濃茶の後、薄茶の前に、釜の煮えを回復するためのものなので、
最も大切なのは、出来るだけ早く湯が沸く様にすること。
炉の中の状態は、いつも同じ条件ではなく、常に変化しているので、その変化にいかに対応するかが大切となる。
細かい手順や形式にこだわる必要はない。
釜に水をさす事もあれば、水を足さない事もある。
薄茶を供するに十分なお湯が残っている場合は、水を足さない方が良い。
煮えを早くつける為である。
水次薬缶の口に竹の蓋置を差して置く。
棚に蓋置を飾った場合は、その蓋置を使ってもよい。
その場合は、竹の蓋置は必要ない。
薬缶の蓋に載せる茶巾は、キチンと畳んだ後、茶巾の輪の先の部分を水に漬けて、水を含ませておく。
釜を茶巾で拭いた時、十分湯気が出る程度に水を含ませる。
初炭で炭台を使った場合は、後炭では別の軽い炭斗に替える。
初炭と同じ香合を使う事もあれば、手軽い香合に替える事もある。
初炭にあまり大きい香合を使ったのであれば、後炭には似合わないので、替えた方が良い。
香合は、灰器の中の灰匙に載せて持ち出す。
灰の山の右側向こう寄りを、灰匙で平らにして、上向きにした灰匙の上に香合を載せる。
香は初炭と同じく三つ入れておく。
灰器は、香合がのっているので、両手で持って出る。
男女とも同じである。
胴炭については、濃茶の終わりに様子を軽く見て、持ち出すかどうかを判断すればよい。
胴炭を持って出た場合、
釜を上げてみて、思ったよりも意外に胴炭がしっかりしておれば、
炭点前の中で、通常胴炭を炉に入れる時点で、灰匙を上向きにして、胴炭の先を灰匙に載せ、手前を灰器の縁に載せて、灰器に預けておき、枝炭を戻した後、炭斗に戻す。
但し、これは止むを得ずすることである。
常に灰器に胴炭を預けるものではない。
胴炭を持って出なかった時、
予想以上に胴炭が流れてしまっていた場合には、
灰を撒いた後に、灰器を持って水屋に帰り、胴炭を灰匙の上に載せて持ち出せばよい。
炭斗に胴炭を組まない場合は、火箸は炭斗の中央に入れる。
2016年7月6日 「後炭 釜に水 茶事」
2015年12月17日 「釜に水を足す 炉・風炉」
毎回ブログをs楽しみにし、役立たせて頂いております。
返信削除炭点前の火箸も着く位置を教えてください。炉、風炉共にお願いいたします。
コメント有難うございます。
削除火箸は右膝頭の右横斜め上で突くとは思いますが、厳密な位置は多分ないのでしょう。
炭斗、香合、羽箒の大きさによって少しづつ変わるのでしょう。
1項目立てて、書いてみましたので、ご覧いただければ幸いです。
お世話様です。
返信削除教えて下さい。
後炭の時も初炭同様に客の拝見は有りますか?
コメント有難うございます。
削除初炭と後炭で香合を替えた場合には、
客は拝見を望まれると思いますので、後炭での拝見はあります。
後炭で初炭と同じ香合を使った場合は、
客は拝見を所望されないと思いますが、
拝見を所望されても、同じ香合ですからと遠慮しても宜しいかと思います。
同じ香合の場合でも、「なかなか拝見出来ない香合なので、もう一度拝見したい」と言われたら、断りずらいとは思いますね。
ありがとうございます。
返信削除私の表現不足でした。拝見は、お客様が炉廻りに寄り炭次を拝見する。
という場面の事なんです。。
よろしくお願いいたします。
成程それは失礼しました。
返信削除後炭でも、これは拝見しますね。
わかりました。
削除初炭と同じですね。
ありがとうございました。
後炭の時、なぜ香を先に入れるのでしょうか?
