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2023年3月2日木曜日

茶事の箸、黒文字など

茶事の箸、黒文字など

膳の箸(長さ 8寸5分)は、右側を膳の端に掛けて、左側を膳の中に落として置く。

箸は右上左下の斜めにして、膳に置く(掛ける)ことになる。

利休形の膳の箸は、杉で作り、長さ8寸5分、両端に向かって少し削って細くしてある。


客も、食事中の箸の置き方は同じにする。

使っている途中で、箸の左端の下に懐紙を敷く人もいるが、私は必要ないと思っている。


(理由)

膳は汚い物ではない。

食べている箸先が汚れているから、それを気にするのだろうが、膳が汚れたのなら、最後に軽く懐紙で拭いておけば良い。


言うまでもないが、

懐石の最後に箸を落とす時には、箸全体を膳の中に落とす。

膳が丸くて、手前にスペースがない時には、器を動かして膳の中央の広い部分に落とす。


八寸盆でも、青竹の両細(長さ 8寸5分)は同じ様に左端を落して置く。


焼き物では、青竹の両細(長さ 8寸5分)は、器の端から端に水平に置く。


鉢類も、白竹の両細(長さ 8寸5分)は縁に水平に置く。


強肴を小さな器に入れて出す時には、杉の箸(長さ 6寸)は水平に置く。


菓子を縁高で出す場合、

黒文字(長さ 6寸)は蓋の上に載せて出す。

客は一段取って置いた時には、黒文字は右側を端に掛け、左側を縁高の中に落とす。


喰籠に菓子を入れて出す時には、

黒文字(長さ 6寸)は蓋の上に載せて出す。

客は蓋だけを次客に回す場合には、黒文字は喰籠の身の縁に水平に載せて回す。


なお、喰籠の蓋だけを次客に回す事はお勧めしない。

茶事の時は特に注意すべきである。

身と蓋は一緒の物だからである。

身に蓋をして一緒に回しても、それによってどれ程 時間が長くなる訳でもない。


菓子を鉢に入れて出す時も、

黒文字(長さ 6寸)は縁に水平に置く。

鉢が大き過ぎてどうしようもない時は、左側を落としても仕方ないだろうが、

出来たら、斜めに置く等水平にする工夫をすべきだろう。


ぜんざい等を菓子として出す時には、杉の箸(長さ 6寸)1本と黒文字(長さ 6寸)1本を一膳(1セット)にして、水平に置く。


小さな丸盆にぜんざいの椀を載せて一人づつに出す時には、右側を縁に掛け 左側を盆に落して置く。


昔は、菓子に黒文字を付けて出された時には、客は黒文字を持って帰ったらしい。


同じく、杉の箸1本と黒文字1本を一膳(1セット)にして付けられた時には、杉箸は折って菓子器に入れて返し、黒文字は持って帰ったらしい。


昔は、黒文字はその茶事の為に亭主が自分で削っていたから、客は頂いて帰ったのだろうが、現在では亭主は黒文字を買っており、使い回しているので、返すべきだと思う。

杉箸も折らずに返すべきだと思う。


当然だが、

杉でも竹でも、水に漬けて濡らして、軽く押さえ拭きして出す。

茶事であったら、濡らした箸や黒文字を、濡らして絞らないままの布巾の間に入れて置いて、必要に応じて出して使ったら宜しい。


黒文字も、手に入るのであれば先が矢筈に切ってある物が良い。

矢筈の黒文字(6寸)が表千家流。

強肴などに使う杉箸(長さ 6寸)も同様に表千家では先を矢筈に切った物を使う。


黒文字や杉の箸の形・置き方は、流儀によって違いがあるようだが、上記は表千家流の方法となる。



以上


2022年1月28日金曜日

菓子 棹物 切り方

羊羹にしろ何にしろ、
棹物の菓子を切って出す場合

切り口を上にして、切り口を見せて出す。

客の人数による菓子の数の調整も やり易い。



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2017年8月17日木曜日

饅頭の食べ方 菓子

茶席で饅頭が出された場合、客は手で割って食べる。

「おまんは 手で割って食べなはれ」等と指導されるが、
なぜ黒文字などの楊枝を使って食べないのか、私は知らなかった。

室町時代~江戸時代にかけて武家の礼法を司っていた小笠原家の礼法に関する文書に、
「小笠原礼書」がある。
その中では、量的には諸礼の内 約三割が飲食の作法で占められているそうである。
飲食に関する作法が、いかに重視されていたかが分かる。

