2015年12月23日水曜日

かき立てツマミ 鐶ツマミ 共蓋の釜

釜の共蓋のツマミに鉄の輪が付いているものがある。

「かき立てツマミ」とか「鐶ツマミ」とか言われる。

男女共に帛紗を使って釜の蓋を取る。
(男子の場合、帛紗が不要な場合は、素手で取ってもよい。)

鉄の輪の突起を下にして(釜の蓋に突起を当てて)、蓋の手前側に鐶ツマミを倒しておく。

帛紗を横にしてツマミの上にかぶせ、右手親指を帛紗の手前の下から輪の中に掛け、
蓋のツマミ向こうを帛紗の上から中指を中心として押さえて、
釜の蓋を手前に引いて、蓋の露を切って、蓋を取る。




釜の蓋の上に茶巾を置く時、鐶が邪魔になる時は、向こう側に倒しておく。

下記も参照
2015年12月23日 「男子 帛紗を使って釜の蓋を取る」 
2016年1月11日「柄杓を構える 左手 握り方


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男子 帛紗を使って釜の蓋を取る

共蓋の釜の蓋の場合等に、男子も服紗を使って蓋を取る。

茶入(又は茶器)を帛紗で清め、次に茶杓も清めた後、

左手に帛紗を持ったまま、右手で柄杓を取り、左手の帛紗の上に柄杓を載せ、左親指で柄杓を押えながら、構える形をとる。

右手を帛紗に移し、
同時に、帛紗の上の左人差し指を、少し上の方柄杓の柄に直接触る部分迄進めて、
人差し指は少し持ち上げ親指は少し押さえつけて、柄杓を動かない様にして、
右手にとった帛紗を柄杓の柄に添って切り止め近くまで下げる。
同時に左人差し指を少し下げて左手は柄杓の節下をしっかり持つ。

右手に帛紗を持ちながら柄杓を構える。

右手に帛紗を持って、釜の蓋のツマミの上に帛紗を載せて、釜の蓋を取る。

下記を参照
2015年12月23日 「かき立てツマミ 鐶ツマミ 共蓋の釜」 
2016年1月11日「柄杓を構える 左手 握り方



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重ね茶碗 島台茶碗 亭主の点前 炉

重ね茶碗は、大勢の客に濃茶を差し上げる時のもの。

島台茶碗もその一つ。
重ねて持ち出さず、半東が二碗目を持ち出す事もある。

亭主の点前  炉

重ねて茶碗を持ち出し、両手で勝手付に仮置き。

茶入を右に寄せ、上の茶碗を両手で取り、左手で茶入と置き合わせる。

茶筅通しの湯は、仮置きの下の茶碗に空ける。

一碗目のお茶を点てて出す。出し帛紗も添える。

正客が一碗目のお茶を取りに出て来た時、「○○人分です」と伝える。

一碗目の正客が一口飲んだところで、服加減を尋ねる。

頃合いを見て、下の茶碗(二碗目の茶碗)を居前から右手で取って、中の湯を建水に捨て、改めて湯を入れ、もう一度温めてお湯を捨てる。

二碗目のお茶を点てて出す。出し帛紗は添えない。

二碗目の正客が一口飲んだところで、服加減を尋ねる。

二碗目のお茶を出した後、中仕舞をして、客付に回り、お茶銘等正客のお尋ねに答える。

二碗目の末客の吸い切りを聞いて、中仕舞を解く。

二碗目の茶碗が返って来るので、ゆすいで、居前から右手で勝手付に仮置きする。

一碗目の茶碗と出し帛紗が返って来る。

一碗目の茶碗を膝前に置いた所で、客から総礼。

一碗目の茶碗で仕舞う。

茶入を拝見に出す時には、
茶碗は、先に仮置きした二碗目の茶碗の上に、両手で重ねて置く。

場合によっては、二碗目の茶碗を亭主に返さず、亭主の指示で半東が二碗目の茶碗を受取る事がある。
その場合は、二碗目の茶碗はゆすがないで半東が水屋に引く。

下記も参照のこと。

2015年12月23日 「重ね茶碗 島台茶碗 客の作法
2014年11月9日 「島台茶碗 如心斎 重ね茶碗
2016年12月12日 「重ね茶碗 茶事 今と昔



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重ね茶碗 島台茶碗 客の作法

通常の濃茶と異なる部分を重点的に記入する。

一碗目の正客を「正客」と書いている。

正客は、一碗目の茶碗と出し帛紗を次客との間に置いて、「○○人分です」と言って、次礼をする。
連客は、全員(二碗目の客も)礼を返す。

次に、二碗目が点てて出されるので、二碗目の正客が取りに出る。

二碗目の正客は、茶碗と自分の使い帛紗を次客との間に置いて次礼をする。

一碗目の末客は、飲み終えたら、茶碗と出し帛紗を正客へ持って行く。

正客は、様子を見て、一碗目の茶碗を拝見に回す。(次礼あり)

飲まれている途中の二碗目の茶碗に、拝見の茶碗が追い付かない様に、正客は頃合いをみて拝見に回す。
早く回しすぎない様に注意する。

正客は、出し帛紗も拝見に回す。

二碗目の末客は、飲み終わったら、正客に二碗目の茶碗を持って行く。
二椀目の茶碗に付いてきた使い帛紗は、二椀目の正客に返す。

正客は、二碗目の茶碗を拝見に回す。(次礼あり)

一碗目の茶碗と出し帛紗を末客が拝見し終わったら、正客に茶碗と出し帛紗を返す。

正客は、一碗目の茶碗と出し帛紗をしばらく預っておく。

二碗目の茶碗を末客が拝見し終わったら、正客に返さず、亭主に返す。

二碗目の正客が、出し帛紗を一碗目の末客にお願いして借りる事がある。

その時は、二碗目の茶碗の次に、出し帛紗が拝見に回る。
二碗目の茶碗は亭主に返し、出し帛紗は正客に返す事になる。

正客は、一碗目の茶碗と出し帛紗を亭主に返す。
二碗目の茶碗が亭主に返ると、亭主はゆすいで仮置きをするので、その頃を見計らって正客は茶碗を返す。

亭主が一碗目の茶碗を膝前に置いたら、客は総礼。

亭主は、一碗目の茶碗でしまう事になる。


下記も参照のこと。

2015年12月23日 「重ね茶碗 島台茶碗 亭主の点前 炉
2014年11月9日 「島台茶碗 如心斎 重ね茶碗
2016年12月12日「重ね茶碗 茶事 今と昔


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2015年12月17日木曜日

釜に水を足す 炉・風炉

後炭や夜咄の初炭の時、薬缶を使って釜に水を足す事がある。

稽古の時は別として、茶事の場合には必ず水を足す必要はない。
時と場合による。

薬缶を置く場所は、釜正面に座って、勝手側の膝横。
つまり、炉の場合には左膝横、風炉の場合は右膝横になる。
薬缶の口は、左膝横に置く場合は右向き、右膝横の場合は左向きにする。

但し、風炉の場合、釜を少し風炉に寄せてひねって置いた時には、畳の縁に対して(風炉に対して)少し斜めに座る事になり、薬缶を置く場所が左膝横になる。

薬缶の口には竹の蓋置を差し、薬缶の蓋の上には水を含ませた茶巾を載せておく。

釜に水を足す手順。

炭を次ぎ終わった後、水屋に下がって茶巾を載せた薬缶を持ち出す。

薬缶から蓋置を取って釜鐶の前に置く。
薬缶の位置の逆の手で、薬缶の口から蓋置を取り、右手で畳に置く。
(薬缶が左膝横にある時は、右手で蓋置を取り、左手であしらって、右手で畳の上に置く。)

素手で釜の蓋を取り、蓋置に載せる。
(女子は、薬缶から茶巾を取り、釜蓋のツマミにかぶせた状態で載せて、茶巾の上からツマミを摘まんで釜の蓋を取る。)

薬缶の茶巾を取って口に当て、薬缶の水を釜に次ぐ。
(女子は、釜の蓋からそのまま茶巾を取って、薬缶の口下に当て、水を次ぐ。)

薬缶を膝横に戻し、茶巾も薬缶の蓋上に戻す。
(女子は、茶巾を釜蓋のツマミの上に戻す。)

釜の蓋を素手で釜に戻す。
(女子は、茶巾を使って釜の蓋を釜に戻す。茶巾はそのまま釜蓋のツマミの手前に置く。)

蓋置を薬缶の口に戻す。
右手で畳の上の蓋置を取り、薬缶の位置の逆の手で、薬缶の口に戻す。

茶巾を薬缶から取って、釜の蓋と肩を拭く。
(女子は、茶巾を釜の蓋上から取る。)
釜の蓋は、左側→右側と「り」の字に拭く。
釜の肩も、左側→右側と拭き、茶巾を二つに折って、釜の手前を左から右へ拭く。
(釜の肩の後ろは重なる様に拭き、前は1寸(3cm)ばかり拭き残しておき、拭き残しを二つ折りにした茶巾で拭く。)

茶巾の形をなおし、薬缶の上に戻して、水屋に薬缶を持ち帰る。

再度出てきて、釜を炉または風炉に掛ける。


棚に蓋置を飾っている場合、
釜に水を足す時には、薬缶の口に竹の蓋置を差して持って来ずに、
飾ってある蓋置を使って良いが、
扱いがある蓋置(穂屋など)を飾っている時には、
竹の蓋置を薬缶の口に差して持ち出した方が良い。


参照
2021年6月19日 「竹の蓋置
2018年4月21日 「後炭 準備 茶事
2016年7月6日 「後炭 釜に水 茶事
2014年10月16日 「風炉 土風炉 炭点前 終り

2017-2-15 修正


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2015年12月13日日曜日

包み帛紗 濃茶 棗

極侘びた濃茶のやり方に「包み帛紗」がある。

使い帛紗で濃茶を入れた棗を包んで濃茶点前を行う。

不時の客等に用いるのだろうが、私は経験がない。

わざわざ仕服が付いていない棗を使う事もないし、
普段使いの茶入を使えば事足りるし、
普段使っている8~10匁の使い帛紗では厚過ぎて、小棗であっても結べないので、
わざわざこの為に薄い帛紗を用意する羽目になる等本末転倒になる。

知識として知っておくのも悪くないだろうから、下に記してみる。

蒔絵が施されていない真塗の棗又は黒の棗を使用する。

中棗では結べないので、小棗が良いと思う。

小棗であれば、濃茶の量は人数分計り切り、又は常の茶入と同じにする。

使い帛紗(紫の帛紗、女子であれば朱の帛紗)のワサを右上にして、
手前の端(1)を下に、向こうの端(2)を上にして棗を包み、
左右の端を2重に結んで、水指前に通常の様に飾る。



