ラベル 広間 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 広間 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023年4月9日日曜日

旅箪笥 点前の終わり 柄杓を棚に掛ける

 旅箪笥の点前の終わりに柄杓を棚に掛ける(飾る)。
その順序が何種類かあるように感じられるが、実は同じ順序になっている。
薄茶で水指を引き出して使う場合が基本となっている。
小棚で柄杓蓋置を飾る場合と何ら変わりはない。

(Ⅰ)薄茶 水指を引き出して使う場合(基本になる)
(1)点前の終わりになったら、
(2)水指から釜に水を足す。
(3)釜の蓋を閉める。
(4)柄杓を蓋置に引く。
(5)水指の蓋を閉める。
(6)柄杓を左手で旅箪笥の上棚板の切り込みに掛ける。
(7)蓋置を左手に載せて棚正面に廻る。
(8)蓋置を棚底板の柄杓の柄の手前に置く。
(9)茶碗を仮置きして、茶器を中棚板に飾る。
(10)建水と茶碗を水屋に持ち帰る。
(11)水次ヤカンで水指に水を足す。(水指は畳の上に下ろす)
(12)旅箪笥の戸を閉める。
(13)水次ヤカンを水屋に持ち帰る。

(Ⅱ)薄茶 芝点の場合
基本になる水指を引き出す場合と同じ順番で出来ない部分だけを少々変えている。
(1)点前の終わりになったら、
(2)水指から釜に水を足す。
(3)釜の蓋を閉める。
(4)柄杓を蓋置に引く。
(5)水指の蓋を閉める。

*ここで柄杓を旅箪笥に飾りたいが、中棚板を外に出しているので、柄杓を掛けてしまったら、中棚板を旅箪笥に戻せなくなってしまう。
よって、

(6)外に出している中棚板を旅箪笥に戻す。
(7)柄杓を左手で旅箪笥の上棚板の切り込みに掛ける。
(8)蓋置を左手に載せて棚正面に廻る。
(8)蓋置を棚底板の柄杓の柄の手前に置く。
(9)茶碗を仮置きして、茶器を中棚板に飾る。

(Ⅲ)薄茶 下棚板を上棚板に載せる場合
芝点の場合と変わりはない。
柄杓を旅箪笥に飾る前に、中棚板を元の位置に戻すことになる。

基本の水指を引き出して点前を始める場合と何ら変わりなく点前を進めている。

(Ⅳ)濃茶の場合
引き出してある水指の前に茶入を置いて点前を始めるのは、薄茶の基本の場合と変わりないが、
点前の終わりには、上棚板の切り込みの位置に仕服を仮置きしているので、水指の蓋をした後すぐに柄杓を旅箪笥に飾ることが出来ない。
よって、
一度 柄杓蓋置を建水に仮置きしておいて、仕服(茶入茶杓も)を拝見に出した後、柄杓蓋置を旅箪笥に飾ることになる。

どの場合でも、小棚に柄杓蓋置を飾る場合と順序は何ら変わることはない。

下記も参照
2021年4月1日 旅箪笥 中棚の3通りの扱い 薄茶 炉
2021年4月9日 旅箪笥 柄杓蓋置飾り残し 棚板 炉
2022年4月26日 旅箪笥の戸 薄茶器拝見の場合の扱い 炉

2022年2月21日月曜日

結び柳

 正月(初釜にも)の床飾りに使う。
掛け柳とも言う。
表千家家元令和4年の初釜では、青竹の花入を掛けて、白椿に結び柳を添えて生けられていたようだ。


結び柳の起源は、諸説あるがよく分からない。

利休が、秀吉から拝領の柳を花入に入れた時、柳の先が畳につかない様に丸めて生けたとの話しがある。

又、利休が送別の茶事の時、唐物置き花入に柳を結んで入れたとの話しもある。

中国の話しとして、古く「折柳(折楊柳)」と言って、柳の枝を結んで旅立つ人に贈る習慣があった。
これが結び柳の起源との説もある。

輪にする→環(カン)→還(カン)→帰る に通ずることから、柳の枝を輪にして贈った。
柳:シダレヤナギ、楊:カワヤナギ(ネコヤナギを言うこともある)

唐詩選に、張喬の「寄維揚故人」と題する七言絶句があり、
( 維揚(現 揚州市)で旧友と別れる時の詩 )
( 張喬:唐末の詩人。唐 昭宗の大順年間(890年頃)の進士との説がある。)
その第一句に「 離別河邊綰柳條 」とある。
(離別河の辺りで、柳の枝を輪にする)

また 折柳の意は、「還」とは全く関係なく、旅人が旅に疲れて魂を失散させないように、しっかりつなぎ留める様にとの意味とも言われる。

「結び柳」は、そもそも 中国の故事である「折柳」とは、全くの無関係であるとの説もある。

結局、結び柳の起源はよく分からない。



このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2021年4月9日金曜日

旅箪笥 柄杓・蓋置飾り残し 棚板 炉

旅箪笥

柄杓・蓋置を飾り残す時は、湯返しをする。
蓋置は、竹でなく焼物などを使う。

柄杓を棚に掛ける時、
点前の終りに棚に掛ける時は、居前のままで左手で掛ける。
棚正面から掛ける時は、右手で掛ける。
どちらの場合も、柄の裏から節の少し上を持って掛ける。