返信削除宜しくお願い致します。
コメント有難うございます。
削除初炭の炭がおこって、炉の中が熱くなっています。
濡れ灰をまくと灰が熱せられて、灰くさい臭いがしますので、
香を先にたいて、臭みが気になり難くなる様にします。
風炉の後炭との違いはありますか?香を2回焚くんでしたっけ?
返信削除土風炉の場合は鱗灰や銅拭きもあるんでしょうか?
また水次薬缶の口は左側で合っていますか?
後炭で、炉と風炉との違いは、当然ありますが、
削除炉の初炭と後炭には、風炉の初炭と後炭には、大きな違いはないと思います。
当然小さな違いはあります。
後炭で香をたく‥‥
炉では熱くなっている灰の上に濡灰を撒きますので、濡灰が乾く時の臭いを消す為に、濡灰を撒いたら直ぐに香をたきます。
しかし、
風炉では濡灰は撒きませんので、後炭だからと言って、香を早くたく事はありません。
炉の初炭後炭で、どの時点で香をたくかの違いがあるのは、理解出来ますね。
土風炉の後炭‥‥
拝見した事も、自分が実際にした事もありませんので、
回答は、知りませんとなります。
しかし、一般的な常識として考えてみれば、
炭をつぐと、初めに撒いていた鱗灰が壊れます。
その壊れた部分を修復する為に、新たに鱗灰を撒く訳ですから、
当然、後炭であっても鱗灰を撒く筈です。
胴拭きも、
炭点前をして飛んだ灰等を拭き取るのが、元々の理由でしょうから、胴拭きもする筈です。
しかし、
川上不白が「不白筆記」の中で、
後炭では鱗灰を撒くのを省略しても良いと言っているのは、
後炭は、早く薄茶を差上げるべき時に行うものですから、
省略できるものは省略して、
早く薄茶をお客に差し上げた方が宜しいと言う事だと思います。
水次薬缶の口の向き‥‥
身体のどちら側に薬缶を置くかで、薬缶の口の向きは決まります。
薬缶は身体の下座側に置きます。
風炉で棚がある場合は、
客付き正面を向いて座って、釜に水を注ぎます。
身体の右側が下座となりますので、
右側に薬缶を置き、薬缶の口は左を向きます。
炉でも風炉でも、身体の左側が下座側で、左側に薬缶を置く場合は、薬缶の口は右を向きます。
全般として‥‥
後炭の点前は、稽古でする様な事ではなく、茶事で臨機応変に行う事ですので、自分の考えでやれば宜しいと思います。
なるほど。その所作の理由を考えればなぜそうするのかというのがわかりますね。ありがとうございました。
返信削除いつもお世話になります。
返信削除後炭で輪胴をつぐのは良いのでしょうか。もしついでも良いのでしたらどのあたりにつげばよいのでしょうか。そして輪胴の次の炭はどのようにつげばよいのでしょうか。以上ご教示頂ければありがたく存じます。
私は輪胴を使ったことがありませんし、拝見したこともありませんので、どう使うかは知りません。
削除太い丸ギッチョとして使えば宜しいんじゃないでしょうか。
胴炭をつぐか否かはありますが、後は初炭と同じ炭の置き方で枝炭点炭まで置けば宜しいと思います。
私の後炭の考え方は下記です。
濃茶の後、薄茶を点てるには釜の煮えが足りない場合に、後炭をするのですから、
早く炭に火がついて、早く湯が沸いてくれなければなりません。
よって、
炉の温度が下がり過ぎない様に、炭を入れ過ぎず、
早く炭に火が回る様に、炭の間をくっつけ過ぎずに、少し開け気味に炭を置くべきだと思っています。
しかし、私は殆ど続き薄茶で茶事をしていますので、実体験がなくあまり参考になりませんね。
早速のご回答ありがとうございました。よく分かりました。感謝申し上げます。m(_ _)m
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