点前の中では、
包み帛紗の棗を膝前に取ったら、一つ結び目を解き、左掌に載せて右手で残った結び目を解いて、向こう手前とかぶせた帛紗を外し、棗を右手で膝前に置く。
帛紗が載っている左手の甲を上に向けて帛紗をひっくり返して、左端を右手で取り、
(2)の端を左手で取って、
棗が載っていた面が身体の向こう側になる様に持って、四方さばきを始める。



後は通常と変わらない。

小棗であれば、お茶を茶碗に掃いたら、茶杓を一度茶碗で打ってお茶を払い、
茶杓を右手に握り込んで、棗の蓋をして、左手で棗を元の位置に戻す。
茶杓でお茶をさばいた後、茶杓を二度茶碗で打ってお茶を払って、棗に載せる。

女子の場合は、通常の茶入の場合と同じ様に、茶杓を茶碗に預けて、棗の蓋をする。

人数分計り切りのお茶を入れていた場合は、一人分位を茶杓で茶碗に掃いた後、残りのお茶を茶杓で掻き出して茶碗に入れる。


2016年8月14日 「棗 濃茶入としての扱い」 を参照。


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2015年11月3日火曜日

掛物と後ろの壁

掛物を壁に掛ける場合、

掛物の裏が後ろの壁に触らない様に掛ける。

表千家では、掛物釘は竹釘を使う。
竹釘は皮を上にして打つ。

竹釘を打つには留意して、掛物の掛緒が竹釘の中途で止まる角度にしておく。
掛物が壁に触らない為である。

床の壁(大平 おおひら)の天井廻り縁の下に、織部板と呼ばれる幅6寸位の板を入れて、その板に掛物釘を打ってある場合がある。
これも掛物が壁に触らない工夫である。

床の正面大平壁には花入を掛ける中釘を打つ。
流儀によっては、軸を掛けた時邪魔にならない様に引っこむ無双釘と呼ばれる中釘を打つ場合があるが、
掛物を掛ける時、掛物が壁に触らない様に掛ければ、無双釘は必要のないものであり、
表千家では使わないものである。

三代 元伯宗旦が、ある所の茶事に呼ばれた時、
茶事が終わった後、元伯の相伴をした人に、「何か言われたか」と亭主が尋ねた所、「掛物が良かった」と言われたとの事であった。
「その理由は、掛物が壁に触っていなかったからでしょう」と相伴の人が答えたとの話が残っている。

何とも辛い話ではあるが、掛物と壁の関係についてだけ言えば、納得できる。



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帛紗の寸法

帛紗の寸法

8寸8分(わさ)×9寸3分 (約26.7cm✕28.2cm)

妻宗恩が小田原の陣の時縫ってくれた帛紗を利休が気に入ったと言われているが、
その帛紗は当時としては大き目で、
寸法は、畳目17目×19目 (8寸5分×9寸5分)。

その大きさが現在の帛紗の寸法の基になっている。

使い帛紗の布地は、塩瀬と呼ばれる絹。
男子は紫色、女子は朱色、時には老人は茶色を使う。

江戸時代には、朱色の使い帛紗は子供や老人が使ったらしい。

使い帛紗は、重さでランク分けされている。通常8匁(30g)~10匁(37.5g)を使う。
友湖の帛紗であれば10匁。

ある程度重たい帛紗が使い易い。塵打ちの音も柔らかい音がでる。

縦横の寸法が異なるので、帛紗をさばいて三角形に二つ折りした時、
手に持っていない下にさがっている三角形の頂点は、山が二つ出来ている。
頂点がキチンと合うことはない。

2017-2-15 修正


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2015年10月19日月曜日

茶事 炭拝見 風炉

茶事 風炉 炭拝見

現在、表千家では風炉の炭点前の後、客が拝見することはないが、
他流では風炉の炭拝見が行われることもある。

よって、茶事では風炉の炭の拝見を所望される場合がある。

その場合は、
香をたいた後、釜を直ぐに風炉に掛けられる所まで引き寄せて置いてから、
立って茶道口を出て、そこに控えて、拝見が終わるのを待つ。

客の拝見が終われば、再び立って風炉の前に行って、釜を掛ける。

後は、いつもの通り。

土風炉の場合は、客の拝見の前に、灰器を勝手に下げておく。



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2015年10月18日日曜日

風炉一つ置 茶器仮置き

竹台子 風炉一つ置 続き薄茶 茶器仮置き

且座では続き薄茶になるが、
茶器を清めた後、仮置きする事になる。

竹台子の場合、水指は細水指と言いながら、棚より前に出て置き付けているので、
建水の上には、茶器を置く余裕が少ない。

よって、水指の膝に向かって斜め前に、左手で置けば良い。

茶器と茶入を入れ替える時には、
茶杓を入れ替えた茶器に乗せた後、膝前の茶入を右手で取り、左手であしらって、天板の茶器があった所に右手で乗せる。

長板 風炉一つ置 の場合も同様。

長板の場合は、茶入を戻す所がないので、茶器の仮置きの場所に、茶入も仮置きする。
茶入の袋も、長板前水指右上辺りに置いているので、水指の周りは結構混雑する。


尚、
茶碗の仮置きは、膝前。
中仕舞にはしない。



下記を参照
2016年5月11日 「風炉 大棚、長板
2014年11月23日 「竹台子一つ飾り


2016-09-01 修正

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2015年10月15日木曜日

掛け花入

茶の湯の花入は、竹の花入に限らず「掛け」が基本だった。

現在では置き花入にしかしない様な焼物の大きな花入でも、
後ろに穴があり、昔は掛けていた。

今日では、後ろの穴は埋めてあるものが多い。

写真は、美濃伊賀の耳付き花入で、昔は掛け花入として使われていたが、
現在は、掛けの金具を付けていた穴を漆で埋めて、置き花入として使われている。



2017-9-17 修正して写真を追加



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2015年10月6日火曜日

茶入の袋 置き場所 棚物

茶入の袋(仕服)の置き場所の原則

棚物(小棚)の場合の原則は、

「柄杓・蓋置を飾る棚板の勝手付きに置く。」

表千家十三代 即中斎の「即中茶記 第二分冊」に書かれている。

但し、三木町棚の場合等のように例外もある。




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柄杓・蓋置 飾り残し

柄杓・蓋置を棚に飾り残す時の原則

点前が終わった後、棚などに柄杓・蓋置を飾り残すことがある。

柄杓・蓋置を飾り残す棚板などに何も置いていない場合は、

水指から釜に水を加え、水指の蓋をした後、すぐに柄杓・蓋置を飾る。

柄杓・蓋置を飾り残す棚板等に茶入の仕服など邪魔になる物が置かれている場合は、

水指の水を釜に足して、水指の蓋をした後、
柄杓・蓋置は、一度建水にたたんでおき、邪魔がなくなった所で棚板などに飾る。




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2015年10月5日月曜日

風炉 大板(敷板)(5) 炭点前

風炉 大板(敷板) (5) 炭点前

大板の炭点前は、棚なしの小板の時と同じ。

羽箒と火箸を下す時、炭斗を右に動かす必要はない。

しかし、炭斗が大振りで羽箒・火箸を下ろしにくい時には、当然炭斗を動かしても宜しい。

後は、通常の炭点前の通り。




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2015年10月1日木曜日

風炉 大板(敷板) (4) 飾り残し柄杓を使う

風炉 大板(敷板) (4) 飾り残した柄杓を使って点前

柄杓の端を左手で取り、少し先に進めながら持ち上げる。

身体の近くに持って来て、左手のすぐ上を右手で取り、

右手を越して、節下を左手で取り直して、右手を切り止めに下げ、左膝上に構える。

右手で蓋置の正面を掌(たなごころ)に入れて、横からにぎり、
正面を客付になる様にして、大板の左端に置き、柄杓を引く。

右手の親指で蓋置の正面を握らない事。

後は通常通り。


2017-2-19 修正



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風炉 大板(敷板) (3) 点前の終わり

風炉 大板(敷板) (3) 点前の終わり

柄杓・蓋置を飾り残す時

柄杓は湯返しをする。

柄杓を左膝上に構える。

蓋置正面が掌(たなごころ)の中に入る様に、右手で横から蓋置を持ち、
正面を手前に向けて、風炉の近く少し向こう右寄りに置く。
右手の親指は、蓋置正面を握らない事。

柄杓を蓋置の左側に、左手で置く。

柄杓の柄の先(切り止め)は、5分(1.5cm程)位大板から出る。




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風炉 大板(敷板) (2) 点前の始め

風炉 大板(敷板) (2)

点前の始め

建水から柄杓を取って、左膝上に構え、右手の親指を蓋置正面にかけて、右手で蓋置を取って、正面を客付にして、大板の左端に置き、柄杓を引く。

女子は、
建水から柄杓を上げ、右手で蓋置を取って、柄杓を建水に戻し、蓋置を左手の上で正面が客付になる様に右手で持ち直し、大板の左端に置き、柄杓を引く。

後は、通常通り。




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風炉 大板(敷板) (1)

風炉 大板(敷板) (1)

1尺4寸(約42.4cm) 四方。
風炉の長板を半分にしたもの。

真塗 ・・ 紹鴎好み
ケヤキ地 黒掻合せ塗り ・・ 利休形
アメリカ産松 掻合せ塗り ・・ 吸江斎拝領の瀬戸大水指の敷板として碌々斎が好む
鎌倉彫り ・・ 惺斎好み
カンナ目 ・・ 即中斎好み
不審菴伝来の古形は、細かい荒目板

勝手から三目(時には五目)に大板を置く。

表千家では、風炉・大板で、中置にする事はない。

棚は置かないが、点前の終わり、茶碗と茶器の置き合せは水指の前。中仕舞にはしない。

水指の位置は、空きの左右真ん中。

蓋置は、竹でなくて良い。 陶器など。

柄杓・蓋置を飾り残す時には、湯返しをする。
竹の蓋置を使った場合は、飾り残さない。

大板には、鉄風炉や大きな風炉は似合わない。




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風炉の位置

風炉の位置

夏は通常の風炉の位置。

少し涼しくなると、大板にして風炉を少し客付きに寄せる。
風炉は普通の大きさ。

もう少し涼しくなると、中置にする。
風炉は大きめにする。

その後は、炉に替える。





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炉釜の大きさと季節 覚々斎

炉釜の大きさ 季節 覚々斎

表千家 六代家元 覚々斎は、次のように言われた。

寒い時、大釜が良い。
小釜を掛けて、炭がおこるのを見るのも良い。

平(釜)透木も暖かく見える。春先の暖かい時、火をおおい隠す様で、これも良い。

何にしても状況に合わせて、臨機応変。





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立鼓の花入 覚々斎

立鼓(りゅうご)の花入

立鼓の花入は、本来夏の花入であったが、表千家 六代家元 覚々斎は極寒に水を半分入れて使った。

八代 啐啄斎は、覚々斎にならって毎年冬に使った。

立鼓花入の敷板は丸香台。


夏には、立鼓の花入の上面ヒタヒタに水を張る。

薄端(うすばた)花入も、夏には上面ヒタヒタに水を張る。
  薄端 = 古銅花入、口のところで大きく一文字に開いている。
        宗旦好みに薄端鯉耳花入(道入作)がある。

