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2025年5月15日木曜日

風炉 敷板・風炉・灰・五徳・釜の向き

風炉と釜の向き

本勝手 (風炉が左側にある時)

1.敷板は、正面向き
 
2.風炉は、右向き
 
3.灰は、正面向き。 前瓦は灰の峰に平行にして正面向き。
 
4.五徳は、右向き
 
5.釜は、正面向き
 
6.蓋は、左向こうを切る

風炉・五徳・蓋が、右に振れている。
敷板・灰・前瓦・釜は、正面向き。

2014-10-13 「風炉 敷板・風炉・釜 向き」を削除した。

2022年10月7日金曜日

掻き上げ灰 風炉

 風炉の終りの名残りの季節に鉄前欠き風炉などにする。

筋は外側(風炉の壁側)から灰の峰に向かって火箸で掻き上げる。
間隔は適当で良いが、等間隔にする。
五徳の爪の幅を見ながら、適当な間隔にすれば良い。

掻き上げた灰が、筋の両側に盛り上がり、灰の峰を下るあたりに溜まっているのが風情がある。
峰の内側にこぼれた灰はそのままにしておく。
わびた灰形なので、意識した手を加えない方が良い。

火箸1本を定規代りにして、もう1本の火箸で掻き上げる。
等間隔になりづらく、斜めになり易いので、前もって峰の外側に火箸で点を打っておくと良い。
場合によっては、風炉の壁側にも打っておくと良い。



2022年4月24日日曜日

釣り釜 炭点前 鎖を扱う時機

 釣り釜は、現在では風炉に替る前の春の終わり頃のものとして使われているが、昔は春と限らず炉の期間を通して使われていたらしい。
かすかに釜が揺れているので風情がある。

鎖の上げ下げの基本は、

(1)釜を炉から上げたり、炉に掛けたりする時は、鎖を二目上げて行う。

(2)炉に灰をまき、炭をつぐ時には、更に鎖を二目(初めより四目)上げて行う。

炭点前の始まり、
釜の蓋を閉め、釜敷を置いたら、
弦の中央を左手で下から支えて少し持ち上げ、鎖の細い掛けカギを右手で二目上げる。
釜を炉から上げる。
釜を定位置に置いたら、炉正面に戻って、
鎖の下の太い蛭カギを左手で受けて持っておき、鎖の細い掛けカギを右手で更に二目上げる。(初めの位置から四目)
炭をつぎ、香をたいて、香合を拝見に出したら、
上げた時と同じ手つきで、細い掛けカギを二目下げる。
釜を太い蛭カギに掛ける。
上げた時と同じ手つきで、細い掛けカギを更に二目下げる。(初めの位置に戻る)

釜の二つの鐶付が炉壇と平行になっていない場合、

鎖の下の太い蛭カギの向きが正しくないので、
蛭カギと鎖をつないでいる繋ぎ目の部分を動かして調整してやる必要がある。
蛭カギと鎖のつなぎ目の部分が釜の向きを止める役目をしている。


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2022年3月31日木曜日

炭斗 羽箒 火箸 香合を下ろした後 鐶と枝炭 炉

 炭点前の始まりに、
「イチ 羽根、ニ 火箸、サン 香合」と言うように、羽箒、火箸、香合を炭斗から下ろす。

後の物(鐶や枝炭)は邪魔になる場合に下ろす。
通常の炭斗の場合は、火箸に鐶が掛かっているので、鐶を下ろす。
火箸に鐶を掛けていない場合は、鐶は下ろさない。
枝炭も邪魔になるかどうかで、下ろすか下ろさないかが決まる。

炭台や平炭斗の場合は、
鐶は火箸に掛けておかないので、下ろさない。
枝炭も炭点前の途中に特に邪魔になる事もないので、下ろさない。
炭台や平炭斗の場合は、枝炭を下ろさないので、灰器に枝炭を仮置する必要がない。
よって、灰をまいた後、灰器は炭斗の右横に仮置することはなく、すぐに身体の右後ろに戻す。

風炉の場合は、
膝横の空きが少ないので、枝炭は下ろさない。
風炉中置の場合の様に、火箸を下ろさない事もある。


下記を参照
2019年6月2日 「平炭斗 炭点前 炉(2)
2018年12月20日 「平炭斗 炭点前 炉
2015年1月7日 「炭台 炭点前 炉
2015年1月7日 「炭台 炭その他の配置