棚に飾ってある柄杓を使って薄茶点前を始める時、
建水を持ち出し、蓋置を取って居前に廻り、
蓋置をおいて、居前のままで左手で柄杓を取る。
蓋置に柄杓を引いて「お楽に」の挨拶。

旅箪笥の中板(下の棚板)は、
扱うのに、斜めにしなければ出し入れが出来ないのなら、
点前の中で扱って、上の板に載せたり、芝点てにしたりしない。
その様な場合は、水指を手前に引き出して、使える様にする。




下記を参照

2014-10-23「炉 旅箪笥 柄杓・蓋置飾り残し 中板(棚板)」を修正した。
修正前の投稿は削除した。

このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2021年4月1日木曜日

旅箪笥 中棚の3通りの扱い 薄茶 炉

旅箪笥は、炉の終り頃よく使われるが、本来は季節を選ぶ棚ではない。
炉の時季であればいつ使ってもよい棚である。
また、釣釜と取り合わせて使う事も多いが、釣釜と取り合わせて使わなければならないものでもない。


薄茶の場合、点前の始まりに旅箪笥の中棚を扱うには、3通りある。

(1)濃茶の場合と同じく、水指を引き出す場合

茶碗を持ち出し仮置し、
水指を手前に引き出してから、薄茶器を中棚から下ろし、茶碗と置き合わせる。
その後、建水を持ち出す。
仕舞いの時は、薬缶で水を加えるまで水指は引き出したままにしておく。
水指は旅箪笥から下ろして水を差す。

(2)芝点ての場合

柄杓を蓋置に引いて、「お楽に」の挨拶。
居前から中棚を取り出し、斜めに畳の上に置いてから、居ずまいを直す。
その後、建水を進める。
仕舞いの時は、水指の蓋をしたら直ぐに棚板を元に戻す。
水指は旅箪笥から下ろして水を差す。

(3)中棚を上棚に重ねる場合

柄杓を蓋置に引いて、「お楽に」の挨拶。
居前から中棚を取り出し、上棚に重ねてから、居ずまいを直す。
その後、建水を進める。
仕舞いの時は、水指の蓋をしたら直ぐに棚板を元に戻す。
水指は旅箪笥から下ろして水を差す。

下記を参照
2021年4月9日 「旅箪笥 柄杓・蓋置飾り残し 棚板 炉
2023年4月9日 「旅箪笥 点前の終わり 柄杓を棚に掛ける


このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2020年12月9日水曜日

抱清棚 初炭 羽箒の扱い

抱清棚


柄杓釘(竹釘)に羽箒を掛ける。 羽箒の下の畳の上に香合を置く。
中棚には濃茶入を飾る。
炭斗を運び出し、灰器も運び出す。
体を棚正面に回し、
右手で羽箒を取ってから、左手を使って持ち直して、右手で膝前に膝と平行に置く。

取り方は、
右手で羽箒の柄を取る。
羽箒の柄を取った右手の親指を下に向けて、柄を水平にする。
柄の下にある右手の親指と反対側に左手の親指が来る様に、左手の親指を上にして左手で柄を掴む。
次に、
左手の親指と右手の親指の両方が柄の同じ側をなるようにして、
右手で掴み直して、膝前に右手で膝に平行に羽箒を置く。

右手で香合を取り、左手で下から受けて持ち、
右手で羽箒を持って、炉正面に回り、
羽箒を炭斗と炉縁の間に置く。
左手の上から香合を右手で取り、炭斗正面の縁内に右手で置く。

女子は、羽箒と香合を別々に置く。
男子と同じ様にして、羽箒を右手で取り、左手で扱って、右手に持ち直して、
炉正面に回り、炭斗と炉縁の間に置く。
再び棚正面に向き直り、右手で香合を取って、左手に載せて炉正面に向き、
右手で縁内に置く。

後は、
常の通り、鐶・火箸を炭斗から下ろす。

参照
2016年3月5日「抱清棚


このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2020年4月19日日曜日

お茶湯 炉

お茶湯(おちゃとう) 炉
座敷飾りの中で、佛様にお茶を供える時に行う。
利休忌などに行う。

茶筅を使わない。
お湯を入れた茶碗に、お茶を落とすだけにする。

床には、利休忌であれば利休画像などを掛け、
前に花台(薄板などでも)を置き、花台中央に花入れを置き、花を供えておく。

お茶湯では、棚を使う。
棚の天板に、天目台に天目茶碗を載せて、飾っておく。

点前をする人は、茶器と茶碗を一緒に持って出る。
棚前に座り、茶器・茶碗を置きつける。
柄杓・蓋置を仕組んだ建水を持ち出して、いつもの通りに点前を進める。

常の通り、
茶器を清めて定所に置き、茶杓も清めて載せ、茶筅も置き、
茶碗を寄せる。
茶碗から茶巾を取り出し、釜の蓋の上に置いたら、
お湯を一杓汲んで茶碗に入れる。