2014年11月10日 「薄板 丸香台 花入」 を参照のこと。



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茶筅の結び目

茶筅の結び目

現在は、点前の始まりに、茶碗に茶筅を仕組む時だけ結び目を上にする。
点前の途中や終わりには、結び目を気にしない。

表千家 六代家元 覚々斎時代には、
茶筅の竹に樋(ひ)のあるものは、樋を前にする。

結び目は前にしても後ろにしてもどちらでも良い、と言われていた。





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2015年9月23日水曜日

床の掛物と花入

床の掛物

小間の床には、掛物は一幅。

広間の床には、一幅、双幅、三幅対など自由にすれば良い。

掛物の大きさにもよるが、出来るだけ垂撥(すいはつ)は使わない方が良い。

床に掛物と花入を共に飾る(諸飾り)時は、掛物の前や床柱に花入を置く(掛ける)。

花入を床に置く場合は、掛物の邪魔にならない様にする。
花入を掛物の前からずらす時は、勝手付に動かす。

花鳥の絵の場合は、花はない方が良い。

なお、絵の掛物の場合について、家元伝来の四代 江岑の自筆書では、
「絵賛ノ物カケテ 花ヲ入ル事 セヌ事也」と言っている。

花鳥の絵だけでなく、賛のある絵の場合でも、花はない方が良いと言っている。




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寸法 8寸の色々

八寸(約24cm)と言う寸法は多くの所で使われる。

8寸(約24cm) ・・ 畳目17目位
高級な畳では、畳目2目が1寸であるので、8寸は16目になる。
この寸法の畳は少ない。

客として座る場合、畳の縁(へり)から膝前まで、8寸。



床拝見の時、畳の縁から膝前まで、8寸。


襖や障子を開け切る時、敷居から手までの高さ、8寸。



風炉の時、風炉の敷板は、客畳の縁の延長線から8寸。
風炉の敷板の勝手付は、棚や水指の大きさにより、畳目3目~13目位に見計らって置く。



炉の時、棚の位置は、炉縁外側の延長線から8寸。
膝前の空きも畳の縁(へり)から8寸。



台子や長板も8寸。
左右は、畳中央に置くが、客付を奇数目にして1目寄せる。

炉向切の時、膝前の空きは、炉縁外側から8寸。
水指は、同じく炉縁外側から8寸。




向切 水指の位置は、炉縁外側から8寸奥に置いては、遠すぎる感じがする。
私は通常、炉釜の中心線より少し奥に水指を置いている。

2021-2-27 修正


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2015年9月5日土曜日

三木町棚 江岑棚

三木町棚、江岑棚と言われる物には、2種ある。

表千家四代 江岑好み

天板と地板は、杉木地。
引出は、樅(モミ)木地。 ツマミは、竹。
柱は、檜(ヒノキ)木地。

表千家六代 覚々斎好み

総桐木地。 ツマミは、桑。

江岑好みを「三木町棚」、覚々斎好みを「江岑棚」と呼ぶ事が多いが、逆に呼ばれる事もある。

表千家歴代家元の箱書には、江岑好みに「三木町棚」、覚々斎好みに「江岑棚」とある。

家元に伝来している江岑好みの本歌は、
若党の手造りと言い伝えられている通り、寄木造りで、引出はガタガタであり、四隅の足は全て異なる形をしている等の素人細工になっている。

一説には、殿様から頂いた菓子の箱を引出にして、江岑が若党に命じて棚に作らせたと言われている。

三木町は、和歌山城近くの町名(現在もある)で、紀州徳川家から江岑が屋敷を頂いていた。
現在、屋敷跡には、表千家屋敷跡の石碑が立っている。

濃茶の時、

仕服は、左手に持たせ、右手で引出を引き出し、同じ右手で仕服を入れる。

薄茶の時、

天板に柄杓・蓋置を飾る(入飾りのみ)場合、茶器は引出の真中に入れるが、
棗は右手一手で入れる。
横から持つ雪吹などは、一度左手に受けて、右手で上から持ち直して入れる。





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2015年8月17日月曜日

茶事 座掃(小間) 初座・後座

亭主は、初座・後座の席入の前に、座掃を使って席中を清め、躙り口から掃き出す。

客は、畳を座掃で掃く音を聞くと、もうすぐ席入の案内があると思い、緊張するものである。

「初座の迎付」「後座の銅鑼」の前の亭主の手順の一例を記す。
特に決まりがある訳ではないので、その場の状況に合わせればよい。

初座 迎付の前、

初座の飾り付をした後、躙り口の戸を開けて、座掃で席中を掃いて、躙り口から掃き出す。

手桶を水屋から持ち出し、躙り口から露地に出、蹲踞の水を張り替える。
蹲踞の水は三分の一程、周りに撒き、手桶の水を注ぎ足す。
手桶を躙り口の内に戻し、迎付に向かう。

迎付から戻ったら、躙り口を閉める。
再度部屋を検分し、釜の蓋を切り、躙り口の戸を手掛かりだけ切って、茶道口を閉める。
台所にその旨伝える。

昔は、手桶でなく、中口・小口と呼ばれる木地の片口がよく使われていたらしい。

後座 銅鑼の前、

床の軸を外し、釜の蓋を閉める。

躙り口の戸を開けて、座掃で席中を掃いて、躙り口から掃き出す。
その後、戸を閉める。

花入・水指・茶入等を飾り、炉(風炉)の火相を整え、香を焚き、釜の蓋を切る。

躙り口の戸を手がかりだけ開ける。
迎付の銅鑼を打つ。

又は、
釜の蓋を閉め、後座の飾り付けをする。

躙り口の戸を開け、座掃で掃き出して、手がかり分だけ残して躙り口の戸を閉める。

釜の蓋を切った後、銅鑼を打つ。

銅鑼は、「大、小、大、小、中、中、大」。



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茶事 初座 迎付から席入迄の時間

初座 亭主迎え付

亭主は蹲踞に水を足してから、客の迎え付に向かう。

亭主と客が無言で出会った後、亭主は躙り口に戻る。

その後正客は、手を洗い口をすすぐ為に蹲踞に向かうが、亭主が茶室に戻った後どの位の時間を待つべきかに心を配る必要がある。

亭主の背中を追っかける様にしてはならない。

時間を置く事。
亭主は、茶室に戻った後、部屋の最終見分をするので、その位の間合いを取る必要がある。

以前は、下腹雪隠(実際に使う便所)が腰掛の近くにある場合は、迎え付の後小便を済ます人もあったらしい。

何しろ、早く行きすぎない様にしなけらばならない。
二人が小用に立てば、最低5分以上掛る訳だから、その位の時間を待って、正客は蹲踞に向かわなければならない。

茶事の経験が少ない人程、早く蹲踞に向かう様に思える。
心する必要がある。



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茶事 初座 亭主迎付 客の動き

初座 席入の前

客が腰掛まで進み、待っていると、亭主からの迎付がある。

亭主は、蹲踞に水を足し、中門(又は中潜など)に進んで客を迎えるので、
客は、自分がいつ中門に進むか、その頃合いに留意する必要がある。

亭主が中門に到った時に、客が早々と進んで、亭主を今か今かと待っている状態は宜しくない。

亭主と客がほぼ同時に中門に進む(到る)位がよい。

亭主が小間を座掃で掃き出している音が聞こえたら、客は中門に進む心構えをする。

亭主が蹲踞の水を張り足す音が聞こえたら(見えたら)、中門に進む用意をする。

亭主が中門に進み始めたら、それに合わせて、亭主が中門に到る頃、正客も中門そばの大きな飛び石に到る様に足を運ぶ。

亭主・客共にかがんで黙礼する。

黙礼が終われば、亭主・客共に立ち上がり、客は亭主が躙り口に戻る頃まで見送って、腰掛に戻る。

何しろ、亭主が中門に着いた時、それよりずっと早く客は待っていましたとならない様に留意する。




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2015年8月14日金曜日

雀瓦 照明

茶室の照明には、蝋燭(ろうそく)と灯芯(とうしん)による二種類がある。

小間で使われる灯芯による照明では、

竹檠がよく用いられる。



竹筒の上に、油次を載せ、灯芯に火を点ける。
灯芯を灯す部分を炉の方に向ける。

小間では、普通灯芯を5本使うが、明るさにより見計らって増減させる。

油は、江戸時代は種油(菜種油)を使ったらしい。
火持ちの良いのは種油らしいが、煙の量が少ないのは、サラダ油らしい。
私は、簡単に手に入るサラダ油を使っている。

サラダ油でも、中立に一度油を注ぎ足せば十分で、注ぎ足さなくても何とかなる。

油次(いわゆる雀瓦)のベロの方に火を点ける。

新しい灯心を取り付けた時には、ベロの方の火を点ける方の灯芯には、油を十分浸み込ませておく。
油が浸み込んでいないと、芯がパラパラと燃え尽きてしまう。

すぼまった口の方に灯芯を集め、形よく立てておく。
これが雀の尾を立てた様に見える所から、雀瓦と言うらしい。

新しい灯心を扱う場合、灯心が乾燥し過ぎて扱いにくい時には、曲げたり・矯正したりしたい部分に息を吹きかけてやると、少し湿気を帯びて扱いやすくなる。

間違えて、すぼまった口の方に火を点けると、火持ちが悪いそうで、火がすぐ消えるらしい。

露地行灯に用いる、雀瓦に似た「するめ瓦」と称する油次もあるらしい。
それは江戸末期からの物で、初めは「すずめ」を崩した文字が「するめ」と読まれて「するめ瓦」と言われる油次が作られる様になったとの説もある。
現在のするめ瓦は、雀瓦より少し平たく、すぼまった口が少し広く作られている事が多いらしい。

何しろ、露地行灯であれ何であれ、普通の雀瓦を使って宜しい。

竹檠には、火を掻き立てる楊枝を添える。黒文字で良い。

黒文字は、
初座では、竹檠の下板の上に横にして置き、
後座では雀瓦の蓋を取り外し、蓋のあった所に黒文字を横一文字に置いておく。



下記も参照
2014年10月29日 「茶事 灯り 小間・竹檠 広間・短檠


2016-12-25 修正


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2015年7月22日水曜日

板床

板床

床の間には、畳を敷き込んだ「本床」と板を張った「板床」がある。

板床には、
框(かまち)が入って一段高くなったものと
座敷の畳と同じ高さの踏込床(ふみこみどこ)がある。

地板には、松、ケヤキ、カエデ、桜などが用いられる。

板床では、六代 覚々斎好みの原叟床が有名。
畳一畳分の床板の内側に床柱を立てた、踏込床。


板床は、茶事では客の入室前に濡れ雑巾でふき、水けを含ませておく。




2016-12-25 図を追加
2019-1-10 用語が間違っていたので修正(蹴込床→踏込床)