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2021年12月22日水曜日

五徳を据える 炉

炉に釜を掛けるには、灰を入れて、多くの場合五徳を据える。

広間であれば、多くは本勝手・上座床に作ってある。
五徳の爪の一本を左の方 床の方に向け、二本の爪の方を右側の炉壇の壁にくっつけて据える。
つまり、五徳は炉の中心ではなく、少し右に寄って据える事になる。

釜は炉の中心に掛けるので、釜の中心と五徳の中心は同じ場所にあるのではなく、
釜の中心より五徳の中心が少し右にずれている。

よって、釜と五徳の大きさにもよるだろうが、五徳の一本爪と残りの二本の爪は高さが違ってくる。
普通、一本爪の方が低くなる。


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2020年12月9日水曜日

抱清棚 初炭 羽箒の扱い

抱清棚


柄杓釘(竹釘)に羽箒を掛ける。 羽箒の下の畳の上に香合を置く。
中棚には濃茶入を飾る。
炭斗を運び出し、灰器も運び出す。
体を棚正面に回し、
右手で羽箒を取ってから、左手を使って持ち直して、右手で膝前に膝と平行に置く。

取り方は、
右手で羽箒の柄を取る。
羽箒の柄を取った右手の親指を下に向けて、柄を水平にする。
柄の下にある右手の親指と反対側に左手の親指が来る様に、左手の親指を上にして左手で柄を掴む。
次に、
左手の親指と右手の親指の両方が柄の同じ側をなるようにして、
右手で掴み直して、膝前に右手で膝に平行に羽箒を置く。

右手で香合を取り、左手で下から受けて持ち、
右手で羽箒を持って、炉正面に回り、
羽箒を炭斗と炉縁の間に置く。
左手の上から香合を右手で取り、炭斗正面の縁内に右手で置く。

女子は、羽箒と香合を別々に置く。
男子と同じ様にして、羽箒を右手で取り、左手で扱って、右手に持ち直して、
炉正面に回り、炭斗と炉縁の間に置く。
再び棚正面に向き直り、右手で香合を取って、左手に載せて炉正面に向き、
右手で縁内に置く。

後は、
常の通り、鐶・火箸を炭斗から下ろす。

参照
2016年3月5日「抱清棚


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2020年5月8日金曜日

火吹き竹

火吹き竹(ひふきだけ)

炭の火が上手く点かなかった時に使用する。
表千家では点前の中では使うことはない。
利休形がある。
直径:8分(約2.4cm)
長さ:9寸8分(約29.7cm)
中の節は、口から3寸(9.1cm)
下は節止めになって、小穴を開けてある。




今年の1月と2月の茶事で、炭点前の火が2度上手く点かなかった。
懐石の終わり頃、炉の火が静まり返っていたので、
懐石の後、菓子の前に炭斗に火吹き竹を入れて持ち出し、
お客の前で釜を上げ、火吹き竹で吹いて炭の火を起こした。
炭に火がつかなかったのは、私の落ち度で恥ずかしいことだったが、
火吹き竹が目の前に出て来たのは、お客様も初めての事だったので、
座興にはなったと思って、自分を慰めている。

六代覚々斎の事として七代如心斎が話した中に、
風炉でも炉でも火相が悪ければ、火吹き竹を持ち出して、客の前で火を勢いづけたとあるそうだ。
それを聞くと、昔の家元宗匠方にもあった事だと何処となくうれしい。

私の子供の頃には、火吹き竹はどこの家庭にもあって、普通の物だったが、
今の若い方は初めて見る、珍しい物だったろう。

この火吹き竹は、利休形の寸法で、紫竹の自作したもの。

2021-4-4 修正

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2020年3月22日日曜日

炭点前 火箸を左手(右手)に移す 炉 

炉 炭点前 枝炭を灰器に預けた後の火箸の扱い

「定本 茶の湯表千家」主婦の友社
千宗左(而妙斎)版 にも
千宗左(即中斎)版 にも
次にように記載されている。

14.火箸をとって畳について持ち直し、
炭斗の枝炭二本を同時にはさみ、
灰器の左側の縁にかけておく。
15.火箸をついて持ち、左手に移し、
右手で胴炭を素手でつかんで、
炉の中手前寄りに入れ、
16.左手の火箸を右手に移し、
一度炭斗中央に入れる。