飯・汁・菓子・餅・お茶の飲み方などなどの作法が書かれているそうで、
饅頭の食べ方の作法についても記されている。

饅頭には、「軽食としての饅頭」と「菓子としての饅頭」があったそうである。

軽食としての饅頭は、両手で割って汁を吸いながら食べた。

菓子としての饅頭は、両手で割って食べた。

これが現代のお茶に於ける饅頭の食べ方のルーツになっている様だ。



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2017年7月23日日曜日

干菓子 季節に合わせた銘

色々な銘が付いた干菓子が全国各地にあるが、季節季節に合わせて出したくなるものである。

盛夏ともなると、季節に合わせると言うより、正反対の冬季の銘がついたお菓子の方が好ましい場合もある。

冬季の銘が付いた干菓子も種々あるが、一例として下記のようなものが全国的にも知られている。

薄氷(小矢部、五郎丸屋)
寒菊(長崎、梅寿軒など)
越乃雪(長岡、大和屋)
御所氷室(京都、鶴屋吉信)
笹の雪(能登、長生堂)
雪だるま(岐阜、奈良屋)

この様なお菓子が出て来ると、名前を聞いただけで涼しさを感じる。
これらの銘のお菓子は、冬季の物と言うより盛夏の物ではないだろうか。

季節に合わせるのではなく、季節と正反対の銘の菓子を出すのも好ましい。

なお、「霜ばしら(仙台、玉澤)」の様に、冬季限定で販売していて、冬にしか使えないものもある。


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2015年4月1日水曜日

菓子と黒文字 茶事

茶事の懐石の最後には、菓子(重菓子)が出される。

茶事では、縁高に菓子を入れて、人数分の黒文字を付ける事が多い。

一例を上げれば、

客五人に三段の縁高に菓子を入れる場合、
下の段に、正客の菓子一個、
中の段と上の段に、各々菓子二個を入れて、
蓋の上に人数分(五本)の黒文字を付ける。




正客に縁高(菓子)が出されたら、

正客は、上2段を少しずらして下段に黒文字1本を落し入れ、上2段を次客に送る。
次客は、次客・三客用に黒文字2本を中段に落し入れ、上段を四客に送る。
四客は、蓋を取り、四客・詰用に黒文字2本を落し入れ、黒文字1本で菓子を懐紙に取り込み、黒文字は懐紙に預ける。

客全員懐紙に菓子を取った所で、正客は「ご一緒に頂きましょう」等の挨拶をして、菓子を全員で頂く。次客以下は、「お相伴します」。
黒文字を使って菓子を頂く。
但し、饅頭は黒文字を使わず、手で割って頂く。

菓子を頂いた後、黒文字を懐紙に包み、縁高に入れ、正客から次客へ送る。
次客は、黒文字を入れ三客へ送る。
三客は、正客の段の上に中段を載せ、黒文字を入れて四客に送る。
四客も同じ様にして、詰に送る。
詰は、蓋をした上段を上に載せて、縁外に預かる。

縁高は、中立で退席する時に、茶道口前に返す事になる。

縁高にも前後がある。綴じ目が後ろになる。

又は、
菓子と黒文字を懐紙に取った後、菓子を頂く前に、縁高を詰に送ってもよい。
その場合は、菓子を頂いた後に黒文字だけを詰に送る事になる。
この方法が、昔風と言える。

昔は、
黒文字は、茶事毎に亭主が削って出していたので、客はその亭主の心を汲んで、黒文字は頂戴して帰ったもの。

現代では、黒文字は購入する物で、複数の茶事に使い廻す物になっており、
又、特に生木で出来た黒文字は、注文してもスグに手に入らない場合もあるので、
黒文字を客が持って帰ると、亭主は次の茶事に黒文字が足りなくなる場合も出てくる。

客は、その点も考慮して、黒文字は器と共に返すべきである。


下記も参照
2015年2月6日 「お茶と菓子
2014年10月21日 「稽古 煙草盆と菓子器の運びだし お辞儀
2014年10月13日 「菓子器と蓋 扱い
2014年10月13日 「菓子を頂く時の懐紙の使い方