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2015年7月13日月曜日

絞り茶巾 風炉 炉

絞り茶巾

絞り茶巾は式正の点前では行わない。
薄茶点前のもの。濃茶では行わない。

茶巾は、きちんと畳む前の、絞った状態のままにしておく。
水はまだ絞り切れていない。

茶碗に仕込んでいる時でも、釜の蓋の上に置く時でも、茶巾の端の耳にしている方を左側にして横向きに置く。
茶巾を茶碗に仕込む時は、茶杓と茶筅はいつもの通り。


風炉  盛夏の折りの茶巾の扱い。

茶巾を釜の蓋の上に横向きに置く。
お湯を茶碗に入れる。
茶筅通し。
茶碗を温め、お湯を建水に捨てる。
茶碗は拭かずに膝前に置く。
茶巾を絞り、畳んで、置いている茶碗の底に入れる。
茶碗を取り上げ、茶巾で拭く。

炉  極寒の折りの茶巾の扱い。

茶巾を釜の蓋の上に置く。
お湯を茶碗に入れる。
茶筅通しの初め、茶筅を茶碗に落としたら、そこで中止。
茶巾を絞り、畳んで、その茶巾は釜の蓋の上に戻す。
茶筅通しの続きをする。
茶碗を温め、お湯を建水に捨てる。
茶巾を取って、いつもの様に茶碗を拭く。

風炉では、茶碗を冷やす心持を表わす。

炉では、茶碗を温めておく心持を表わす。

茶巾を絞り直す時、茶巾は通常一度左右に引き伸ばし、再び四つに折って絞り直すが、
茶巾を広げずに、絞った状態のまま直ぐに建水の上で絞る仕方もある。




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2015年6月26日金曜日

薄茶をすくう ガケ 茶器

薄茶

棗などの茶器に入った薄茶を茶杓ですくう時、

手前ではなく、向こう側に横から茶杓を入れて、お茶をすくって行く。

最初の一杓、二杓の時は、崖(がけ)を作る事は出来ないが、
三杓目ないし四杓目からは、茶杓の腹でお茶を落として、崖を作って、
下に落としたお茶を茶杓ですくう。

お茶の崖は奇麗に作る。凸凹にならない様に奇麗な崖にする。

しかしながら、
お茶の崖は早く切り(落とし)過ぎない様にする。

落としたお茶が少なくなってから、崖を切ってお茶を落とす。





下記も参照

2015年5月2日 「濃茶 濃さ 元伯宗旦
2015年5月9日 「茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる
2015年5月9日 「薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量
2015年5月9日 「濃茶の点て方 濃さ


2016-09-21 修正


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拝見物を水屋に下げる 茶事

茶事で、

濃茶ないし薄茶が終わり、拝見の道具を水屋に下げて茶事が終わる事になるが、

稽古であれば、拝見物(茶入、茶杓、仕服など)を膝前に並べて挨拶をする。

しかし、
茶事では、茶道口外で拝見物を膝前に並べて客に挨拶することはない。

拝見物は水屋に持って帰り、再度茶道口外に戻ってから、客に挨拶する。
又は、客から見えない壁際などに置いて、膝前には何も置かずに挨拶をする。

下記も参照
2019年11月1日「点前 稽古 終りのお辞儀


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水指 濡らす

土もの水指

運びで使う時、十分に濡らして運び出す。
共蓋であれば、蓋も水で濡らして十分水を含ませる。

棚に飾る場合は、
水指は、土ものであろうと何であろうと水屋で完全に拭き切って飾る。
よって、
共蓋であっても、建水の上で蓋の水を切る必要はない。

釉薬のかかった青磁や染付の様な水指は、表千家では殆ど運びに使わないが、
そのような水指を運びに使う場合は、水屋で水をかけて軽く露を押える程度にする。

共蓋であれば、同様に水をかけて露を押えて運び出すので、建水の上で蓋の水を切るかどうかは、その時と場合に応じる。




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2015年6月16日火曜日

器の持ち方

菓子器その他の器を両手で持つ時、

(角盆、丸盆、喰籠その他)

前後の手前側(または向こう側)でなく、
真ん中(前後の中央)を持つ。

親指は、器の上に出ない。器の上端より下にある。

特に木を削り出して薄作りに作ってある器は、片手で持たない様に注意する。
割れる恐れがある。



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2015年6月6日土曜日

自然な「手」の位置

茶室で、

立っている時、また立って歩いている時、

道具を持っていない時の「両手」、又は
片手に道具を持っているが、持っていない方の「手」は、

自然に下げた状態で、体の側面ではなく、少し太ももの前よりに近づけて置く。
体の真横には置かない。

 座っている時の「手」は、
亭主は、太ももの上に、体に近づけて置く。
掌(手の平)が太ももに着く。

客は、両太ももの上、体の中心に手を軽く組んで置く。
掌は下を向いても、体の方を向いても、どちらでも良いとは思う。
見苦しくなく、自然に、手を組んで置けば良いと思う。

なお、
立ってお辞儀をする時は、そのまま自然に手を下げた状態で、腰を曲げる。

両手を体の前(お腹のあたり)に組んで置いて、お辞儀をする事はない。
それは日本式のお辞儀にはない。
両肘が左右に広がって非常に見栄えが悪い。



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2015年6月5日金曜日

桑小卓 風炉 平建水

風炉の時期、桑の小卓を使うことがある。

何となく涼しげに見えるので、6月7月に用いられることが多い。

桑小卓は、
裏千家初代 仙叟宗室の好みと伝えるが、
誰の好みでもない香炉卓であったとも伝える。
表千家七代 如心斎がお茶の棚として好んだ。

小卓には、
桐木地 ・・ 十代 吸江斎好み
青漆爪紅 ・・ 十二代 惺斎好み
春慶塗 ・・ 十二代 惺斎好み
柳木地 ・・ 余り知られていないが、十二代 惺斎好み

平建水とサザエの蓋置を使うことも多い。
平建水・サザエの蓋置を使わなければならない決まりはない。

普通の建水で構わない。

平建水について、

唐金の平建水は、七代 如心斎好み。

楽十二代弘入作黄釉の平建水は、十二代 惺斎好み。
青漆爪紅小卓の為に同じく好んである。




桑は、工芸用木材としては最高級品だそうだ。黄色がかった木目が美しい堅い材質で、江戸時代には老人用の高級杖としても使われた。

普通品の桑小卓に使われている木材は、キハダ(黄檗)である。
桑に似せた色を付けて使われている。残念ながら我が家の桑小卓もキハダ製である。キハダは桑に比べると大変柔らかい材質である。
キハダは、女桑(メクワ)と呼ばれて本桑(山桑、地桑、男桑)と区別されている。

参照
2016年6月2日 「桑小卓 柄杓・蓋置 建水・蓋置」 
2021年5月2日「七種蓋置



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2015年5月27日水曜日

竹蓋置

竹蓋置

引切(ひききり)とも言う。

青竹の蓋置は、茶事の濃茶に使う。薄茶では別の蓋置に替える。
青竹の蓋置には、1年目の竹を使う。

白竹の蓋置には、2~3年以上経った竹を冬に切って、油抜きして使う。

炉用、風炉用、炉風炉兼用(節なし)がある。

特殊な物で、表千家九代 了々斎好みの、
「根竹、三ツ節、炉風炉兼用」の蓋置がある。

小間で使う蓋置は、竹だけ。

広間では、水指運びの時に竹の蓋置を使う。

竹蓋置は、棚の上に飾り残す事はない。
柄杓、蓋置共に持ち帰る。

抱清棚では、柄杓を竹釘にかけ、その柄杓の柄の下の畳の上に蓋置を飾り残す。
この時の蓋置は竹を使う。

2016年3月5日 「抱清棚」 を参照。

広間の風炉で、
運びの水指ではなく、置き水指ではあるが、台子・長板二つ飾りの場合、竹の蓋置を使う。
蓋置は、台子・長板の左端手前の畳の上に置き、柄杓を引く。
柄杓・蓋置は、飾り残さず、水屋に持ち帰る。
台子で二つ飾りをする事は少なく、薄茶点前に限って長板でする事が多い。

2016年5月11日 「風炉 大棚、長板」 を参照。


竹蓋置
利休好みは、炉・風炉共に、高さ 1寸8分(約5.5cm)。

根に近い方から炉用、その次の節から風炉用を取る。
竹の厚さが同じ位になる。
逆竹にして作る(根の方が上になる)。

直径は、炉用1寸8分位(約5.5cm)。
風炉用1寸6分位(約4.8cm)。

炉蓋置の節は、上下の中央より上にある。
風炉蓋置の節は、上端にある。

下記も参照

2015年2月17日 「黒文字 青竹 保存方法
2015年2月17日 「青竹の蓋置、灰吹き 茶事
2021年6月19日 「竹の蓋置


2016-08-28 修正



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2015年5月15日金曜日

唐金 砂張 モール 銅の合金

銅の合金には色々ある。

唐金(からかね)

金皆具、風炉、古銅花入など。
地金の色 桃色がかる。

銅 8割以上
亜鉛 2割以下
鉛、錫等も少量含む。

鋳物が中心。

モール (真鍮)(しんちゅう)

惺斎好モール建水など。
地金の色 黄味がかる。

銅 7割以下
亜鉛 3割以上

打物、細工物が中心。

砂張(さはり)

建水などに多い。
地金の色 白っぽい。

銅 7割位
錫 3割位

鋳物が中心。

唐金にしろ、モール・砂張にしろ、道具の表面には色付けするので、仕上り色は様々になる。

広間の喚鐘 ・・ 唐金
小間の銅鑼 ・・ 砂張 (砂張としては例外的に打物)

利休形 水次薬缶(腰黒薬缶) ・・ (素)銅

水次薬缶の内側を亜鉛引きにして、緑青が生じない様にしてある。
利休が浄益に注文した水次薬缶の口には蓋が付いていた。
表千家九代 了々斎が、口の蓋と鎖を取り外した。家元に了々斎が由来を記した箱書がある。



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2015年5月9日土曜日

濃茶の点て方 濃さ

濃茶を点てる

濃茶は、ねらない。
茶筅は振って点てる。

古い書物には、「ねる」とは出ていない。
「振る」と出ている。

振って点てると、味が良くなる。

私は現在は、一人前、濃茶3.0~3.6g、お湯40cc~50cc前後が丁度良い位の濃さになると思っている。

「ねる」と表現出来る濃さでは、お湯が足りないと思う。
サラッと濃茶を点てたい。 

茶筅の握り方は、薄茶の場合と同じ。
(「薄茶を点てる。茶筅の使い方」を参照)