ここには、点チェックミスがある。
15.火箸を「ついて」持ち、
左手に移し・・

右手に持っていた火箸は、
「ついて」左手に移さなくて良い。
つかずに、そのまま左手に移せば良い。

火箸は、炭斗から下ろして、
右手で握り直す時、畳に突いて握り直す。
また、その逆に、
握っていた火箸を炭斗に戻す時にも、
畳について握り直す。

右手から左手に(左手から右手に)移す時には、
畳に突く必要もないので、突かない。


以上

2019年6月2日日曜日

平炭斗 炭点前 炉(2)

平炭斗 炭点前 炉(2)

炭台の炭点前にならって行えば良いが、
炭点前の手順を、普通の炭斗と違う部分を重点的に記してみた。

灰器を下座勝手付に置いた後、
炉の前に廻り、
羽箒を下ろす。
火箸を下ろす。
鐶は割ギッチョに立掛けたままにしておく。
香合を下ろす。
右手で鐶を取り、左手に持たせて釜の蓋をしめる。

女子は、
常の様に帛紗をたたんで釜の蓋をしめ、右手で炭斗から鐶を取る。

後は、常の通り。
居前のままから灰器を取る。
濡灰をまいた後、
居前から灰器を戻す。

女子は、
身体を右斜めに廻し、灰器を取り、右膝近くに仮置きする。
常の通り、濡灰をまいた後、
身体を少し右斜めに廻り、灰器を取って一度あしらい下座勝手付きに戻す。

枝炭を灰器に仮置きする事はないので、灰器は濡灰をまいた後すぐに下座勝手付きに戻す。
枝炭は炭斗にのせたままにしておく。
炭斗に炭を組む時、枝炭は炭台の時と同じ様に炭斗の右側に枝炭の先を炭斗の縁から出してのせておく。

後は常の通り。

釜を炉にかけた後、はずした鐶は、
炭斗の中の丸ギッチョの跡に横にして(鐶の切れ目は右)、
又は 元の割ギッチョの辺りに立て掛ける(鐶の切れ目は上)等、
適当な所に戻す。

常の炭斗を使う時には、濡灰を撒いた後の灰器は炭斗の右側に仮置きするが、
これは、上に書いた様に、枝炭を仮置きする台にする為に置いている。


下記を参照の事
2018年12月20日 「平炭斗 炭点前 炉」 
2015年1月7日 「炭台 炭点前 炉
2015年1月7日 「炭台 炭その他の配置


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2019年5月3日金曜日

ギッチョ炭 名称由来

短い炭を「ぎっちょ炭(ぎっちょう炭)」と言う。
丸ギッチョ、割りギッチョの2種類ある。

ギッチョとは、妙な名前だなと思っていた。

馬に乗った競技者が、玉(毬)を棒で打って(又は掬って)、相手陣に入れる競技が、奈良・平安時代に唐から伝わった。
唐では、「打毬戯」と呼ばれた。
中央アジアに始まったものが、ヨーロッパに伝わって「ポロ」となり、
唐に伝わって「打毬戯」になった。

日本では、「打毬 だきゅう」と呼ばれ、初めは馬に乗って行われたが、徒歩で行われるようになり、又民間でも行われる様になり、更に江戸時代には子供の正月の遊びとなっていた。

なお、馬に乗って争う「打毬」も、今でも宮内庁その他に残っていて、行われている。

毬を打つ道具を「打毬杖 だきゅうじょう」と言う。
それが、「ぎっちょう・ぎっちょ」と言われるようになり、
漢字では「毬杖」「毬打」「毬枝」等と書く。

古くは、今のホッケーのスティックの形をしていたが、
後には、「ぎっちょう・ぎっちょ」は、柄の長い木槌(きづち)の形をしていた。
「ぶりぶりぎっちょう」、「玉ぶりぶり」とも言う。



その頭の部分に似ていることから、「ギッチョ炭(ぎっちょう炭)」と言う。

江戸時代には、彩色し、車輪を付け、頭の先端に柄を取り付けたものが正月の男の祝いの玩具として売られ、贈答用にも使われた。
頭の部分は、六角柱(又は八角柱)になっている。