茶筅を取って、茶碗の中で一つ回して落とし、
茶筅を茶碗の中に入れたまま、
両手で茶碗を持ち、居前のままで、建水の先に両手で置く。

身体を棚正面に廻り、
両手で茶碗の載った天目台の羽根を持ち、持ったまま居前に戻る。
天目台を膝前に置く。

湯を一杓汲んで、天目台に載った茶碗の中に入れる。
柄杓は釜の口に戻す。

両手で茶碗を取り上げ、ゆっくり回して温める。
両手で茶碗を建水の上に持って行き、お湯を捨て、
両手で茶碗を天目台に戻す。

お湯を一杓汲んで、適量を茶碗に入れる。
茶杓・茶器を取って、お茶を二杓お湯の上に落とし入れ、
茶杓の先を茶碗の内側で、軽く二度打ってお茶を払って、
茶器の蓋をして、茶器・茶杓を元に戻す。

茶碗の載った天目台の羽根を両手で持って、
持ったまま、身体を客付き正面に廻す。
持ったまま、天目台を丸廻しして、定所に出す。

女子は、
天目台をいつもの様に右膝横に仮置して、
身体を客付き正面に廻し、丸廻しして定所に出す。

正客は、
いつもの様に、天目台を取りに出て、
両手で天目台の羽根を持って、持ち上げ、
右手を茶碗に添えて、一膝くって立ち、床前に進む。

正客は、床に近く座り、茶碗が載った天目台を、花台の前に仮置する。
花入れを少し左に寄せ、
天目台の羽根を持って持ち上げ、丸廻しして、
花入れの右横に供える。

正客は、座ったまま、少し下がり(膝前8寸(24cm)位)、
一礼する。
同時に、点前の人・残りの客共に一礼する。

正客は、元の席に戻る。

点前をする人は、建水の先に仮置した茶碗を、居前のまま両手で取り、
膝前に置いて、茶筅通しの残りをする。

いつもの様に点前を進める。
いつもの様にお茶を点てて出し、お詰めまでお茶を差し上げる。

場合によっては、点前の人も相伴する。

いつもの様に点前を進め、お仕舞いにする。

以上

2020年1月12日日曜日

大棚 水指の蓋 扱い方 炉

炉の大棚。 居前から水指の蓋を取る

台子等の大棚や長板で、地板の上の右側に水指を置いている場合、
(台子や長板の諸飾り、利休袋棚など)

居前から水指の蓋を取る時は、
右手で取り、右手で水指に立て掛ける。
右手 → 左手 → 右手

蓋をする時は、そのうち返しとなる。
右手で蓋を取って、右手で蓋をする。
右手 → 左手 → 右手

棚の中央より右側に水指を置いているので、この様に右手で取って右手で置くことになる。
水指が身体の右側にある時と同じやり方をしている。

畳の左右中央に水指を置いている場合(運びや小棚の場合)には、当然右手で取って左手で立て掛ける。


このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます

2019年10月6日日曜日

茶通箱

茶通箱には、「二つ入り茶通箱」と「三つ入り茶通箱」がある。
二つとも水屋の物である。

相伝の茶通箱で使われるのは、「二つ入り茶通箱」である。

小間の水屋には、「二つ入り茶通箱」を使う。

広間の水屋には、「三つ入り茶通箱」を使う。
広間では客人数が多い場合があるので、替え茶器を入れておく為、「三つ入り茶通箱」にする。

稽古の水屋では、普通「三つ入り茶通箱」を置いてある。



このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2019年4月21日日曜日

踏込床

床の面が座敷の畳面と同じ高さの床を「踏込床」(ふみこみどこ)と言う。

板床が多い。
畳敷の踏込床が、時代を下がると板床になっていった。
3代元伯宗旦の頃に、板床に工夫されて行ったようだ。

6代覚々斎原叟が好んだ「原叟床」及び
聚光院の「桝床」が有名。

原叟床、桝床は、四畳半の中に造られることが多い。

板床は、侘びの極致を表わすと共に、
客座の畳と板床の板の材質の違いによるメリハリを感じられる。




下記も参照
2015年7月22日 「板床


このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2018年3月16日金曜日

稽古 お辞儀 総礼 茶事(2)

お茶を習い始めた頃には、いつ誰に対してお辞儀するものやら、中々分からない。
いつの間にか自然に身についてくるが、お辞儀の意味が分かって来るのは、随分後になる。

点前の途中のお辞儀は何故しているのか再度書いてみた。

稽古であれば、
始めに、亭主役は、茶碗を膝前に置き、襖を開けて一礼、同時に客も全員お辞儀をする。
また、終りには、亭主は、水次薬缶を膝前に置いて、一礼、同時に客も一礼して、亭主は襖を閉める。
これは、稽古の始めと終わりの稽古人同士の挨拶である。
実際の茶事では行わない仕草である。