濃茶は、2度に分けてお湯を注ぐが、
最初のお湯を入れたら、よくお茶とお湯を馴染ませる。
よくお茶をお湯に溶かす。
茶筅は少しゆっくり目に振る。
横に動かしたり、丸く回したりする。

2度目のお湯では、矢張りお茶をお湯に溶かすが、
同時に茶筅に付いた濃茶を洗う事も行う。
茶筅を洗う時には、少し早めに茶筅を振る。横に振る。

濃茶の濃さは、
飲み終わった後、お湯を入れて建水に捨てたら流れてしまう位の濃さ。

お茶を当てる茶カフキで、茶碗を一度しかゆすがないのを見ても分かる。
茶碗に濃茶がべったり付いて一度ゆすいだ位では取れないのでは、茶カフキは出来ない。

この場合の、「お茶をお湯に溶かす」 は、塩をお湯に溶かす様に物理的に溶かすのではなく、
お茶がお湯の中でダマにならない様に均一にすると言う事。


下記も参照

2015年5月2日 「濃茶 濃さ 元伯宗旦
2015年5月9日 「茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる
2015年5月9日 「薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量
2015年6月26日 「薄茶をすくう ガケ 茶器

2021-1-17 修正(お茶の量を修正)
2021-1-31 お茶ちゃとお湯の量を修正


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薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量

薄茶

茶碗に茶杓 1杓半の薄茶をはき、適量のお湯を注ぎ、茶筅を振ってお茶を点てる。

現在の私は、薄茶1.4~1.8g、お湯40cc~50cc前後だろうと感じている。

茶筅は軽く振る。
泡は自然と立つ位。

茶碗の形・釉薬の掛り具合で泡の立ち方は変わるが、お茶の上に泡が盛り上がらない様に、サラッと点てる。

時間を掛けない事。つまり茶筅を長い時間振らない事。お茶の香りが飛んでしまう。

抹茶は、お湯に溶ける事はない。どんなに長時間茶筅を振っても、抹茶はお湯の中に浮遊しているだけ。

時間をかけ過ぎると、苦み成分・渋み成分が多くなり、香りも飛んで、お茶が不味くなる。

さて、
現代は、冷蔵技術が発達しているので、昔の様な事はしないだろうが、

昔は、抹茶は、5月初~中旬頃(八十八夜前後)に摘まれ、半年後の炉の時期から飲み始められた。
そして1年後の風炉の終わり迄、飲み続けられた。
その年摘まれたお茶は、半年後から1年間飲まれる事になる。

だから、現在の様に冷蔵技術が発展していなかった頃には、お茶を如何に涼しい場所で保存するかに頭を悩ましていた訳だ。

しかし、どんなに涼しい場所に保存しても、風炉の終り頃には、抹茶は暑い夏を2度経験するのだから、現代と比較できない程に品質は劣化してしまう。

それで、風炉の名残のお茶と言えば、現代の茶人は経験した事のない様な古いお茶となる為、如何にしてそれを美味しく飲むかが工夫のいる所だった。

逆に言えば、炉開きのお茶(今年の新茶)が如何に美味しいお茶だと思われたかは想像に難くない。

風炉の名残のお茶を不味く飲まない工夫として、昔の人は、
1.お茶を少なめに入れる
2.お湯を多目に入れる
3.長い時間かき混ぜて、お茶の臭みを飛ばす
等を行って、出来るだけ不味くないお茶を飲むようにした。

現代人は想像も出来ない事だ。

それも知らずに、「少ないお茶・多いお湯・長く茶筅を使う」を実行している現代人達も多い。

ちなみに、お茶の保存は冷蔵庫で保存します。冷凍庫では保存しない様に。


下記も参照

2015年5月2日 「濃茶 濃さ 元伯宗旦
2015年5月9日 「茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる
2015年5月9日 「濃茶の点て方 濃さ
2015年6月26日 「薄茶をすくう ガケ 茶器
2016年9月19日 「茶壺 口切り

2021-1-17 修正(お茶の量を修正)
2021-1-31 お茶の量を修正

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茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる

薄茶を点てる時の茶筅の使い方。

茶筅は、茶碗に傾けて入れる。
茶筅は、茶碗に垂直に入れるのではない。

茶筅は、横方向から握る。
縦方向から握るのではない。

肘で茶筅を振る気持ちで、茶筅を使う。
手首を使って茶筅を振らない。手首のスナップを効かせて茶筅を振らない。

きちんと茶筅を握ると、手首を使っては茶筅は振れない。

長い時間茶筅を振らない。
アッサリと点てる。サラッと点てる。
薄茶の上に泡が盛り上がらない様にする。

時間を長くかけて茶筅を振ると、お茶の香りが飛んでしまう。

濃茶を点てる時も茶筅の握り方は同じ。






下記も参照

2015年5月2日 「濃茶 濃さ 元伯宗旦
2015年5月9日 「薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量
2015年5月9日 「濃茶の点て方 濃さ
2015年6月26日 「薄茶をすくう ガケ 茶器



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2015年5月2日土曜日

濃茶 濃さ 元伯宗旦

「同門」平成27年4月号に熊倉功夫先生が書かれている「千宗旦(14)」の中に、表千家三代 元伯宗旦の濃茶の話が出ていたので、ここに転載する。

元伯の考えの様に、私も点てている。
私の意見は、このブログの2015年5月9日「濃茶の点て方 濃さ」を参照の事。

熊倉功夫先生の記事を下に引用。

-- ここから --

さて宗旦の点前で今と大きく違うのは濃茶の練り方です。
(表千家四代)江岑の「逢源斎書」に次のようにあります。

一、こい茶のふく(服)の事。
利(休)時分には今時のふく也。
織部時(分には)、こくねぢきるやうに立候。今のふく、薄きと申候。
(宗)旦は一代、利(休)時のことく立被成候(立て成され候)。
こくはやり候時も(濃く点てるのがはやっていた時も)、薄く御座候。

現代でも濃茶の濃いのがお好きな方と、薄いのがお好きな方があります。

 -- 一部省略 --

利休はゆるく濃茶を練ったのですが、その弟子の古田織部は濃いのが好きで、「捻じ切るように」というのですから、茶筅にお茶がまといつくのをこすりつけるように練ったのでしょう。

 -- 一部省略 --

しかし宗旦はずっと終生、利休風の薄い濃茶を好んで、世間で濃いのがはやっても変えなかった、といいます。

江岑は別のところで、濃茶を練る時、茶碗に左手を添えてはいけない。右手で茶筅を振るだけで練りなさい、と教えています。
「宗旦は手を茶碗に添えなかった。天目台の時は添えた」と記しています。

薄茶は泡がたつほど茶筅を振りますから、左手を添えて両手で点てないわけにはまいりません。
しかし濃茶は練るという通り、静かに茶筅を振りますので、ゆるければ十分練ることができるというわけです。

-- ここ迄 --

( )内は、私の補足です。


下記も参照

2015年5月9日 「茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる
2015年5月9日 「薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量
2015年5月9日 「濃茶の点て方 濃さ
2015年6月26日 「薄茶をすくう ガケ 茶器



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2015年4月25日土曜日

小間 茶道口 立って入る時

小間の茶道口は、小さく作ってある。

高さも低く出来ている。

立ったまま出入りするには、背を屈める必要がある。

その為には、
頭を下げて(前に倒して)、出入りする事。

膝を曲げて、背を低くしない。

表千家家元の小間の席の茶道口等の高さは、下記寸法。

不審菴 茶道口 5尺8分 (約154cm)
      躙り口 2尺2寸6分 (約68cm)

祖堂  茶道口 5尺2寸7分 (約160cm)
     躙り口 2尺3寸 (約70cm)

反古張席 茶道口 5尺1寸3分 (約155cm)
       貴人口 3尺5寸3分 (約107cm)




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2015年4月20日月曜日

下座床 濃茶 客 茶碗と出し帛紗

下座床で、濃茶を頂く時、出帛紗を茶碗のどちら側に添えるか。

普段は上座床で稽古をしているので、下座床で濃茶が出てくると戸惑ってしまう。
千家流では、床に近い位置に正客が座るので、上座床・下座床によって、正客と次客の位置関係が逆になるからである。

上座床では、正客の左手側に次客が座る。
下座床では、正客の右手側に次客が座る。

出帛紗の上に茶碗を載せたまま次客に茶碗を手渡す男子には関係ないが、
茶碗の横に出帛紗を添えて次客に送る女子の場合、茶碗のどちら側に出帛紗を添えるか迷う所である。

女子の客が濃茶を頂く場合、(男子でも、次客が女子の場合)

確認の意味で、上座床の場合、
茶碗の左側に(下座側に)出帛紗を添えて次客へ送る。
膝前で、茶碗の飲み口を拭く場合も、茶碗の左側に出帛紗を置く。
拝見後に、出会いで末客が正客に茶碗を返す場合も同じ。

折っている出帛紗は、手前と右側に折り目がある。

飲み回した茶碗を正客が亭主に返す時だけは、
亭主から見て、茶碗の右側に(下座側に)出帛紗を置く。
出帛紗の折り目に変更はなく、亭主から見て、手前と右側にある。

さて、下座床の場合には、
飲み回した茶碗を亭主に返す時と、次客に茶碗を送る場合には、
茶碗の右側に(下座側に)出帛紗を置く。
亭主から見て右側に、次客から見て右側に出帛紗を置く。

茶碗を亭主に返す時は、上座床の場合と同じにすれば良い。亭主から見て茶碗の右側に出帛紗を置く。
出帛紗の折り目にも変更はなく、亭主から見て、手前と右側にある。

次客に茶碗を送る時には、茶碗の右側に(次客側に、下座側に)出帛紗を置く。
出帛紗の折り目にも変更はなく、手前と右側にある。

他の場合には、上座床と同じで、左側に出帛紗を置く。

出帛紗の折り目は、上座床の場合と同じで、手前と右側にある。

但し、最初に正客が次客以下に対して、「お先に」の一礼をする時、
茶碗の次客側(下座側、右側)に出帛紗を置いてもよい。

又は、
茶碗の左側に出帛紗を置いて「お先に」の一礼をしてもよい。

濃茶を飲んだ後、飲み口を拭く時などでも、茶碗の右側に(下座側に)置いてもよい。


平成29-4-9 修正
平成30-1-10 修正


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2015年4月12日日曜日

牙蓋 「す」 茶入の蓋

茶入の蓋は、象牙で出来ている。「牙蓋」(げぶた)と言う。

象牙は、上顎の前歯が発達した物である。犬歯が発達した物ではない。

牙蓋には、「す」(細い窪みの線)が入っている物がある。
「虫くい」とも言う。

茶杓を置く側の反対側に「す」が来る様に、茶入に蓋をする。
茶杓は釜付きに乗せるので、釜付きではない方に、牙蓋の「す」はある。

本勝手であれば、
炉では、牙蓋の左側に「す」があり、
風炉では、牙蓋の右側に「す」が来る。

傷の様に見えるが、これは象牙の「髄」だそうだ。
人間の歯で言えば、血管や神経が通っている所になる。
1本の象牙の先1/3位の部分から髄は細くなって、先の部分は髄はないらしい。

