口切りの頃に好んで使われる炭斗に、瓢(ふくべ)の炭斗がある。
干瓢(かんぴょう)を作るウリ科ユウガオの実(瓢箪、ヒョウタン)の大きい物を乾かして、上部を切り取り、炭斗にした物。
夏にユウガオの実を収穫して、乾燥させ、切って炭斗に細工する頃が、丁度口切りの時期に当たったので、口切りのお茶に好んで使われたらしい。
現在では、開炉から年内位の間の炉の炭斗としてよく使われている。
ふくべの炭斗の底面は平らではないので、通常の炭斗の様に炭を決められた様に並べて組む事はない。
炭は、乱組(らんぐみ)に入れる。
炭の数や組み方に決まりはない。
一例を上げれば、
丸ギッチョを一つ横にして、向こう寄りに入れる。
それに丸ギッチョと割ギッチョを交互に立てかけて入れ、
点炭をさらに手前に掛けて入れる。
右側に丸管と割り管を並べて入れる。
胴炭を丸ギッチョと割りギッチョの上にのせる。
枝炭2本(二本立と三本立)を、先を下にして右手前の縁に掛けて管炭の上あたりに置く。
枝炭は、常の入れ方とは上下を逆にして入れる。
香合は、炭斗の中の適当な所に入れる。
羽箒・火箸・鐶・釜敷を常の様に仕組む。
炭のつぎ方は、常の炭斗と変わる事はない。
胴炭を丸ギッチョ・割りギッチョの上に乗せずに、
丸ギッチョを横にして置いた辺りに、胴炭を横にして置く事も出来る。
手付きのふくべの炭斗は、老人用として使われる。
手は縦にして用いる。
改まった口切りなどには、紙釜敷を使うこともある。
次も参照。
2014年12月30日 「紙釜敷 炉 風炉」
2015年1月7日 「炭台 炭その他の配置」
2015年1月7日 「炭台 炭点前 炉」
2016年1月11日 「炉 長板 諸飾り 炭点前」
2016年5月11日 「炉 炭点前 炭斗動かす 羽箒」
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