点前の途中のお辞儀は、お茶の稽古を始めた人には分かりにくい。
亭主がお辞儀をして、客がお辞儀を返す。
また、客がお辞儀をして、亭主がお辞儀を返す。
どちらにしろ、亭主と客は同時にお辞儀をしている訳ではない。

薄茶の場合、
(1)点前の始まりで、亭主は建水を持ち出し、蓋置に柄杓を引いた後、一礼する。
これは、膝の挨拶とも言い、客に向かって、「お楽にして下さい」と言っている一礼である。
亭主から「お楽にして下さい」と言われたので、客はそれを受けて、礼を返している。

(2)客は薄茶碗を取り込んだ後、「お茶を頂戴します」と一礼して、お茶を頂く。
亭主は客のその挨拶を受けて、「どうぞ」と礼を返している。

(3)正客は、連客にお茶が一巡した後、客にもう十分か尋ねてから、亭主に向かって、「お仕舞い」して頂く様に、一礼する。
亭主は正客のその挨拶を受けて、茶碗を持ったまま、軽く「分かりました」との礼を返す。

(4)亭主は、その後、茶碗を膝前に置いて、「それでは、お仕舞します」とキチンと一礼する。
客は全員で、亭主のその挨拶を受けて、「有難うございました」との礼を返す。
亭主の薄茶点前に対しての客全員からの感謝の一礼である。

濃茶の場合、薄茶との違いのみを書いてみると、
(5)正客が、濃茶と出帛紗を取り込んだ後、
次客側に、茶碗と出帛紗を置いて、正客は「お先に頂きます」と次客以下に一礼する。
次客以下全員は、「どうぞ」と礼を返す。

(6)正客が濃茶を飲んでいる途中に、
次客は三客に向かって「お先に頂きます」と一礼する。
三客は、「どうぞ」と次客に礼を返す。

(7)正客は濃茶を飲んだ後、茶碗と出帛紗を次客に送る。
正客は「お先に頂きました」と次客に一礼する。
次客は、「どういたしまして」と正客に礼を返す。

(8)客全員が濃茶を飲み終わり、茶碗と出帛紗の拝見も終わると、正客は茶碗と出帛紗を亭主に返す。
亭主が出帛紗と茶碗を取り込み、茶碗を膝前に置いた所で、
客全員は、「有難うございました」との一礼をする。
亭主の濃茶点前に対しての客全員からの感謝の一礼である。
亭主は、「どういたしまして」と客全員に礼を返す。

(9)亭主は茶碗をお湯でゆすいだ後、茶碗を膝前に置いて、
「お仕舞します」と正客に向かって一礼する。
客全員にではなく、正客に向かって言っている。
正客は、「有難うございました」と亭主に礼を返す。

(10)拝見があれば、正客が拝見を亭主に請い、亭主がそれを受ける事になる。
拝見物を返す時も同様に、正客が亭主に尋ね、亭主がそれに答える事になる。

何しろ、
亭主がお辞儀をして、客がお辞儀を返す。
また、客がお辞儀をして、亭主がお辞儀を返す。
亭主と客は同時にお辞儀をしている訳ではない。


下記も参照
2016年6月27日 「稽古 お辞儀 総礼 茶事
2015年3月14日 「お辞儀 一礼


このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2018年2月11日日曜日

道具 仮置き 客

拝見その他で、客が亭主の道具を手元に持って来て仮置きする場合がある。
お茶の習い始めには、どちらからどの順番で並べるか迷う事がよくあった。
理屈を知らないから迷いが出て来るので、出来るだけ理屈を知り、考える様にした方がよい。

道具の仮置きについて、濃茶の御三器(茶入、茶杓、仕服)を例にして記してみる。

お茶では、原則、格の高い道具は右手で扱う。
よって、
仮置きする場合も、右手の方向から左手の方向へ、格の高いものから順に置く事になる。

自分の前に並べる時には、
自分の右手の方から、左手の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。

末客が道具を正客に返す場合、正客の前に並べて置く時には、
正客の右手の方から、左手の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。

正客が亭主に道具を返す時に置く場合も同じで、
亭主の右手の方から、左手の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。


但し、例外が一つだけある。
それは拝見する前に、正客が自席の前に仮置きする時である。
この時には、拝見する順番に並べる。
正客から見て、左から右の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。


これは、普段稽古をする上座床(正客の右手側に床がある)の場合である。

下座床(正客の左手側に床がある)の場合も、理屈を考えれば直ぐ分かる事で、
拝見する前の正客は、正客から見て右の方から、左の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。
上座床の場合とは逆に並べる事になる。
下座床でもそれ以外の場合は、上座床の場合と同じ様に、右手の方向から左手の方向へ置く。

普段の稽古する広間は、上座床が大半であるが、
小間では、下座床が結構多くあるので、知っておいて悪くない。

下記も参照
2014年10月30日 「茶入・茶器・茶碗等の格 扱い
2015年4月7日 「正客の席 表千家 上座床・下座床
2015年4月20日 「下座床 濃茶 客 茶碗と出し帛紗
2017年10月9日 「茶碗と茶器(茶入)の置き合せ 道具の格


このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2018年1月12日金曜日

紹鴎棚 地袋の柄杓・蓋置を使う 薄茶 炉

紹鴎棚を使っている時、
濃茶の終りに、柄杓と蓋置を地袋の左袋戸の中に飾り残すことがある。
この飾り残した柄杓・蓋置を使って薄茶を始めるには、普段あまりしない様な手順を踏むので、ここに記してみた。

紹鴎棚 飾り残した柄杓・蓋置を使って薄茶の点前を始める場合、

茶碗を水屋から持ち出し、棚正面に座る。
茶碗を勝手付きに仮置き。
直ぐに立って、水屋に戻る。

建水を持って出て、棚正面に座る。(柄杓・蓋置は入っていない)
建水を左膝横少し下がった所に置く。

左袋戸のツマミを右手で摘まんで7分目程開け、左手に替えて戸袋を開け切る。

右手で蓋置を取って、左手であしらって、右手で建水の中に入れる。

柄杓を右手で取って、左手で建水の上に置く。
(建水を持ち出す時と同じ格好、柄杓の合は落とさない)

左袋戸のツマミを左手→右手と使って、戸袋を閉め切る。

身体を右戸袋の前まで移し、左手→右手と使って、右戸袋を開ける。

水指を手前に出して、
身体を棚正面に戻す。

右手で中棚の薄茶器を取り、棚前正面の中央少し右寄りに置く。

仮置きした茶碗を、右手で取り、左手で薄茶器の左横に置き合せる。
(建水が左膝脇にあるので、茶碗は右手で取る)

左手で柄杓の柄を少し持ち上げ、
右手で蓋置を取り出して、
柄杓を元に戻す。

左手に蓋置を受けて持ち、身体を居前(外隅中心)に廻す。

蓋置を炉の横定所に置き、
左手で柄杓を取り、右手で蓋置に引いて、「お楽に」の挨拶をする。

この建水から蓋置・柄杓を取るやり方は、男女同じである。

以降は、いつもと同じ。

袋戸ツマミを摘まむ時の親指は、上から摘まむ。
横からは摘ままない。



2018-1-26 2行追加


このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2017年11月22日水曜日

四方棚 柄杓・蓋置

昔は四方棚を「半台子」「利休水指棚」「角棚すみだな」とも言った。

利休形 ・・ 桐木地、四隅は直角、本歌は、家元に伝来している。
江岑好み ・・ 桐木地、四隅を丸くしている。
惺斎好み ・・ 松の木、摺り漆、縁は溜塗、四隅は丸い。
惺斎好み ・・ 青漆、爪紅、四隅は丸い。
而妙斎好み ・・ 真塗、利休形を真塗にした。
その他塗物で色々作られているが、主に炉用として使われる。
風炉釜の大きさによっては風炉に使っても良い。
即中斎好みの小四方棚(一閑張溜塗爪紅)は、主として風炉に使われるが、炉にも使うことが出来る。

柄杓・蓋置の飾り残し方は、
入り飾り、もしくは
天板の左端に柄杓を縦に真っすぐに引き、蓋置は地板の柄杓の下辺りに置く。

柄杓を棚に飾る時や飾った柄杓を取る時には、
居前に坐っていても、棚正面に座っていても、右手を使う。

点前の終わりに柄杓・蓋置を飾る場合、

(1)天板に茶器がなくて、居前から「入り飾り」に飾る時、
居前のままで、右手で柄杓の切り止め近くを握り、天板に飾る。
柄の先は棚から5分~1寸程手前に出る。
次に、蓋置を取り、左手にのせて棚正面に向かい、天板の上で柄杓の左、合の真下、柄杓の節に蓋置が三分の一程かかる位に置く。

(2)居前から「柄杓を天板左端」に飾る時、
居前のままで、右手で柄杓の切り止め近くを握り、天板に飾る。
天板左端(左端より六分の一ほど右寄り)に真っすぐに置く。
柄の先は棚から5分~1寸程手前に出る。
蓋置を取り、左手にのせて棚正面に向かい、地板の左端手前、柄杓の真下あたりに置く。
柄杓を天板左端に飾る時には、薄茶器も同時に飾っておく。

(3)棚正面で「柄杓を天板左端」に飾る時、
建水から柄杓を取り、右手で柄杓の切り止め近くを握って、天板に飾る。
左手で蓋置を取り、右手で地板の左端手前、柄杓の真下あたりに置く。




2015年10月6日 「柄杓・蓋置 飾り残し」も参照

2017-12-31 写真を入替
2020-01-28 而妙斎好みを追加


このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2017年10月26日木曜日

風炉 台子(又は長板)一つ置き/大板 柄杓・蓋置

風炉
台子(又は 長板)一つ置き 及び 大板の時の柄杓・蓋置の扱い

台子または長板の一つ置きの場合

(始まり)
左手に柄杓を構え、
右手で蓋置(親指は蓋置正面)を、正面右向きにして風炉の左側手前(地板の上)に置く。
柄杓を右手に持ち直し、蓋置に真横(地板の上)に引く。