黒文字を懐紙に包むやり方の一例


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2015年2月6日金曜日

お茶と菓子

濃茶には、菓子は付かない。
薄茶には、菓子が付く。

茶事では、懐石の終わりに、菓子が出る。
菓子は、懐石(料理)の一部である。
濃茶を飲む為の菓子と言う訳ではない。

懐石の後、中立があり、後座入りの前に蹲踞で口をすすぐので菓子の味は残らない。
その後、席入して濃茶を頂く。
濃茶の味をハッキリ味合う為である。

薄茶には、菓子が付く。
菓子を食べてから、薄茶を頂く。
薄茶の菓子には、淡白な干菓子があう。

尚、茶事の案内で、「お茶」と言えば、濃茶を指す。
薄茶は、「薄茶」と記す。


下記も参照
2015年4月1日 「菓子と黒文字 茶事
2014年10月21日 「稽古 煙草盆と菓子器の運びだし お辞儀
2014年10月13日 「菓子器と蓋 扱い
2014年10月13日 「菓子を頂く時の懐紙の使い方



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2014年10月21日火曜日

稽古 煙草盆と菓子器の運びだし お辞儀

稽古に於いて

煙草盆と菓子器を運び出す時には、

煙草盆を置く時は、お辞儀を省略して、
菓子器を正客前に置く時だけ、お辞儀をする。

重菓子器と干菓子器を運び出す時には、
重菓子器を正客前に置く時だけ、お辞儀をする。
次に持ち出した干菓子器を正客前に置く時には、お辞儀は表略する。


但し、茶事の薄茶の前に、
煙草盆と菓子器を運び出す時には、
煙草盆を置く時、お辞儀を省略するのは難しい。
煙草盆でも、正客に何か声を掛ける事になる。


下記も参照されたい。
2016年06月27日 「稽古 お辞儀 総礼 茶事
2015年03月14日 「お辞儀 一礼
2015年4月1日 「菓子と黒文字 茶事
2015年2月6日 「お茶と菓子
2014年10月13日 「菓子器と蓋 扱い
2014年10月13日 「菓子を頂く時の懐紙の使い方




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2014年10月13日月曜日

菓子器と蓋 扱い

器の蓋は、身の後から付いて行く。

例えば、喰籠の蓋が身より先に廻る事はない。

蓋をした後に廻す方が良いが、別々に廻すのであれば、黒文字を載せた身を廻し、その後に蓋を廻す。

大寄せで、喰籠の蓋が先に廻っているのを見る事があるが、
蓋を先に見せたいのか、理由は判らない。
身を廻した後に、蓋を廻せばよい。


下記も参照
2015年4月1日 「菓子と黒文字 茶事
2015年2月6日 「お茶と菓子
2014年10月21日 「稽古 煙草盆と菓子器の運びだし お辞儀
2014年10月13日 「菓子を頂く時の懐紙の使い方






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菓子を頂く時の懐紙の使い方


懐紙は、男子用(これが本来の懐紙の大きさ)と女子用がある。
寸法は、二つ折り状態で
  男子用 : 約5寸8分×3寸5分
  女子用 : 約4寸8分×2寸9分
1帖30枚。二つ折りにして、最低1帖を懐中する。
使う時は、二つ折の折った方を手前に置く。

1.客畳では、畳の縁(へり)から膝まで8寸開けて座る。

2.膝前の空きの真中に懐紙を置く。
  二つ折りの折り目が手前。



3.懐紙を動かさずに、菓子を取る。
    干菓子器に2種の菓子が載っている場合は、
    向こう、手前の順に取る。
    向こうに大きな干菓子、手前に小さな干菓子が、載っている。

4.菓子は、干菓子は当然だが、重菓子類も手でつかんで食する。
  一人一人に黒文字を付けて出された時はそれを使えば宜しいが、
  持参の楊枝を使う事はない。

基本的に懐紙は清浄な物であるので、1枚目を裏返して折って重ねた上に菓子を取る事はしない。
持っている懐紙をそのままで使う。
表面が毛羽立っている様な懐紙なら、1枚目を捨てて2枚目を使えば宜しい。

水分が多い菓子等は、懐紙の1枚目を取って重ねて使えば宜しい。


下記も参照
2015年4月1日 「菓子と黒文字 茶事
2015年2月6日 「お茶と菓子
2014年10月21日 「稽古 煙草盆と菓子器の運びだし お辞儀
2014年10月13日 「菓子器と蓋 扱い


2016-12-27 加筆


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