その形が、香合に取り上げられ「ぶりぶり香合」として祝いの席などに使われている。



「左義長 さぎちょう」
小正月(1月15日)に行われる左義長(どんど焼き)も、「ぎちょう」に関連がある。
平安時代に、清涼殿前で青竹に毬杖(ぎちょう)を3本結んで火を点けて吉兆を占う行事があった。
三本の毬杖を結んだところから「三毬杖 さぎちょう」と言われた。
この行事が民間に伝わり、「左義長 さぎちょう」になった。


下記も参照
2015年3月3日「炭の寸法

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2018年12月20日木曜日

平炭斗 炭点前 炉

炭斗には、竹のザルの様な形をした、大きい平たい物もある。

この様に平たい炭斗には、少し深めの炭斗とは違って、火箸に鐶を掛けて持って出る事が出来ない。
普段の様に火箸が置けないからである。

この様な炭斗に炭を組む時には、炭台と同じ様に組めばよい。
但し、小奉書を敷く事はない。
炭点前も、炭台の点前に習ってすればよい。

下記を参照の事
2019年6月2日 「平炭斗 炭点前 炉(2)
2015年1月7日 「炭台 炭点前 炉
2015年1月7日 「炭台 炭その他の配置


2019-1-10 修正

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2018年6月14日木曜日

風炉 炭点前 釜を引く

風炉
炭点前で風炉から上げた釜は、邪魔にならない様に、少し身体から離して置くが、
釜を仮に置いておく位置には、二通りある。

炭斗を持ち出して、置き付けた位置によって、釜をどこまで引くかが異なる。
炭斗を「風炉より手前に置いた場合」と「風炉の真横に並べて置いた場合」で、
釜を仮に置く位置は二通りある。

炭斗を置き付ける位置は、次を参照。
2016年5月11日 「風炉 炭点前 炭斗動かす 羽箒

「炭斗を風炉より手前に置いた場合」

風炉から釜を釜敷に載せて、身体を廻して釜正面に向き、釜の据わりを見た後、
釜を真横にして、鐶を持ったまま、客付き正面に身体を廻して向き直り、
釜を下座側へ引く。

女子は、
釜を真横にした後、鐶を一度釜に預け、身体を廻して客付き正面に向き直り、
又、鐶を左右の手で握って、釜を下座側へ引く。

釜と炭斗の間に羽箒を置くので、その空きが出来る位置まで引く。
又、拝見に出す香合は、釜の左側を通って出すので、その様に出来る位置まで引く。

鐶を外して、鐶の切れ目を下にして、鐶の中央の左右を右手で握り、
(鐶の切れ目は、親指と小指の間にある)
釜の右横に置く。
(鐶の切れ目は、手前に向いている)

身体を風炉正面に戻して、右手で羽箒を取り、左手であしらって、右手に持ちかためる。
後は、決まりの通り。

炭をつぎ、香を焚いた後、拝見を請われたら、香合を左手に受けて持ち、
身体を廻して、客付き正面に向き、香合の正面を廻して、
釜の左側を通って、右手で拝見に出す。

鐶を右手で取り、左右の手で鐶を釜にかけ、
釜を炭斗の方に引きながら、斜めにして釜を上げ易い所に置き、鐶を釜に預けて、
身体を風炉正面に向きなおり、釜を風炉に掛ける。

釜敷を右手で取り、一度左手であしらって、右手で炭斗に戻す。
後は、決まりの通り。

「炭斗を風炉の真横に並べて置いた場合」

風炉から釜を釜敷に載せて、身体を斜めに廻して釜正面に向き、釜の据わりを見た後、
左右の手で鐶を握り、釜を真横にしながら、釜を下座側へ引く。

釜と炭斗の間に羽箒を置くので、その空きが出来る位置まで引く。
又、拝見に出す香合は、釜の右側を通って出すので、その様に出来る位置まで引き、右に引き過ぎない様にする。