女子は、
柄杓を建水に戻し、右手に持った蓋置を左手の上で正面を直し、右手で置く。
柄杓を左手で取って、右手で蓋置に真横に引く。

台子(又は長板)の場合、
柄杓の節は、風炉の中央辺りに来る。

(終り)
水指の蓋を閉めた後、
拝見があっても、なくても、
湯返しをした柄杓・蓋置を先ず飾る。

先ず、右手で柄杓を取り、構える様に左手に持ち替え、右手で左手の少し上(節の少し上)を持ち、左手を柄杓の切り止め近くに下げて(横からではなく、上から持つ)、
左手で柄杓を地板の上、左側に、柄杓の合を仰向けにして縦に置く。
柄杓の柄の先は地板から少し手前(五分ばかり)に出る。

その後、蓋置を右手に取って、左手の上で正面を前になる様に持ち替えて、
柄杓の右側に置く。
柄杓の柄から蓋置一つ弱位見計らって離す。
蓋置の向う三分の一位が柄杓の節となる。

大板の場合

(始まり)
左手に柄杓を構え、
右手で蓋置(親指は蓋置正面)を、正面右向きにして大板左端に置く。
柄杓を右手に持ち直し、蓋置に真横に引く。

女子は、
柄杓を建水に戻し、右手に持った蓋置を左手の上で正面を直し、右手で大板左端に置く。
柄杓を左手で取って、右手で蓋置に真横に引く。

大板の場合は、
柄杓を蓋置に引くと、左右が柄杓ギリギリの幅であるので、柄杓の節は風炉中央辺りには来ない。少し右になる。

柄杓の節は、合を含めた柄杓全体の中央にはなく、合を除いた柄の中央あたりにあるからである。

(終り)
水指の蓋を閉めた後、拝見の有無にかかわらず、
先ず、湯返しをした柄杓を右手に取り、左手に構えて、
右手で蓋置を持ち(親指は蓋置の左横)、右を向いている正面を前に向く様にして、
風炉の左の空きの右側、少し奥に置き直す。

左手に持った柄杓は、台子の場合と同じ手つきをして、
左手で柄杓を大板の上、蓋置の左側に、柄杓の合を仰向けにして縦に置く。
柄杓の柄の先が、大板より少し手前(五分ばかり)に出る。
蓋置の向う三分の一位が柄杓の節になるが、風炉が大きい場合は、その限りではない。

通常、棚などに柄杓・蓋置を飾り残す時は、先ず柄杓を飾り、その後蓋置を置くが、
大板の場合、蓋置が邪魔になって柄杓を飾れないので、柄杓を構えながら、蓋置を置く事になる。

大板で柄杓・蓋置を飾った状態から点前を始める時も、柄杓を左手に構えながら、蓋置を置き直す事になる。

下記も参照

2016年5月11日 「風炉 大棚 長板
2016年1月11日 「柄杓を構える 左手 握り方
2015年10月18日 「風炉一つ置 茶器仮置き
2015年10月6日 「柄杓・蓋置 飾り残し
2015年10月1日 「風炉 大板(2)点前の始め
2015年10月1日 「風炉 大板(1)
2014年11月23日 「竹台子 一つ飾り
2014年10月21日 「柄杓と蓋置 扱い

2017-10-26 修正


このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2017年10月9日月曜日

茶碗と茶器(茶入)の置き合せ 道具の格

点前の始まりで水指の前に茶碗と茶器(茶入)を置き合せるが、
格の高い物(重要な物、茶入や茶器)を客付きに置いている。
本勝手であれば、客付きである茶碗の右側に茶器(茶入)を置く。

薄茶の運びであれば、
格の高い道具を持つ右手に格の高い茶器を持って、格の低い道具を持つ左手に格の低い茶碗を持って、水屋から運び出す。
水指前に座って、持って来たそのままに、茶器と茶碗を置いている訳ではない。
客付きに近い右手に格の高い茶器を持っているから、持ってきたそのままに茶器と茶碗を置いている。

逆勝手の場合を考えてみると分かる。
水屋から運び出す時には、右手に茶器を持ち、左手に茶碗を持って、出て来るが、
坐って水指前に置き合せる時には、
右手の茶器を客付きに近い左側に置き、
左手の茶碗は右手に握り替えて茶器の右側に置く。

逆勝手でも、客付きに近い方に格の高い茶器を置いている。

逆勝手の濃茶の場合も同じで、運び出すことはないが、茶碗と置き合せる時には、茶入は客付きに近い左側に動かす。

茶器(茶入)と茶筅を並べて置く時には、粗相しない様に(茶筅を倒さない様に)茶筅を右側に置いている。
これは本勝手でも逆勝手でも同じ。

ついでに、
茶入・茶器の蓋を置く場所についても、同じ事が言える。
濃茶を入れる茶入や茶器(棗など)については、
蓋を置く位置は茶碗の客付き(本勝手では、茶碗の右側)になる。
濃茶を入れることのない茶器の蓋は、茶碗と膝の間に置いている。

