2016年2月22日月曜日

花所望 茶事 (2)

後座で亭主は、茶道口を開けて、

花台を床の上に置いておいた場合は、
(1)膝前に何も置かずに、正客に花を所望する。 又は
(2)茶碗を膝前に置いて、花を所望する。

花台を床に置いておかなかった場合は、
(3)花台を膝前に置いて、茶道口を開け、花台を床に運び出し、
茶道口外に下がって、花を正客に所望する。

正客は、次客以下に会釈をして尋ね、次客以下が辞退する時には、必要であれば亭主に花入についてお尋ねをした後、
花入の前に行き、花入をよくよく拝見する。

花台の前に移り、花台を手前に引き寄せ、花を見繕って、小刀で花の下端を切り揃え、
花入の前に戻って花を入れる。

花を花入に入れるには、
座ったまま入れるか、立って入れるかの二通り。
出来るだけ、膝で立って入れない方が良い。

正客が花を入れ終わった頃、又は花台を整理し始めた頃、
亭主は、水を差す様に正客にお願いする。
水を差す事によって、以後花を直しませんと言う事になる。

正客は、水を差し加え、花台を整頓して、切り屑を花台の手前の小刀の下あたりにまとめる。
花台を元の位置に戻し、花をもう一度見た上で、席に帰る。


亭主は、茶道口を出て、床前に進み、花を拝見し、
膝を少し動かし、正客の方に向かい花の礼を述べる。

亭主は、花台を下げる。
茶碗を持ち出し、濃茶となる。

亭主が茶碗を膝前に置いて、花を所望した場合は、
正客が花を入れた後、茶碗を持って席に入り、点前座に進んで茶碗を茶入と置き合せてから、
花台を取りに床前に進む。
花台を水屋に下げた後、建水を持ち出し、濃茶となる。

茶事の終わりに、客が退出する時、

亭主は、「お花はそのままお残し下さい」の挨拶をする。

亭主からその挨拶がない時は、客は花入から花を取って懐紙に載せ、
床の隅に置いて退出する。



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2016年2月7日日曜日

花所望 茶事 (1)

習事の花所望では定まったやり方で行われるが、
ここでは実際の茶事で、花を所望される(所望する)場合の心得を記す。
習事とは若干異なる部分もある。

花所望は後座の初めに行われる。
よって、茶室は濃茶の飾付となる。
花入は、後座であり掛物は外してしまうので、通常、床正面の大平壁に掛けるか、床の中央に置くかのどちらかになる。

花台には、花・小刀・水次・茶巾を用意する。
花台は良く濡らして、水を切っておく。
客より到来の花であれば、全部の花を載せて置いても良い。

花の上部を花台の左斜め上にして、右斜め下に向かって、斜めに置いておく。
花には、よく水をかけて濡らしておく。
畳んだ茶巾をのせた水次を花台の右上隅に、花に平行に置く。
小刀は、花に平行にして、花台の手前の枠に、柄を掛けておく。

後座の客席入り前に、花台を床に置いておく場合と、置いておかない場合の二通りある。

花台を床に置いて置く場合にも、
何も膝前に置かずに襖を開ける場合と、仕組んだ濃茶の茶碗を膝前に置いて襖を開ける場合の二通りある。

花台を床に置いておかない場合には、膝前に花台を置いて襖を開ける。

花台を置く位置は、床の下座三分の一位。

碌々斎は、花台を前もって床に飾っておいた方が良いと言われている。

花入には、水を七分目~八分目入れておく。 当然ながら、花は入れておかない。
掛け花入の場合は、掛ける穴を上端にして、水を七分目~八分目入れる。

花台に載った花から、花入に入れる花を作るには、
先ず主になる花を選び、左手に持たせておき、次に後ろに添える花を選び、右手で左手の主になる花に添わせる。
花を揃えたら、花入の長さに合わせて、下端を小刀で切りそろえる。

お茶の花は、少し寂しい方が良いと即中斎は言われている。

小刀で花を切るには、
選んで花入に入れる様にまとめた花を横にして、左手で持ち、右手に持った小刀を枝に当て、
刃の部分で枝を右手で折って、押えたまま右斜め下に、右手の小刀を引いて切る。
切り口は奇麗に切れる訳ではない。ギザギザに切れている。その方が水揚げも良い。

花入に水次で水を加えるには、
水を花入の右から入れるか、左から入れるかによって異なるが、
右から入れる場合は、水次の上の茶巾を右手で取り、左手に持ち替えて、水次の口の下に当て、水次を右手で上から握って、水を加える。
左から入れる場合は、この逆となる。

二重切り、三重切りの花入では、前もって全部に水を入れてある。
花はどれか一か所に入れるが(下から入れた方が良い)、水は上から下へ向かって全部に加える。

花を客が持参する場合は、よくよく考えた上で持参する事。
亭主は吟味して花を用意しているからである。
客が花を持って来れば、亭主は気に入らなくてもそれを使わざるを得ない。

お菓子も同様である。
明らかに水屋見舞いに見える菓子以外は持参しない方が賢明だ。
逆に、亭主としては、水屋見舞いに頂いた菓子が薄茶に使えるものであれば、出来るだけ薄茶の菓子に加えて出す事を考えた方が良い。





2016-10-2 修正


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