釜を下座側に引く場合は、身体を客付き正面に向き直す事はしない。
釜の据わりを見る為に、身体を斜めに廻した状態のままで行う。

男女とも同じ。

香合を拝見に出す場合も、
身体を斜めに廻して、香合を釜の右側を通して出す。

香合を拝見に出してから、
そのまま、鐶を釜にかけ、釜を斜めにして釜を上げ易い所に引き、
鐶を釜に預けて、
身体を風炉正面に向きなおり、釜を風炉に掛ける。

釜敷を右手で取り、左手であしらって、右手で炭斗に戻す。
後は、決まりの通り。

2018-6-15 修正

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2018年6月8日金曜日

炭 洗う 原料

炭は、炭の粉等を取り去る為に、使う前に洗って、乾燥させたものを使う。

亀の子タワシ等を使って、よく洗う。
火花が飛ばない様に、炭の粉をよく取り去る。
バケツに水道水を流しながら、水の中で洗えば宜しい。

但し、 炭は乾燥し過ぎたものより、少々湿気を帯びている方が、火持ちが良いと言われる。

お茶で使う炭は、「クヌギ」の炭である。
「椚」「櫟」とも書く。
「菊炭」とも言われるように、木口(切り口)には、中心から外側に向かって、
放射状に細かい割れ目がある。
この割れ目が均一で、菊の花のように綺麗になっているのが喜ばれる。

茶道用だけではなく、料理用暖房用も含めた日本の木炭の生産量は、年々減っている。
戦後すぐの昭和26年には、年間 220万トン生産されていたが、
平成28年には、僅か1万トンになってしまっている。
茶の湯炭の払底が言われているが、生産量の減少からも納得できる。

現在のクヌギ炭の生産地は、岩手県・栃木県・愛媛県が上位生産県と言われている。

江戸時代に有名だった、池田炭の生産地である大阪府、佐倉炭の生産地である千葉県の平成28年の木炭生産量は、大阪府10トン、千葉県8トンとなっている。
その内クヌギ炭の構成はどれ程であるか不明だが、クヌギ炭の生産量は推して知るべしである。

「茶の湯の炭は、矢張り池田炭だ」等と、クヌギ炭の良し悪しを言える時代ではなくなっている。
クヌギの炭だけではなく、カシやナラの炭も使わざるを得ない時代に突入している。


下記も参照
2015年3月3日「炭の寸法

2014-10-21「炭 事前に洗う」は、この記事に統合して、削除した。
2018-6-18 修正


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2018年5月10日木曜日

火箸を突く 炭点前

火箸を突く位置

厳密な位置はないとは思うが、おおよその場所はある。

風炉の時、

(運び)でも(棚がある)場合でも、
炭斗の左に羽箒を置いていない時には、
右膝の近く、右斜め上に火箸を突く。
右膝頭に突くとも言える。

(運び)の場合、
炭斗の左に羽箒を置いている時、
羽箒の柄の下あたりに、香合の蓋を置くので、
香合の蓋の左横あたり、右膝頭に火箸を突く。

(棚がある)場合、
炭斗の左に羽箒を置いている時、
羽根の上端の左横あたりに、香合の蓋を置くので、
香合の蓋の下あたり、右膝頭に火箸を突く。

炉の時、

炭斗の左に羽箒を置いていない時には、
右膝頭に火箸を突く。

炭斗の左に羽箒を置いている時には、
香合の蓋は、羽箒の柄の下あたりに、畳の縁内に香合の蓋を置くので、
香合の蓋の左横あたり、右膝頭に火箸を突く。

風炉でも炉でも、火箸を突く位置は右膝頭で、それほど場所は変わらないが、
香合の蓋を置く位置が変わるので、蓋を置く位置に留意した方が良いと思う。





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2018年4月21日土曜日

後炭 準備 茶事

茶事に於ける 後炭(ごずみ)

濃茶の後、薄茶の前に、釜の煮えを回復するためのものなので、
最も大切なのは、出来るだけ早く湯が沸く様にすること。

炉の中の状態は、いつも同じ条件ではなく、常に変化しているので、その変化にいかに対応するかが大切となる。
細かい手順や形式にこだわる必要はない。

釜に水をさす事もあれば、水を足さない事もある。
薄茶を供するに十分なお湯が残っている場合は、水を足さない方が良い。
煮えを早くつける為である。

水次薬缶の口に竹の蓋置を差して置く。
棚に蓋置を飾った場合は、その蓋置を使ってもよい。
その場合は、竹の蓋置は必要ない。
薬缶の蓋に載せる茶巾は、キチンと畳んだ後、茶巾の輪の先の部分を水に漬けて、水を含ませておく。
釜を茶巾で拭いた時、十分湯気が出る程度に水を含ませる。