この細い髄を「す」として牙蓋に取り入れてある。
大変貴重な物である。

人工的に細工して「す」を作ってある物もあるので、要注意。
安物買いの銭失いにならない様に。

ちなみに、輪切りにすると、象牙には年輪の様な模様が付いている。
髄を中心として、目の細かい年輪模様が付き、外に行けば段々粗い年輪模様になっている。

昔の物であれば、インド象の象牙であるが、今は輸入禁止になっている。
少量だが今輸入されている象牙は、アフリカ象の物である。

象牙の蓋にも、「本象牙」「人工象牙」「プラスチック」の3種類ある。

「本象牙」には、
細かい筋になった模様が付いている。
高級な物は極く細かい筋模様、安物は粗い筋模様。切り取った部所による。
輪切りにすれば年輪模様だが、「す」入り牙蓋は輪切りには取らないので、年輪模様にはならない。

「人工象牙」にも、
細かい筋の模様が付いている。
但し、模様が規則的になっている。
本象牙であれば、人間の指紋の様に規則的ではない。

「プラスチック」は、見るからにプラスチック。


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2015年4月7日火曜日

正客の席 表千家 上座床・下座床

千家流では、
茶席に於いて、正客が座る席は、「床」の近くである。

畳の敷き方、茶道口、客が入る口が同じ位置にあっても、床の場所が変れば、正客の座る席は変る。

広間であれば、
床の前の畳(貴人畳)を遠慮した上で、床に近い所に座る。

座った直ぐ前に貴人畳があって、自席への出入りに貴人畳を通らなければならない場合は、その半畳は避けて、次の半畳から座る。

残月亭(写でも)では、残月床の前の二畳は遠慮して座らない。次の畳から座る。

亭主から勧められた場合は、その限りではなく、勧められた場所に座る。
但し、勧められる迄は、人数が多くても、遠慮しておく。

小間では、
貴人畳は無いので、床の近くに座る。

小間の床が「壁床」の場合、
初座の「掛物を掛けてある壁」と後座の「花を掛けてある壁」が異なる場合がある。
掛物又は花を掛けてある壁が床であるので、初座と後座で正客の席が替わる事になる。

千家流に茶室を作ってあれば、
小間であっても、正客が床を背にして座る事はない。
床を横にして座る事が多い。

上座床であれば、
次客は、正客の左手の位置に座る。

下座床であれば、
次客は、正客の右手の位置に座る。

流派によっては、茶道口から離れた席が正客の席と決っている場合もある。
その場合は、上座床・下座床にかかわらず、正客の席は決っている。




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2015年4月1日水曜日

菓子と黒文字 茶事

茶事の懐石の最後には、菓子(重菓子)が出される。

茶事では、縁高に菓子を入れて、人数分の黒文字を付ける事が多い。

一例を上げれば、

客五人に三段の縁高に菓子を入れる場合、
下の段に、正客の菓子一個、
中の段と上の段に、各々菓子二個を入れて、
蓋の上に人数分(五本)の黒文字を付ける。




正客に縁高(菓子)が出されたら、

正客は、上2段を少しずらして下段に黒文字1本を落し入れ、上2段を次客に送る。
次客は、次客・三客用に黒文字2本を中段に落し入れ、上段を四客に送る。
四客は、蓋を取り、四客・詰用に黒文字2本を落し入れ、黒文字1本で菓子を懐紙に取り込み、黒文字は懐紙に預ける。

客全員懐紙に菓子を取った所で、正客は「ご一緒に頂きましょう」等の挨拶をして、菓子を全員で頂く。次客以下は、「お相伴します」。
黒文字を使って菓子を頂く。
但し、饅頭は黒文字を使わず、手で割って頂く。

菓子を頂いた後、黒文字を懐紙に包み、縁高に入れ、正客から次客へ送る。
次客は、黒文字を入れ三客へ送る。
三客は、正客の段の上に中段を載せ、黒文字を入れて四客に送る。
四客も同じ様にして、詰に送る。
詰は、蓋をした上段を上に載せて、縁外に預かる。

縁高は、中立で退席する時に、茶道口前に返す事になる。

縁高にも前後がある。綴じ目が後ろになる。

又は、
菓子と黒文字を懐紙に取った後、菓子を頂く前に、縁高を詰に送ってもよい。
その場合は、菓子を頂いた後に黒文字だけを詰に送る事になる。
この方法が、昔風と言える。

昔は、
黒文字は、茶事毎に亭主が削って出していたので、客はその亭主の心を汲んで、黒文字は頂戴して帰ったもの。

現代では、黒文字は購入する物で、複数の茶事に使い廻す物になっており、
又、特に生木で出来た黒文字は、注文してもスグに手に入らない場合もあるので、
黒文字を客が持って帰ると、亭主は次の茶事に黒文字が足りなくなる場合も出てくる。

客は、その点も考慮して、黒文字は器と共に返すべきである。


下記も参照
2015年2月6日 「お茶と菓子
2014年10月21日 「稽古 煙草盆と菓子器の運びだし お辞儀
2014年10月13日 「菓子器と蓋 扱い
2014年10月13日 「菓子を頂く時の懐紙の使い方

黒文字を懐紙に包むやり方の一例


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2015年3月14日土曜日

お辞儀 一礼

茶事とは言わず、濃茶・薄茶を頂く時でも、お辞儀(一礼)する事がよくある。

客も亭主もよくお辞儀をしている。

一度、何の為に、誰に対してお辞儀をしているのか、考えてみるのも悪くない。

例えば、
客が濃茶を飲み回した後、亭主に茶碗が返って、亭主の膝前に取り込まれた時、一礼する。

これは、
客から、「美味しい濃茶を頂戴して、有難うございました」と、亭主に向かって一礼し、
亭主はそれを受けて、「飲んで頂いて、有難うございました」と、返礼している。

それを理解していると、この場合、客より先に亭主が礼をする事は考えられない。

亭主と客が揃って同時に一礼(総礼)する事はない。
誰か(甲)が、誰か(乙)に向かって一礼し、それに対して、乙が甲に礼を返している。

「ハイ、ここで総礼」と先生から言われて、お辞儀ばかりしていたのでは、起き上がりこぼしと同じだ。

お茶を知らない人から、「どうしてか知らないが、お茶では黙ってお辞儀ばかりしている」と言われる所以である。

出来れば、何の為にお辞儀をしているのか、口に出してお辞儀をした方が良い。

良く考えるべきだろう。

但し、稽古の始まりと終わりには、稽古の亭主と客が一緒に礼をする。
これは稽古だからしている事である。


下記も参照されたい。
2016年06月27日 「稽古 お辞儀 総礼 茶事
2014年10月21日 「稽古 煙草盆と菓子器の運び出し お辞儀


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2015年3月9日月曜日

煙草盆 火入 炭

煙草盆の火入に用いる炭は、

火入の寸法によるだろうが、普通の火入であれば、
風炉の丸ギッチョを半分に切って使えば宜しい。
炭は細いより、ある程度太い方が見栄えがよい。

火入に炭を入れる前に、火入を十分温めて、灰の湿気を取る事。
温め過ぎる事はない。

事前に十分におきた炭を火入に入れて、灰を乾かす。
毎日使っている火入であれば、それ程する必要がないかも知れないが、月に1~2回しか使わない様な火入の灰であれば、火入が炭の熱で熱くなって触れない位迄温めた方が良い。

火入に炭を入れる前に、灰を下から上まで火箸でよくかき混ぜ、温めた後にも、更によく灰をかき混ぜて、灰に十分に空気を含ませてから、用意の火を点けた炭を入れる。

炭は、下から火を点けた方が良い。
火入に炭を入れて、灰を押さえた後、炭の表面は未だ黒いが、下の方から赤い火が見えているのが、美しい。

炭を切るノコギリの目は、出来るだけ細い物が良い。

私は、ステンレスの薄板を切るノコギリの刃を使っている。
普通のホームセンター等で売っている、幅1cm長さ26cm位の一般的な安い物で十分役目を果す。

今は刻み煙草を吸う人は殆どいないし、刻み煙草も一種類しか売っていないので、比較のしようもないが、
江戸時代には、高級な煙草もあれば、安物の煙草もあった。
安物の煙草は、火にキセルを押し付ける位にしないと、火が点かなかったが、
高級な煙草は、火の傍にキセルを近づけて吸ってやる位で、火が点いたらしい。
煙草が火を呼ぶと言ったそうだ。


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2015年3月3日火曜日

炭の寸法

表千家  炭の寸法

長さはキチンと決まっているが、
木口(太さ)は、厳密には決まっていない。

櫟(クヌギ)の炭


胴炭  5寸(15.2cm) 木口  2寸4分〜5分(7.3〜7.6cm)
管炭  5寸(15.2cm) 木口  9分位(2.7cm位)
割管  5寸(15.2cm) 木口  1寸1分位(3.3cm位)
丸ギッチョ  2寸5分(7.6cm) 木口  1寸5分〜6分(4.5〜4.8cm)
割ギッチョ  2寸5分(7.6cm) 木口  2寸1分位(6.4cm位)
点炭  2寸5分(7.6cm) 木口  9分位(2.7cm位)
枝炭  6寸(18.2cm)
輪胴  2寸(6.1cm) 木口  3寸(9.1cm)

風炉
胴炭  4寸(12.1cm) 木口  1寸4分〜5分(4.2〜4.5cm)
管炭  4寸(12.1cm) 木口  8分位(2.4cm位)
割管  4寸(12.1cm) 木口  9分位(2.7cm位)
丸ギッチョ  2寸(6.1cm) 木口  1寸2分〜3分(3.6〜3.9cm)
割ギッチョ  2寸(6.1cm) 木口  1寸6分位(4.8cm位)
点炭  2寸(6.1cm) 木口  7分位(2.1cm位)
枝炭  5寸(15.2cm)