逆勝手の場合は、
茶碗の客付き(左側)に置きづらいので、全ての蓋を茶碗と膝との間に置いている。

参照
2015年2月12日 「逆勝手 客 お茶の飲み方
2014年10月30日 「茶入・茶器・茶碗等の格 扱い


このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2017年6月17日土曜日

畳の境に坐った時 客

客の人数の関係で、次客等が客畳の境目に坐る場合がある。
境目ぎりぎりに坐る事もあれば、境目に右脚がのる事もある。

出帛紗が添えられた濃茶茶碗などの様に、ひとかたまりになって来た道具は、左右どちらかの畳に一塊になった状態で置いた方が良い。
二つの畳に別れ別れになった状態で置かないようにする。



このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2017年5月11日木曜日

前茶 茶事

数か月前招かれた茶事では、濃茶が懐石の前に出されたが、初めての経験だったので、少し調べてみた。

前茶の茶事と言うらしい。

寒季に行われる夜咄や暁の茶事で、温まって頂きたいと、初座席入の直ぐ後に薄茶を供されるのも前茶と言うが、それとは別物である。

前茶の茶事は、正午の茶事の変形で、懐石を出す前に濃茶を差し上げるやり方になっている。

初座席入 → 初炭 → 菓子 → 中立 → 後座席入 → 濃茶 → 広間に移る
 → 懐石 → (後炭) → 薄茶

古くから行われている訳ではなく、昭和になってから行われるようになったらしい。

これが行われるようになった理由は知らないが、
想像するに、
(1)一度に大人数(10人~13人位?)を招きたい
(2)小間を使いたい
事から、行われるようになったのではないだろうか。

茶事の雰囲気を盛り上げるのは、やはり小間であるが、
懐石を出すには小間では窮屈すぎる人数であることから、
濃茶を小間で先に差し上げてしまって、広間に移って懐石・薄茶の順序にすると解決すると言ったところだろう。

懐石が出されない位に詰め込まれて小間で濃茶を頂いても、茶事の雰囲気は出てこないので、
矢張り、人数を減らして小間で懐石も頂く形式の方が、茶事に来た気分になる。

私は、初座から後座まで同じ小間で行われる茶事の方が好きだ。
前茶の茶事ではなくとも、濃茶の後 広間に移って薄茶を頂く場合もあるが、
茶事の流れが途切れてしまい、あまり好ましいやり方とは、私には思われない。

数か月前の私が招いて頂いた茶事は、客5人であり小間で懐石を頂けない人数ではなかったので、何の為に前茶の茶事にされたのか、理由は分からない。

「同門」を見ていたら、而妙斎宗匠の喜寿の茶事は、前茶でされていた。
今回のような家元お祝いの茶事では、招かれる客も多く、一席の人数も不審菴で懐石を出すには窮屈になるだろうから、
不審菴で濃茶、残月亭で懐石と薄茶となるのは仕方ない事なのだろう。


このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2016年12月6日火曜日

置き道庫 広間 炉 濃茶

家元の祖堂は、道安囲いになっており、点前座の勝手側(左側)には引き戸が付いて、道庫が仕組まれている。
この道庫には底が付いておらず、持ち運びが出来るようになっている。

このような道庫を広間に置いて、棚物として使う特殊なやり方がある。
台目棚と同じ様に、広間で小間の台目切りの稽古をする為に、道庫を棚として使っていると思われる。

水指、茶入、茶碗の置き様は、小間本勝手台目点と同じにする。 (台目棚の時と同じ)

水指は、道庫の中、右半分の中央、奥行きの真中。
茶入は、道庫の手前、左右中央。
茶入と茶碗は、道庫の手前、左右中央に置き合せる。

水指は、運び。

身体は外隅中心に座る。

茶入の仕服は、緒つがりを持ち、左手で道庫の竹釘に、緒の輪の方を掛ける。
仕服の口は、道庫の奥の方を向く。

茶入と茶筅も、道庫の手前、左右中央に置き合せる。

居前から水指の蓋を取る時は、右手→左手→右手、
蓋をする時は、そのうち返し。

御三器拝見の時、
茶入を取る時、身体は棚正面に向く。
茶杓を取る時、身体は居前に向いて取る。 女子は棚正面に向いて、茶杓を取る。
仕服は、居前から左手で取る。 女子も同じで居前から左手でとる。

柄杓と蓋置を飾る時は、棚正面に向き、建水の上から左手で柄杓を取り、右手で道庫の右側に打ってある竹の柄杓釘に掛ける。

柄杓は、湯返しをしない。

次に、蓋置を左手で取り、右手で柄杓の柄の下辺りに置く。



下記も参照
2021年6月19日 「竹の蓋置
2016年12月1日 「柄杓湯返し 竹蓋置 広間
2016年3月5日 「抱清棚
2014年11月3日 「仕服の紐 緒縒



このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2016年12月1日木曜日

柄杓湯返し 竹蓋置 広間

柄杓の湯返し

棚として作ってある物(棚)に、柄杓を飾り残す時には、基本的に湯返しをする。
塗りの棚でも木地の棚でも、湯返しをする。
桐木地の丸卓、木地の旅箪笥も同様で、湯返しをする。
棚ではないが、風炉の大板の場合も、湯返しをする。
蓋置も焼物の蓋置を使う。