初炭で炭台を使った場合は、後炭では別の軽い炭斗に替える。

初炭と同じ香合を使う事もあれば、手軽い香合に替える事もある。
初炭にあまり大きい香合を使ったのであれば、後炭には似合わないので、替えた方が良い。
香合は、灰器の中の灰匙に載せて持ち出す。
灰の山の右側向こう寄りを、灰匙で平らにして、上向きにした灰匙の上に香合を載せる。
香は初炭と同じく三つ入れておく。

灰器は、香合がのっているので、両手で持って出る。
男女とも同じである。

胴炭を持って出る事もあれば、胴炭を持ち出さない事もある。
胴炭については、濃茶の終わりに様子を軽く見て、持ち出すかどうかを判断すればよい。

胴炭を持って出た場合、
釜を上げてみて、思ったよりも意外に胴炭がしっかりしておれば、
炭点前の中で、通常胴炭を炉に入れる時点で、灰匙を上向きにして、胴炭の先を灰匙に載せ、手前を灰器の縁に載せて、灰器に預けておき、枝炭を戻した後、炭斗に戻す。
但し、これは止むを得ずすることである。
常に灰器に胴炭を預けるものではない。

胴炭を持って出なかった時、
予想以上に胴炭が流れてしまっていた場合には、
灰を撒いた後に、灰器を持って水屋に帰り、胴炭を灰匙の上に載せて持ち出せばよい。

炭斗に胴炭を組まない場合は、火箸は炭斗の中央に入れる。


2016年7月6日 「後炭 釜に水 茶事
2015年12月17日 「釜に水を足す 炉・風炉
2014年10月16日 「風炉 土風炉 炭点前 終り

2018-6-14 2行追加
2018-5-14 修正

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2018年2月16日金曜日

濡れ灰を作る 撒き灰 炉

炉の炭点前では、濡れ灰を撒くが、灰匙からサラサラと落ちる灰を作りたい。
奇麗であって、撒き易い灰を作りたいが、中々良い灰が出来なかった。
この5~6年は同じ方法で作っている。
同じやり方ではあるが、途中に色々試行錯誤を繰り返して、現在は今の方法に落ち着いた。

小さな「灰の球」を作る事を目指している。
以前は、小さな目の篩いを先ず通し、その後大きな目の篩いを通す等色々試したが、
現在は4mmの篩いを通すだけにしている。

(1)湿った灰を、桶から適当な大きさのボウル(料理用)に移す。



湿った灰には、塊がない方が良い。
湿り過ぎていない方が良い。(自分で試行錯誤が必要)

(2)湿った灰を入れたボウルを、円を描く様に廻す。
廻している内に、微細な灰の球が出来て来る。
廻す回数は数えていないが、50回~200回位ではないだろうか?
湿り気が足りないと思ったら、スプレーで霧を掛けてやる。



写真は、分かり易い様に大粒の灰の球にしているが、実際にはもう少し小さな粒の方が良いと思う。

(3)廻している内に、湿った灰の中から更に湿気が出て来る。
あまり湿気が出て来過ぎると思ったら、乾いた灰(風炉の灰で良い)を少しづつボウルの灰に振りかけて、更に廻してやる。



(4)適当に「灰の球」出来て来たと思ったら、篩いの上にボウルの中の「灰の球」を空けてやる。
篩いの目は、4mmの物を使っている。


(5)そして篩ってやると、「濡れ灰」の出来上がり。
乾いた灰を振りかけているので、湿り過ぎていない、適当に湿った「濡れ灰」が出来上がる。


(6)篩いの目を通らなかった湿った灰は、もう一度ボウルに戻して、塊や大きな灰の球をつぶして、上記を繰り返す。

(7)自分なりに何度か試行錯誤をすれば良いと思う。
1時間もあれば、炭点前10回分位は出来ると思う。


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2018年1月3日水曜日

炭点前 炭を挟む 炭をつぐ 炉

炭点前で炭をつぐには、
炉の胴炭以外は、火箸で炭を挟んで炉(又は風炉)の中に入れる。
炭の上三分の一位~四分の一位の所を挟む。

炉と風炉では、胴炭の位置が違うので右側に入れるか、左側に入れるかで炭の扱いが少し異なる。



火箸は、写真の様に右手で握る訳だが、
人差し指と中指と親指で握る火箸を「第一の火箸」、
薬指と親指で押える火箸を「第二の火箸」と仮に名付けて説明をする。

炉では、(胴炭は炉の中の手前側に置いている)