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2015年2月17日火曜日

茶事の杖

茶事の時、老齢になると腰掛に杖を出される事がある。

杖は、80歳から使う。

杖は、持っているだけで、杖にたよって歩くものではない。

杖には、利休形がある。


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青竹の蓋置、灰吹き 茶事

茶事の時、

青竹の蓋置は、濃茶のみに使う。
薄茶の時は、別の蓋置に替える。

青竹の灰吹きは、全部の煙草盆に使うのではなく、1本位にしておく。

下記も参照

2015年2月17日 「黒文字 青竹 保存方法
2015年5月27日 「竹蓋置
2021年6月19日 「竹の蓋置


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黒文字 青竹 保存方法

黒文字(生木の物で、皮と身の間が青々している物)、
青竹(両細箸、花入、蓋置、灰吹き等)を保存するには、

濡らして、ラップに包んで、冷凍庫に入れて保存する。
2ヶ月以上保つ。

使い終わったら、紫外線に当てないようにして、直ぐに冷凍庫に入れて保存する。

本当は、雪の中に突っ込んでおくのが一番良いそうである。

下記も参照

2015年2月17日 「青竹の蓋置、灰吹き 茶事
2015年5月27日 「竹蓋置



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懐石の箸など小物 寸法

膳の箸   杉 両細  8寸5分

焼物       青竹 両細  8寸5分
八寸       青竹 両細  8寸5分

炊合せ   白竹 両細  8寸5分
強肴       白竹 両細  8寸5分
ナマス   白竹 両細  8寸5分

酒盗       杉 矢筈      6寸

黒文字                      6寸

灰吹き(普通)      4寸5分
灰吹き(短い)      4寸

塵箸  青竹(白竹)1尺2寸

扇子(男女共)      6寸5分


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2015年2月12日木曜日

逆勝手 客 お茶の飲み方

逆勝手(亭主の左側に客が居る)の時の濃茶・薄茶の飲み方は、

右手で茶碗を取り、
軽くおし頂いてから、
時計と逆回りに二手で飲み口を回して、飲む。

逆勝手の時の飲み口は、左横にある。(本勝手と逆)

濃茶では、懐紙を使って、飲み口を右手で拭いて、
(薄茶では、右指先で拭いて)

時計回りに正面を戻す。

亭主に茶碗を返す時は、時計回りに回して、正面を亭主の方に向け直して、右手で返す。

茶碗の飲み口は、亭主が茶碗から湯や水を捨てる位置であるから、本勝手と逆勝手では、飲み口は逆になる。

表千家では、逆勝手は、小間に限ってある。
広間での逆勝手はない。


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2015年2月8日日曜日

会記 茶会記

会記とは、茶会(茶事)の道具などを書き記したもの

戦国時代〜安土桃山時代にかけての有名な茶会記には、

天王寺屋会記(堺の豪商 天王寺屋津田宗達・宗及・宗凡三代の自他会記)
松屋会記(奈良の漆問屋 松屋源三郎家松屋久政・久好・久重三代の自他会記)
宗湛日記(博多の豪商 神谷宗湛の自他会記)
今井宗久茶湯書抜(堺の豪商 今井宗久の自他会記)
利休百会記(利休最晩年の自会記)

等がある。

昔は、茶会の記録(他会記)は、客が帰宅後に覚えとして記したもの。
客組、茶室、道具、献立等の手控えなので、記入形式の定めはない。

大正の頃から、茶会記を亭主側で用意して、客に渡すようになった。
初めは、亭主が直接客に渡すのではなく、後刻客の手許に届けた。
その会記も亭主が書かずに、水屋詰めの道具屋等が亭主に代って書いていたので、会記の終りには「換記」等添え書きがしてあった。

第二次大戦の後から客数が非常に多くなったので、一枚の紙に道具組等を書いて、待合等に置いておくようになった。

現在では、会記を印刷して客に渡す迄になった。

現在の会記の書き方は、掛物から始まる。
道具屋は、「掛物」ではなく、「床」と書く事も多い。
途中の順序について、表千家では、「茶入(茶器)、茶碗、茶杓」の順に記すが、他流では、「茶入、茶杓、茶碗」の順に記すところもあるらしい。



2016-12-12 修正


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2015年2月6日金曜日

お茶と菓子

濃茶には、菓子は付かない。
薄茶には、菓子が付く。

茶事では、懐石の終わりに、菓子が出る。
菓子は、懐石(料理)の一部である。
濃茶を飲む為の菓子と言う訳ではない。

懐石の後、中立があり、後座入りの前に蹲踞で口をすすぐので菓子の味は残らない。
その後、席入して濃茶を頂く。
濃茶の味をハッキリ味合う為である。

薄茶には、菓子が付く。
菓子を食べてから、薄茶を頂く。
薄茶の菓子には、淡白な干菓子があう。

尚、茶事の案内で、「お茶」と言えば、濃茶を指す。
薄茶は、「薄茶」と記す。


下記も参照
2015年4月1日 「菓子と黒文字 茶事
2014年10月21日 「稽古 煙草盆と菓子器の運びだし お辞儀
2014年10月13日 「菓子器と蓋 扱い
2014年10月13日 「菓子を頂く時の懐紙の使い方



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2015年2月2日月曜日

濃茶 亭主相伴 一客一亭 茶事

一客一亭は、独客とも言う。

私は独客の茶事をした事がないので詳しい事は分からないが、
独客の場合、亭主は客を寂しくしないように、相手をし、相伴しなければならないそうである。

懐石にしろ濃茶にしろ、亭主は相伴することになる。

濃茶の相伴の一例を下記に記すが、これには決まったやり方がある訳ではなく、亭主の裁量による所が大きい。

炉の濃茶相伴

茶杓を取り、客の濃茶を茶碗に掃いてから、「お相伴します」と断わって、更に一人分の濃茶を掃く。

又は、茶杓を取り上げる時に、「お相伴します」と断わって、二人分の濃茶を茶碗に掃く。

通常通り、濃茶を立て、帛紗を添えて、定所に出す。

客は、それを取り、膝前に帛紗と共に置いて、「お先に頂きます」等の挨拶。

客が一口飲んだ所で、亭主は服加減を尋ねる。

亭主は、中仕舞。

膝を繰って、客付正面に身体を動かす。
(風炉の場合は、客付き斜めに)

客は、一人分を飲み、茶碗と帛紗を亭主に返す。

客の茶碗と帛紗の返し方には、二通りある。

(上座床として説明する)
客から見て、帛紗を茶碗の右側に置く、又は
帛紗を茶碗の左側に置く、の二通り。
二通り共、帛紗の折り目は通常通りで、亭主側と左側になる。

帛紗を茶碗の右側に置く場合は、
亭主がお茶を飲む時は、亭主も客であると見なしている。
客がお茶を飲む時は、帛紗は茶碗の下座側(左側)にある。
よって、亭主がお茶を飲む時も、亭主から見て、帛紗を茶碗の左側になる様に出している。(客から見て右側)

帛紗を茶碗の左側に置く場合は、
通常亭主に茶碗を返す通りに、置いている。いつもの通り。

亭主は、先ず帛紗を懐に入れ、茶碗を膝前に取る。

「お相伴します」等の挨拶の後、通常通り濃茶を頂く。

茶碗の正面は自分側にあるので、普通通りに飲み口を回す。(時計回り)
但し、一手で回す。

飲み終わったら、懐紙で飲み口を拭く。

亭主が飲み口を拭き、その懐紙を右袖に始末している頃、
客は、茶碗と帛紗の拝見を乞う。

亭主は、茶碗の正面を一手で元に戻し、更に二手で正面を客の方に向けて、茶碗を定所に出す。
帛紗を懐から出し、常の通りに茶碗に添える。

亭主が茶碗と帛紗を拝見に出した所で、そこに置いたままで、
客は、お茶銘等を尋ねる。

客は茶碗と帛紗を自席に引き、拝見する。

亭主は、中仕舞を解く。

後は通常通り。

客から返された出し帛紗を、亭主が取る時には、
親指が帛紗の上になる様にして取る。
その親指のまま、親指を身体の外側にして、帛紗を懐に入れる。
懐の中の帛紗の折り目は、下と外になる。

女子は、取った帛紗を左手で一度あしらって、右手の親指が帛紗の下になる様に握り直し、親指を身体の内側にして、帛紗を懐に入れる。
懐の中の帛紗の折り目は、下と外になる。

その帛紗を再び出す時は、
親指が身体の内側になる様にして、帛紗を取り、(取る指の形は通常通り)
右手の親指が、左手のひらに付く様に手を合せて、
左手のひらの上で、親指を上にして右手で帛紗を回してやると、いつもの様に帛紗を出す事が出来る。


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2015年1月30日金曜日

薄茶 亭主相伴 茶事

茶事も終わりに近づき薄茶を頂いていると、ねぎらいの気持ちもあり、亭主にも相伴して頂きたいと思うもの。

下記に薄茶亭主相伴の一例を記す。
特に定まった手順がある訳ではないので、その場の状況に合わせたやり方で良い。

正客は、連客に十分頂いたかどうかを尋ね、十分との返事があったら、
(亭主がお湯で茶碗をゆすいでいる頃、尋ねれば良い)

正客は、亭主に「ご自服頂きたい」等の挨拶をする。

詰(又は正客)は、自席で菓子器の正面を回して逆にし、亭主が茶碗を出すのに邪魔にならない所(茶碗の並びで下座側の位置)に置く。

亭主は、通常通り薄茶を点てて、定所に出す。

正客より再度「ご自服下さい」等と挨拶する。

亭主はそれを受ける。

亭主は、客の方に膝を動かし、身体の向きを変える。
炉では、客付き正面に。
風炉では、客付き斜めに。

亭主は、膝前に茶碗を取り込み、「お相伴します」等の挨拶をする。

女子は、茶碗を出した時のままの位置で、膝前に茶碗を取り込む。

亭主は、菓子器を取って(菓子器が重たければ、出された場所で)、正面を客の方に回し、出された所に返す。
又は、出された所より客付きに少し近づけて置いてもよい。

亭主は、茶碗を取り上げて、おし戴く。

飲み口を回して、お茶を飲む。

茶碗の正面は客側にあるので、飲み口は通常の逆(左横)になっている。
一手で、飲み口を回す。(時計と逆回り)

飲み終わったら、飲み口を拭かないで、

また一手で、飲み口を回す。(時計と逆回り)
茶碗の正面は自分側になる。

亭主は、茶碗を持ったまま、膝を繰って居前に戻り、茶碗を膝前に置く。

女子は、一度膝前に仮置きして、居前に戻り、茶碗を取って、膝前に置く。

お湯を入れて、茶碗をゆすぎ、建水に捨てる。

正客より、「お仕舞い下さい」の挨拶。

後、亭主は通常通り終いにかかる。

亭主の茶筅すすぎが始まれば、詰(又は正客)は菓子器を取りに出る。

菓子器は正客に戻すか、又は詰が預かる。

後は通常通り。


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2015年1月27日火曜日

湯桶 蹲踞 茶事

寒い時期、蹲踞に湯桶を出して頂く事がある。

手付きで、手を横にし、手の手前と向うに蓋が2枚付いている。
綴じ目は手前正面になる。

客が前石に蹲った時に正面がくる様に、斜めに据えてある。
手水鉢の水では冷たかろう、との亭主の心入れである。

使い方、

湯桶の手の向う側に手前の蓋をもたせてかけて、柄杓でお湯を使う。
湯が冷めないように、使った後は、蓋をしておく。

私は湯桶を持っていないので、出した事がないが、
湯桶を出して下さる方に伺うと、
湯桶の温度には、非常に気を使われるそうで、
客を腰掛に案内する直前まで温度をチェックされるそうである。

湯桶には、手間暇が掛かっている。

よって、
湯桶を出して頂いた時には、キチンとお礼を申し上げる必要がある。

客としては、
お湯が出ているから使うではなく、

若い人であれば、使うのを遠慮する。

年配者で、冷たい水で口をすすぐ時に歯がしみる場合に、使わせて頂く位では、どうだろうか?

