卓 柄杓・蓋置 建水・蓋置

桑小卓 柄杓・蓋置飾る

点前の終わりの柄杓と蓋置の飾り方には二通りある。

(1)天板に斜めに飾る、入り飾り。

蓋置は合の真下、柄の節にかかる辺りに置く。

(2)左側の奥の柱に柄杓の合をもたせかけ、柄の先は左側の手前の柱の根元に置く。

水指の蓋をしたら、すぐに柄杓・蓋置を飾る。

柄杓の合は手前を向かせ、斜めに柱に立てかける事になる。
右手で柄杓の節の少し上を持ち、左手は柄の先に添えて、立てかける。

蓋置は、中棚の左側手前、柄杓の柄の先の右横に取り敢えず仮置きして、
水指前に並べてある茶碗・茶器(薄茶の場合)の内、茶碗を勝手付きに仮置きし、茶器を天板に戻す。

棚前が空いたところで、
仮置きの蓋置を右斜め上から握り、左手であしらって、地板に置き易い様に、横から握り直して、地板の左右中央の少し奥に置く。

薄茶でも拝見がある場合は、濃茶の場合に準じる。

濃茶の場合、
水指の蓋をした所で、正客から拝見の挨拶。
それを受けて、すぐに柄杓・蓋置を飾る。

蓋置は、中棚に取り敢えず仮置きして、
水指前に並べてある茶碗を、勝手付きに仮置きし、茶入他を拝見に出す。

建水を勝手に引く前に、
仮置きの蓋置を右手で取り、地板の左右中央の少し奥に置く。

建水も飾る場合、

水指に水を加えた後、
洗った建水を持ち出し道具畳の左右中央に座り、

建水を左膝の線から少し前に出して、左手で置き、地板の蓋置を建水に右手で入れ、
建水の左右の真中を両手で持って、地板に入れる。
両手が棚に触る位入れたら、
右手、左手と建水の手前に持ち直して、建水の手前が地板から少し出る位まで、両手で奥に入れる。

又は、
拝見物がある場合、
拝見物を取りに来る時、建水を持って出て、建水を棚の地板に入れてから、拝見物の前に移り、お尋ねに答える。

建水を必ず飾る必要はありません。
お客に特に見て頂きたい建水でない場合でしたら、建水は飾らない方がむしろ宜しいでしょう。

建水も飾っている時の点前の始まりは、

茶碗を持ち出し、左手で勝手付きに仮置き。
建水を飾った時の打ち返しで、建水を棚から引き出して、
左手で左膝横の膝から少し下がった定所に置く。
茶器を天板から下して水指前右寄りに置き、仮置きした茶碗を右手で取り、水指前に置き合せる。
右手で建水の中の蓋置を取って、左手であしらい、右手で定所に置く。
柄杓を取って、蓋置に引く。
「どうぞお楽に」の挨拶。
建水を進めて、後はいつもの通り。

蓋置だけ地板に飾っている時の点前の始まりは、

茶碗を持ち出し、左手で勝手付きに仮置き。
地板に置いている蓋置を、中棚の左側手前、柄杓の柄の先の右横に取り敢えず仮置きして、
茶器を天板から下して水指前右寄りに置き、仮置きした茶碗を左手で取り、水指前に置き合せる。
建水を勝手から持って出て、いつもの様に身体の横に置く。
蓋置を取って定所に置き、柄杓を取って、蓋置に引く。
「どうぞお楽に」の挨拶。
建水を進めて、後はいつもの通り。

なお蛇足になるが、柄杓蓋置を飾った状態からは濃茶点前を始めないので、上記の「点前の始まり」は薄茶の場合です。
(組合点、仕組点を除く)

参照
2015年6月5日 「桑小卓 風炉 平建水」 
2021年5月2日「七種蓋置


2016-08-17 修正

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2016年3月5日土曜日

抱清棚

抱清棚 (ほうせいだな)

桐木地 吸江斎好み
杉木地 碌々斎好み

三井家のどなたかが入手した朝鮮唐津の水指の為に、小間の雰囲気を広間に取り入れられるように、吸江斎がこの棚を好まれたと聞いた事がある。

炉用と決まっている訳ではないが、風炉と並べると非常に窮屈になるので、炉用と言っても過言ではない。

水指は、運び。
湯返しは、しない。
蓋置は、竹を使う。

茶入の仕服は、緒の輪になっている方を竹釘(柄杓釘)に掛ける。
仕服の口は、棚の奥の方を向く。

柄杓は、合を竹釘に掛ける。
蓋置は、柄杓の柄の足元に置く。

「柄杓」と「仕服」を竹釘に掛ける(取る)時には、

居前から掛ける(取る)には、左手を使う。
柄杓の柄の節の少し上を、左手で竹の表皮の方から掴む。

棚正面で掛ける(取る)には、右手を使う。
柄杓の柄の節の少し上を、右手で竹の裏の方から掴む。

初炭の時、羽箒を竹釘に掛け、下に香合を置いても良い。


抱清棚 濃茶



抱清棚 薄茶





下記も参照
2016年12月1日「柄杓湯返し 竹蓋置 広間
2015年5月27日「竹蓋置
2020年12月9日「抱清棚 初炭 羽箒の扱い
2021年6月19日「竹の蓋置