炉の右側に炭を入れる場合、
「第一の火箸」を炭の右側に当て、「第二の火箸」を炭の左側に当てて、炭をはさむ。
必然的に、手を普通にして炭を挟んでいる。

丸ギッチョを炉の中に入れる時には、炉の中の奥の方から、胴炭に向かう気持ちで、炭の右側に当てた「第一の火箸」を炭の左側になる様に少し手を動かす気持ちで、入れる。
炉の中のどこに入れるかで異なるので、稽古で練習する事。

割りギッチョでは、割れている側を「第二の火箸」で当てて、炭を挟む。
割れている側は、左を向いている。
炉の中に入れる時は、炭の右側に当てた「第一の火箸」をそのままの形で、ないしは炭の左側になる様に手を少し動かす気持ちで、入れる。

丸管では、丸ギッチョと同じだが、炉に入れる時には、炭の右側に当てた「第一の火箸」を炭の左側になる様に手を動かして入れる。

割り管では、割れている側を「第一の火箸」で当てて、炭を挟む。
炭斗に組んだ状態のままの割り管で、割れている側は右を向いている。
炉に入れる時には、丸管と同じに、炭の右側に当てた「第一の火箸」を炭の左側になる様に手を動かして入れる。

点炭は、炉の右側に入れるか、左側に入れるかではなく、
管炭のどちらから立て掛けるかによって異なる。
管炭の右側から立て掛ける時は、炉の右側に入れる場合と同じにし、
管炭の左側から立て掛ける時は、炉の左側に入れる場合と同じにする。

炉の左側に入れる場合、
「第一の火箸」を炭の左側に当て、「第二の火箸」を炭の右側に当てて、炭をはさむ。
必然的に手を逆にして炭を挟んでいる。

丸ギッチョを炉の中に入れる時には、炉の中の奥の方から、胴炭に向かう気持ちで、炭の左側に当てた「第一の火箸」を炭の右側になる様に手を動かす気持ちで、入れる。
炉の中のどこに入れるかで異なるので、稽古で練習する事。

割りギッチョでは、割れている側を「第二の火箸」で当てて、炭を挟む。
割れている側は、右を向いている。
炉の中に入れる時は、炭の右側に当てた「第二の火箸」をそのままにした手の形で、入れる。

丸管では、丸ギッチョと同じだが、炉に入れる時には、炭の左側に当てた「第一の火箸」を炭の右側になる様に手を動かして入れる。

割り管では、左側(割れている側)を「第一の火箸」で当てて、炭を挟む。
炭斗の中で、割れている側を、左に向く様に動かしておく。
炉に入れる時には、丸管と同じに、炭の左側に当てた「第一の火箸」を炭の右側になる様に手を動かして入れる。

枝炭については、丸管と同じ扱い。


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2017年12月18日月曜日

瓢(ふくべ)炭斗

口切りの頃に好んで使われる炭斗に、瓢(ふくべ)の炭斗がある。

干瓢(かんぴょう)を作るウリ科ユウガオの実(瓢箪、ヒョウタン)の大きい物を乾かして、上部を切り取り、炭斗にした物。

夏にユウガオの実を収穫して、乾燥させ、切って炭斗に細工する頃が、丁度口切りの時期に当たったので、口切りのお茶に好んで使われたらしい。

現在では、開炉から年内位の間の炉の炭斗としてよく使われている。

ふくべの炭斗の底面は平らではないので、通常の炭斗の様に炭を決められた様に並べて組む事はない。

炭は、乱組(らんぐみ)に入れる。
炭の数や組み方に決まりはない。

一例を上げれば、
丸ギッチョを一つ横にして、向こう寄りに入れる。
それに丸ギッチョと割ギッチョを交互に立てかけて入れ、
点炭をさらに手前に掛けて入れる。
右側に丸管と割り管を並べて入れる。
胴炭を丸ギッチョと割りギッチョの上にのせる。
枝炭2本(二本立と三本立)を、先を下にして右手前の縁に掛けて管炭の上あたりに置く。
枝炭は、常の入れ方とは上下を逆にして入れる。
香合は、炭斗の中の適当な所に入れる。
羽箒・火箸・鐶・釜敷を常の様に仕組む。