水に濡れる物として作ってあるものに、柄杓を置き(飾り)残す場合は、湯返しをしない。
平水指の蓋、水ガメの蓋、大口の蓋など。
但し、ツマミが付いている蓋には、柄杓蓋置は置き残さない。
ツマミが邪魔になるからである。

柄杓を飾り残す場合には、蓋置も一緒に飾り残す。
その場合の蓋置は、竹を使わない。 焼物などを使う。

大瓶水指、大口水指
 柄杓は、湯返しをしない。
 普通、蓋置は焼物を使う。
 竹の蓋置を使う時には、柄杓蓋置共に置き残さない。

平水指
 柄杓は、湯返しをしない。
 蓋置は、普通、焼物を使い、置き残す。 竹の場合には、柄杓も共に持って帰る。



抱清棚 (水指は運び)
 柄杓は、湯返しをしない。
 蓋置は、竹を使う。


抱清棚のように、柄杓釘がある棚では、柄杓の湯返しはしない。

抱清棚や台目棚、置き道庫などの小間の雰囲気を広間で味わおうとして工夫されている棚では、
竹の蓋置を使うが、小間と同じように柄杓蓋置を飾り残す。
柄杓の湯返しはしない。小間の場合と同じ様に扱う。

抱清棚では、中の棚板を引き出して、旅ダンスと同じく芝点の扱いも出来る。


風炉 大板 (水指は運び)
 柄杓は、湯返しをする。
 蓋置は、普通、焼物を使い、飾り残す。 竹の場合には、柄杓も共に持って帰る。 



なお、
風炉 中置の場合も水指は運び出すが、敷板は小板であるので、
柄杓・蓋置を飾り残すことはない。
よって、柄杓は、湯返しをしない。 又、蓋置は竹を使う。


竹台子 風炉一つ置き (水指は運び)
 普通、蓋置は焼物を使い、柄杓も飾り残す。柄杓は湯返しをする。
 竹の蓋置の場合には、柄杓は湯返しをせず、柄杓蓋置共に持って帰る。



大棚、長板 二つ飾 ・・・ 「風炉釜」 「水指」を飾る。
 天板の中央に茶器を飾る。
 竹の蓋置を使う。
 柄杓・蓋置は、台子・長板の左端前の畳の上に蓋置を置き、柄杓を引く。
 柄杓・蓋置は、台子・長板には飾り残さず、水屋に持ち帰る。
 薄茶点前に限る。


下記も参照
2021年6月19日 「竹の蓋置
2016年5月11日 「風炉 大棚、長板
2015年5月27日 「竹蓋置
2014年10月21日 「柄杓と蓋置 扱い
2015年2月17日 「青竹の蓋置、灰吹き 茶事
2015年2月17日 「黒文字 青竹 保存方法
2015年10月6日 「柄杓・蓋置 飾り残し
2016年1月11日 「柄杓を構える 左手 握り方
2016年4月6日 「大水指 大壷水指 炉
2016年4月7日 「大水指 大口 炉
2016年8月16日 「平水指 割蓋
2016年3月5日 「抱清棚
2014年11月23日 「竹台子 一つ飾り

2016-12-25 修正
2018-12-16 追加


このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。

2016年9月6日火曜日

三重棚と二重棚

三重棚(さんじゅうだな)

一閑    久田宗全 好み   (千家五代 随流斎の兄)
桐木地  千家六代 覚々斎 好み (久田宗全の子)
桑木地  千家七代 如心斎 好み (覚々斎の子)

三重棚は久田宗全が初めて好んだが、その後父子三代にわたって三重棚を好まれている。

三重棚は、普通炉の時期だけに使う。

三重棚の天板は、ない物として扱う。


二重棚(にじゅうだな)

三重棚を基に、千家十代 吸江斎が溜塗二重棚を初めて好んだ。

吸江斎好みの二重棚には、地板がないが、地板のある二重棚も、明治以後宗匠方によって、好まれている。

溜塗    十代 吸江斎 好み     地板なし
糸巻    十一代 碌々斎 好み   地板なし
桐木地  十二代 惺斎 好み     地板なし
桑木地  十二代 惺斎 好み     地板なし
飛騨春慶糸巻 十二代 惺斎 好み  地板あり
杉木地糸巻 十二代 惺斎 好み   地板あり
糸巻透かし 十二代 惺斎 好み    地板あり

二重棚は、炉風炉共に使う。

地板がない二重棚では、水指は運び。
柄杓・蓋置を飾り残すので、蓋置は竹でなく焼物等を使う。
柄杓・蓋置は、天板に「入り飾り」又は天板右端に「リ飾り」で飾り残す。
下の棚には、薄茶器。


三重棚


吸江斎好み 溜塗二重棚


惺斎好み 杉木地糸巻二重棚


十代 吸江斎


2016-09-07 修正


このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。