2016-8-18 修正

2020-3-2  修正
2020-12-10 参照項目追加



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2015年10月18日日曜日

風炉一つ置 茶器仮置き

竹台子 風炉一つ置 続き薄茶 茶器仮置き

且座では続き薄茶になるが、
茶器を清めた後、仮置きする事になる。

竹台子の場合、水指は細水指と言いながら、棚より前に出て置き付けているので、
建水の上には、茶器を置く余裕が少ない。

よって、水指の膝に向かって斜め前に、左手で置けば良い。

茶器と茶入を入れ替える時には、
茶杓を入れ替えた茶器に乗せた後、膝前の茶入を右手で取り、左手であしらって、天板の茶器があった所に右手で乗せる。

長板 風炉一つ置 の場合も同様。

長板の場合は、茶入を戻す所がないので、茶器の仮置きの場所に、茶入も仮置きする。
茶入の袋も、長板前水指右上辺りに置いているので、水指の周りは結構混雑する。


尚、
茶碗の仮置きは、膝前。
中仕舞にはしない。



下記を参照
2016年5月11日 「風炉 大棚、長板
2014年11月23日 「竹台子一つ飾り


2016-09-01 修正

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2015年7月13日月曜日

絞り茶巾 風炉 炉

絞り茶巾

絞り茶巾は式正の点前では行わない。
薄茶点前のもの。濃茶では行わない。

茶巾は、きちんと畳む前の、絞った状態のままにしておく。
水はまだ絞り切れていない。

茶碗に仕込んでいる時でも、釜の蓋の上に置く時でも、茶巾の端の耳にしている方を左側にして横向きに置く。
茶巾を茶碗に仕込む時は、茶杓と茶筅はいつもの通り。


風炉  盛夏の折りの茶巾の扱い。

茶巾を釜の蓋の上に横向きに置く。
お湯を茶碗に入れる。
茶筅通し。
茶碗を温め、お湯を建水に捨てる。
茶碗は拭かずに膝前に置く。
茶巾を絞り、畳んで、置いている茶碗の底に入れる。
茶碗を取り上げ、茶巾で拭く。

炉  極寒の折りの茶巾の扱い。

茶巾を釜の蓋の上に置く。
お湯を茶碗に入れる。
茶筅通しの初め、茶筅を茶碗に落としたら、そこで中止。
茶巾を絞り、畳んで、その茶巾は釜の蓋の上に戻す。
茶筅通しの続きをする。
茶碗を温め、お湯を建水に捨てる。
茶巾を取って、いつもの様に茶碗を拭く。

風炉では、茶碗を冷やす心持を表わす。

炉では、茶碗を温めておく心持を表わす。

茶巾を絞り直す時、茶巾は通常一度左右に引き伸ばし、再び四つに折って絞り直すが、
茶巾を広げずに、絞った状態のまま直ぐに建水の上で絞る仕方もある。




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2015年6月26日金曜日

薄茶をすくう ガケ 茶器

薄茶

棗などの茶器に入った薄茶を茶杓ですくう時、

手前ではなく、向こう側に横から茶杓を入れて、お茶をすくって行く。

最初の一杓、二杓の時は、崖(がけ)を作る事は出来ないが、
三杓目ないし四杓目からは、茶杓の腹でお茶を落として、崖を作って、
下に落としたお茶を茶杓ですくう。

お茶の崖は奇麗に作る。凸凹にならない様に奇麗な崖にする。

しかしながら、
お茶の崖は早く切り(落とし)過ぎない様にする。

落としたお茶が少なくなってから、崖を切ってお茶を落とす。





下記も参照

2015年5月2日 「濃茶 濃さ 元伯宗旦
2015年5月9日 「茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる
2015年5月9日 「薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量
2015年5月9日 「濃茶の点て方 濃さ


2016-09-21 修正


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2015年5月27日水曜日

竹蓋置

竹蓋置

引切(ひききり)とも言う。

青竹の蓋置は、茶事の濃茶に使う。薄茶では別の蓋置に替える。
青竹の蓋置には、1年目の竹を使う。

白竹の蓋置には、2~3年以上経った竹を冬に切って、油抜きして使う。

炉用、風炉用、炉風炉兼用(節なし)がある。

特殊な物で、表千家九代 了々斎好みの、
「根竹、三ツ節、炉風炉兼用」の蓋置がある。

小間で使う蓋置は、竹だけ。

広間では、水指運びの時に竹の蓋置を使う。

竹蓋置は、棚の上に飾り残す事はない。
柄杓、蓋置共に持ち帰る。

抱清棚では、柄杓を竹釘にかけ、その柄杓の柄の下の畳の上に蓋置を飾り残す。
この時の蓋置は竹を使う。

2016年3月5日 「抱清棚」 を参照。

広間の風炉で、
運びの水指ではなく、置き水指ではあるが、台子・長板二つ飾りの場合、竹の蓋置を使う。
蓋置は、台子・長板の左端手前の畳の上に置き、柄杓を引く。
柄杓・蓋置は、飾り残さず、水屋に持ち帰る。
台子で二つ飾りをする事は少なく、薄茶点前に限って長板でする事が多い。