炭のつぎ方は、常の炭斗と変わる事はない。




胴炭を丸ギッチョ・割りギッチョの上に乗せずに、
丸ギッチョを横にして置いた辺りに、胴炭を横にして置く事も出来る。



手付きのふくべの炭斗は、老人用として使われる。
手は縦にして用いる。

改まった口切りなどには、紙釜敷を使うこともある。

次も参照。
2014年12月30日 「紙釜敷 炉 風炉
2015年1月7日 「炭台 炭その他の配置
2015年1月7日 「炭台 炭点前 炉
2016年1月11日 「炉 長板 諸飾り 炭点前
2016年5月11日 「炉 炭点前 炭斗動かす 羽箒


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2017年3月8日水曜日

香合

香合は、基本、
焼物(陶器磁器)は炉に、塗物は風炉に使うが、
品により、時により、炉風炉の決まりを替えることもある。
塗り物を炉に、焼物を風炉に使うこともある。

貝、金属の香合は、炉・風炉兼用。
貝の内側に金箔を押してあるものは、炉では椿の葉を小さく切って、その上に練香をのせる。

表千家では、
鳥や動物の香合は、顔の向きが正面向きとなる。
鳥の香合で、顔(クチバシ)がお尻を向いていたら、お尻が正面となる。

二枚貝(蛤など)の香合は、綴じ目(蝶ツガイ部分)が向うになる。口の方が正面になる。

簾貝(すだれがい)香合


書付がある時は、書付の向きが正面になる。

2014年11月19日「香合 炉 風炉」は、この項に統合して、削除した。


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2017年1月10日火曜日

小間 台目切 初炭点前 羽箒・香合

炉 初炭
炭点前の順序は、広間四畳半切 大棚(長板)とおおよそ同じ。

隅棚や釣棚がある場合には、初座には棚に羽箒・香合を飾る。
中柱には、普通袋釘を打ってあるので、袋釘がある場合は、羽箒を袋釘に掛ける。
釣棚の下段中央に香合を飾る。

炭斗、灰器を持って出て、置き付ける。

中柱がない場合、
棚の方に向かい、右手で羽箒を取り、左手であしらって、膝前に置く。

次に香合を右手で取って、左手に持たせ、
右手に羽箒を取って、炉に向き直り、羽箒を置き、
次に左手の香合も右手に取って置く。

女子は別々に置く。
棚に向かって、右手で羽箒を取って、左手であしらい、
右手に取り直して、右手に持たせ、炉に廻って羽箒を置く。

又、棚に向き直って、香合を取り、左手に持たせ、炉に廻って香合を置く。

羽箒は、最初は炭斗と炉縁の間の炉に近く置き、羽箒を使った後は香合の右に縦に置く。
香合は、炭斗正面の縁内に置く。

羽箒・香合を置き付けてから、釜鐶・火箸を炭斗から下ろす。
釜鐶は、炭斗手前の縁外に置く。
火箸は、炭斗と羽箒の間に置く。
炉縁→羽箒→火箸→炭斗と並ぶ。

中柱に袋釘がある場合、

中柱の方に向き、左手で羽箒を取り、右手で膝前に置いてから、
次に香合を右手で取って、左手に持たせ、
右手に羽箒を持って、炉に向き直り、羽箒を置き、香合も右手に取って置く。

女子は別々に取って置く。

袋釘に掛けた羽箒を左手で取るについて、文字だけ見ると、右手の方が取り易そうに感じるが、
実際自分で羽箒を取ってみると、右手では非常に取りにくい、左手の方が取り易い。


下記も参照
2020年12月9日 「抱清棚 初炭 羽箒の扱い
2016年1月11日 「炉 長板 諸飾り 炭点前
2015年1月7日 「炭台 炭点前 炉
2014年11月13日 「羽箒 羽根 炭点前

2014年12月2日「羽箒と香合 炉 初炭 台目柱」は、この項に統合して、削除した。
2017-01-10 修正
2017-10-26 修正
2020-12-9 修正

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