2015年4月1日水曜日

菓子と黒文字 茶事

茶事の懐石の最後には、菓子(重菓子)が出される。

茶事では、縁高に菓子を入れて、人数分の黒文字を付ける事が多い。

一例を上げれば、

客五人に三段の縁高に菓子を入れる場合、
下の段に、正客の菓子一個、
中の段と上の段に、各々菓子二個を入れて、
蓋の上に人数分(五本)の黒文字を付ける。




正客に縁高(菓子)が出されたら、

正客は、上2段を少しずらして下段に黒文字1本を落し入れ、上2段を次客に送る。
次客は、次客・三客用に黒文字2本を中段に落し入れ、上段を四客に送る。
四客は、蓋を取り、四客・詰用に黒文字2本を落し入れ、黒文字1本で菓子を懐紙に取り込み、黒文字は懐紙に預ける。

客全員懐紙に菓子を取った所で、正客は「ご一緒に頂きましょう」等の挨拶をして、菓子を全員で頂く。次客以下は、「お相伴します」。
黒文字を使って菓子を頂く。
但し、饅頭は黒文字を使わず、手で割って頂く。

菓子を頂いた後、黒文字を懐紙に包み、縁高に入れ、正客から次客へ送る。
次客は、黒文字を入れ三客へ送る。
三客は、正客の段の上に中段を載せ、黒文字を入れて四客に送る。
四客も同じ様にして、詰に送る。
詰は、蓋をした上段を上に載せて、縁外に預かる。

縁高は、中立で退席する時に、茶道口前に返す事になる。

縁高にも前後がある。綴じ目が後ろになる。

又は、
菓子と黒文字を懐紙に取った後、菓子を頂く前に、縁高を詰に送ってもよい。
その場合は、菓子を頂いた後に黒文字だけを詰に送る事になる。
この方法が、昔風と言える。

昔は、
黒文字は、茶事毎に亭主が削って出していたので、客はその亭主の心を汲んで、黒文字は頂戴して帰ったもの。

現代では、黒文字は購入する物で、複数の茶事に使い廻す物になっており、
又、特に生木で出来た黒文字は、注文してもスグに手に入らない場合もあるので、
黒文字を客が持って帰ると、亭主は次の茶事に黒文字が足りなくなる場合も出てくる。

客は、その点も考慮して、黒文字は器と共に返すべきである。


下記も参照
2015年2月6日 「お茶と菓子
2014年10月21日 「稽古 煙草盆と菓子器の運びだし お辞儀
2014年10月13日 「菓子器と蓋 扱い
2014年10月13日 「菓子を頂く時の懐紙の使い方

黒文字を懐紙に包むやり方の一例


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2 件のコメント:

  1. いつも拝読させていただきありがとうございます。
    「菓子を頂いた後、黒文字を懐紙に包み、縁高に入れ」るとありますが、黒文字の包み方はどのようにすればよろしいのでしょうか。 お教えいただければ幸いです。

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    1. 今日は。
      決まった包み方はないでしょうが、私の包み方を本文の方にアップしました。
      (コメント欄に写真を貼り付ける方法が分からなかったものですから)
      一人ひとり別々にする必要はないと思います。2~3人分を一つの包みに入れれば良いと思います。
      大半の方が私と同じにされていると思います。
      又 何か疑問点がありましたら、コメントして下さい。

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