2016年5月11日 「風炉 大棚、長板」 を参照。


竹蓋置
利休好みは、炉・風炉共に、高さ 1寸8分(約5.5cm)。

根に近い方から炉用、その次の節から風炉用を取る。
竹の厚さが同じ位になる。
逆竹にして作る(根の方が上になる)。

直径は、炉用1寸8分位(約5.5cm)。
風炉用1寸6分位(約4.8cm)。

炉蓋置の節は、上下の中央より上にある。
風炉蓋置の節は、上端にある。

下記も参照

2015年2月17日 「黒文字 青竹 保存方法
2015年2月17日 「青竹の蓋置、灰吹き 茶事
2021年6月19日 「竹の蓋置


2016-08-28 修正



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2015年5月9日土曜日

茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる

薄茶を点てる時の茶筅の使い方。

茶筅は、茶碗に傾けて入れる。
茶筅は、茶碗に垂直に入れるのではない。

茶筅は、横方向から握る。
縦方向から握るのではない。

肘で茶筅を振る気持ちで、茶筅を使う。
手首を使って茶筅を振らない。手首のスナップを効かせて茶筅を振らない。

きちんと茶筅を握ると、手首を使っては茶筅は振れない。

長い時間茶筅を振らない。
アッサリと点てる。サラッと点てる。
薄茶の上に泡が盛り上がらない様にする。

時間を長くかけて茶筅を振ると、お茶の香りが飛んでしまう。

濃茶を点てる時も茶筅の握り方は同じ。






下記も参照

2015年5月2日 「濃茶 濃さ 元伯宗旦
2015年5月9日 「薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量
2015年5月9日 「濃茶の点て方 濃さ
2015年6月26日 「薄茶をすくう ガケ 茶器
2018年7月1日 「お茶を点てる 留意点 お茶の量 お湯の量


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薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量

薄茶

茶碗に茶杓 1杓半の薄茶をはき、適量のお湯を注ぎ、茶筅を振ってお茶を点てる。

現在の私は、薄茶1.4~1.8g、お湯40cc~50cc前後だろうと感じている。

茶筅は軽く振る。
泡は自然と立つ位。

茶碗の形・釉薬の掛り具合で泡の立ち方は変わるが、お茶の上に泡が盛り上がらない様に、サラッと点てる。

時間を掛けない事。つまり茶筅を長い時間振らない事。お茶の香りが飛んでしまう。

抹茶は、お湯に溶ける事はない。どんなに長時間茶筅を振っても、抹茶はお湯の中に浮遊しているだけ。

時間をかけ過ぎると、苦み成分・渋み成分が多くなり、香りも飛んで、お茶が不味くなる。

さて、
現代は、冷蔵技術が発達しているので、昔の様な事はしないだろうが、

昔は、抹茶は、5月初~中旬頃(八十八夜前後)に摘まれ、半年後の炉の時期から飲み始められた。
そして1年後の風炉の終わり迄、飲み続けられた。
その年摘まれたお茶は、半年後から1年間飲まれる事になる。

だから、現在の様に冷蔵技術が発展していなかった頃には、お茶を如何に涼しい場所で保存するかに頭を悩ましていた訳だ。

しかし、どんなに涼しい場所に保存しても、風炉の終り頃には、抹茶は暑い夏を2度経験するのだから、現代と比較できない程に品質は劣化してしまう。

それで、風炉の名残のお茶と言えば、現代の茶人は経験した事のない様な古いお茶となる為、如何にしてそれを美味しく飲むかが工夫のいる所だった。

逆に言えば、炉開きのお茶(今年の新茶)が如何に美味しいお茶だと思われたかは想像に難くない。

風炉の名残のお茶を不味く飲まない工夫として、昔の人は、
1.お茶を少なめに入れる
2.お湯を多目に入れる
3.長い時間かき混ぜて、お茶の臭みを飛ばす
等を行って、出来るだけ不味くないお茶を飲むようにした。

現代人は想像も出来ない事だ。

それも知らずに、「少ないお茶・多いお湯・長く茶筅を使う」を実行している現代人達も多い。

ちなみに、お茶の保存は冷蔵庫で保存します。冷凍庫では保存しない様に。


下記も参照

2015年5月2日 「濃茶 濃さ 元伯宗旦
2015年5月9日 「茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる
2015年5月9日 「濃茶の点て方 濃さ
2015年6月26日 「薄茶をすくう ガケ 茶器

2021-1-17 修正(お茶の量を修正)
2021-1-31 お茶の量を修正

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