2018年9月8日土曜日

老松割蓋の茶入

老松割蓋の茶入

千家六代 覚々斎好みである。
利休好みの茶室である待庵(国宝)がある山崎の妙喜庵の境内にあった老松が枯れ、
覚々斎がその枯れた老松を挽かせて茶入を好んだ。
30個好まれたそうだ。
溜塗。蓋は割蓋。仕服の緒は長緒。
それ迄は表千家では茶入の緒は短緒で、長緒は覚々斎の頃には絶えていたが、この茶入に覚々斎は長緒の仕服を好んだ。

「茶入」とは、通常 焼物の濃茶入れを言う。
この茶入は焼物ではないが、茶入と呼んでいる。
茶器と言っても悪くはないと思う。

習事の一つであるので、細かい扱いは、先生から習うことであるが、男子と女子では異なる所もあるので、少々書いてみた。

茶入から濃茶を茶碗に入れる。

平棗の時と同じ様に、茶入は左手に受けて持つ。
左手の親指を蓋に掛けて、蓋の右側を開いて、お茶をすくう。
人数分の濃茶を茶碗にはいたら、
茶杓を茶碗の口で一度払って、茶杓を右手に握り込み、右手で割蓋の蓋を閉める。
茶入を茶筅の横に戻して、
茶杓を持ち直して、お茶をさばく。
後は通常と同じ。

女子は、普通の茶入と同じ様に、茶杓を茶碗に預けて、茶入の蓋をする。

拝見に出す時は、
右側の蓋を開け、右半分の口を帛紗で拭く。
お茶を取った方の口だけ拭けば良い。

御三器を持ち運ぶ時には、
仕服の底が大きくて、底の右横に置いた茶杓を、左手の親指で押えられない時は、
仕服の底の上に茶杓を置いて、親指で押えても良い。

2021-4-30 一行追加

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