四代 江岑によると、湯桶は、織部が始めたそうで、利休は、「ぬるし」と言って嫌ったらしい。
三代 元伯も使わなかったらしい。




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2015年1月14日水曜日

茶事 案内状 返書 前礼 礼状

茶事の前後の流れは、次の様になる。

1)亭主は客へ案内状を出す
2)客は速やかに出欠の返事を出す
3)客は前日に前礼をする
4)茶事当日
5)客は出来るだけ早くお礼の手紙を出す

1.亭主は、茶事に招く客組を決めたら案内状を出す。

日にち、席入時刻を明記する。
連客名も記載する。

2.客は、出欠の返書を出す。

出来るだけ早く返事を出す。
日にち、時刻も確認の意味で記入しておいた方が良い。
「○月○日○時必ず参上します」等
封書で案内を頂いたら、封書で返事を出す事。
ハガキで返事では、亭主に失礼である。

3.客は、前礼をする。

前日に、明日参上しますとの確認であるので、大切な事。
初めて訪ねる場合でも、電話で前礼をしても許されると思う。
裏方が多人数でないと、亭主は接客に時間を取られたくないから。
電話でも訪問でも、短時間で終わらせる事。
正客が、連客の意志を確認した上で、全員参上する旨を代表して伝えるのも、亭主に対して親切になる。

4.茶事当日

客は、席入の20〜30分前に先方へ到着する。
早過ぎる客の到着には、亭主は困る。亭主には準備の手順がある。
最も失礼なのは、客の遅刻。遅れそうな時には、適宜亭主に連絡する事。
亭主は、席入時刻に合わせて全てを準備しているので、茶事は時間厳守である。

5.客は、出来るだけ早く礼状を出す。

終った後もキチンとしておきたい。
「後は野となれ山となれ」では、次は無いと思った方が良い。
心得のある人は、当日礼状を出している。
親しい仲であれば、電話でも許されるかも知れない。


(注)「ハガキ」と「封書」について、

「葉書」は元々「端書」と書いたように、紙の端に書いた覚書程度のものであるので、
身内や友人などには構わないが、
正式な手紙、非公開の手紙、目上の人に出す手紙等は、封書を用いるのが礼儀である。
大寄せ茶会への出欠連絡などのように、ハガキで返事を求められている場合などは、ハガキを用いるが、
その他の場合には、封書にしておけば失礼に当たらないので、ハガキで連絡を取る場合は、よくよく考えた上で出す事。


下記も参照
2017年1月12日 「手紙 名宛人・差出人 書き方
2019年2月14日 「茶事 案内、前礼、礼状の実際


2017-01-12 加筆



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2015年1月9日金曜日

籤(くじ) 当たった時には

大人数で出席する初釜等で、籤で宗匠が書かれた色紙等を頂く事がある。

籤が当った時には、

「当りました」と言って景品を頂き、
そのまま踏込み畳(点前をする畳の手前の畳)に出て客の方を向いて座り、
 
当りの景品の包みを開き、
 
景品だけを正客の前に持って行き披露して渡し、
踏込み畳の元の座に戻る。

正客はそれを拝見して、次客に送る、次客以下も同様。
詰は当った客に戻す。

当った客は、戻って来た景品を頂いて、自席に戻る。



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2015年1月7日水曜日

炭台  炭点前 炉

炭台を持って出る。
灰器を持って出る。

羽箒、火箸、香合を炭台から下ろす。

鐶は、炭台に置いたままにしておく。

釜を釜敷の上に上げる。
大棚であれば、釜は勝手付まで引き寄せる。

羽箒で炉縁以下を掃く。
大棚であれば、羽箒は香合の右側に縦に真直ぐに置く。



火箸で下火を直す。
火箸を炭台の上左側に預ける。

灰器を取り、濡灰を撒く。

灰を撒いた後、すぐに居前から灰器を勝手付定所に戻す。
(枝炭を灰器に仮置きする必要がないから)

女子は、灰器を右手で仮置きし、膝を右に半分くって、灰器を勝手付に戻す。
身体を炉正面に戻す。

羽箒で炉縁・炉壇・五徳の爪を掃き、羽箒を元に戻す。

右手で胴炭をつぐ。
炭台を両手で炉の近くに寄せ、火箸を取り、炭を常の通りにつぐ。
点炭等でつぎ終る。
(通常は点炭で終わるが、炭の様子によっては、割ギッチョ等で終わってもよい)

火箸を炭台に戻し、両手で炭台を元に戻す。

羽箒で掃き、羽箒は炉縁の右側に置く。

右手で香合を取り、火箸で香をつぐ。
火箸は炭台に戻す。
香合拝見の所望があれば、拝見に出す。

釜を掛ける。

釜敷を炭台に戻す。

鐶を炭台に戻す。
鐶を戻す場所は、
最初の所に、同じ様に切れ目を上にして、割ギッチョに立て掛けて置くか、又は
炭台左奥の丸ギッチョがあった辺りに、切れ目を右に向けて置く。

羽箒で釜の蓋を掃き、羽箒を炭台に戻す。

灰器を持って退出し、更に炭台も勝手に戻す。

香合が拝見から戻ると、再び出て、釜の蓋を切り、
香合の正面に身体を移し、挨拶応答して、
右手で香合を取り、左手を下から添えて持って、退出する。

炭台を使う時には、必ず紙釜敷を使わなければならないものでもない、
普通の釜敷きを使って良いし、紙釜敷を使っても良い。

2022-4-1 紙釜敷について追加

下記も参照
2014年11月13日 「羽箒 羽根 炭点前
2014年12月30日 「紙釜敷 炉 風炉
2015年1月7日 「炭台 炭その他の配置
2016年1月11日 「大棚 初炭 羽箒・香合を飾る(飾らない)
2016年1月11日 「炉 長板 諸飾り 炭点前
2016年5月11日 「炉 炭点前 炭斗動かす 羽箒

2017-12-18 参照項目を追加


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炭台 炭その他の配置

炭台    炭、羽箒他の置き方

炭台の上に、小奉書を敷くが、

小奉書 1尺1寸 × 1尺5寸5分

小奉書の左側を下に折り込んで、左右の内幅に合せて炭台の上に載せる。
左側は、キチンと折り目をつける事なく、丸く折り込む。 
炭台の四隅は、隅切りになっているので、
手前左右の角は炭台に合わせて、下に折り込む。
小奉書の向う側は、折らずに延ばしたままにしておく。

炭は、通常通りの配置で組む。
枝炭は管炭の上ではなく、炭台右端の向こう寄りに炭台の縁に掛かる位置に置く。

羽箒は、炭台左端に置く。

火箸は、炭台の羽箒と炭の間に置く。火箸の柄が炭台から手前に出る。

鐶は、炭台の手前側中央に、炭にもたせ掛けて、切れ目を上にして置く。

香合は、炭の手前、鐶の左の空いた所に置く。

釜敷は、釜を載せる側を炭にもたせて、組んだ炭の右側に、立て掛けて置く。

尚、炭台は初炭にのみ使う。
後炭には、通常の炭斗を使う。


炭台を使う時には、必ず紙釜敷を使わなければならないものでもない、
普通の釜敷きを使って良いし、紙釜敷を使っても良い。

2022-4-1 紙釜敷について追加

下記も参照

2014年12月30日 「紙釜敷 炉 風炉
2015年1月7日 「炭台 炭点前 炉
2016年1月11日 「炉 長板 諸飾り 炭点前




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2015年1月4日日曜日

露地笠の持ち方 茶事

露地笠

笠の緒に手を通し、一つひねって手首を緖で締める。(グラグラしなくなる)

親指を笠の表の縁にかける。

中指で内側の竹の骨を押さえる。

手の平を上に向けて、手首をひねって、手が顔の前に来るようにして、笠を頭の上で水平にする。

手首をひねっているので、親指が顔の向こう側、中指他が顔の手前側になる。



 


蹲踞を使う時は、

前の客が蹲踞を使う時は、

前客の笠を預かって、
自分の笠を持っていない方の手で前客の笠を持ち、前客に差しかけてあげる。

前客の笠を持つ時は、

親指を笠の表の縁にかけ、中指を笠の裏の竹の骨に当て、
手首をひねらずに、手の平を上に向けて持つ。

お詰が蹲踞を使う時には、詰の前の客が詰の笠を持つ。

露地笠の竹の皮は破れ易いので、中指が直接竹の皮を押さない様に注意する事。


下記も参照
2015年1月3日 「雨の時の席入り 茶事
2015年1月4日 「露地笠を置く 茶事
2015年1月4日 「露地笠 茶事
2015年1月3日 「腰掛の正客の座 露地草履を脱いで置く位置 茶事


2016-12-21 修正



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露地笠  茶事

露地笠は、現代の雨傘の中心を通っている柄が無い状態の物。

傘の骨に相当する「竹の骨」と
傘の生地に相当する「竹の皮」で出来ている。

掛けたり持ったりする為の緒(紐)が付いている。

極く簡素で粗相な作りで、破れ易いものなので、取り扱いに注意が必要。






下記も参照
2015年1月3日 「雨の時の席入り 茶事
2015年1月4日 「露地笠を置く 茶事
2015年1月4日 「露地笠の持ち方 茶事
2015年1月3日 「腰掛の正客の座 露地草履を脱いで置く位置 茶事


2016-12-21 修正


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露地笠を置く 茶事

寄付から出ると、

露地笠は寄付近くの壁に立てかけてあるので、それを取り、
次の客の為に、壁に懸かっている笠を一枚取り、下に立て掛けておく。

腰掛では、
笠は、腰掛の下座側の外の壁に立掛けて置く。

場所がない場合は、適当な所に置いておく。

正客の笠の上に次客の笠を重ね、以下同様にする。

にじり口では、

亭主の笠が置いてある反対側、又は
場所のない所では、亭主の笠の近くの壁に、
正客の笠の上に次客の笠を重ね、以下同様にする。


下記も参照
2015年1月3日 「雨の時の席入り 茶事
2015年1月4日 「露地笠 茶事
2015年1月4日 「露地笠の持ち方 茶事
2015年1月3日 「腰掛の正客の座 露地草履を脱いで置く位置 茶事


2016-12-21 修正


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2015年1月3日土曜日

四季と旧暦の月の名称

春 ・・ 旧暦 1月~3月
夏 ・・ 旧暦 4月~6月
秋 ・・ 旧暦 7月~9月
冬 ・・ 旧暦 10月~12月

孟春 ・・ 1月    睦月(むつき)、初春月
仲春 ・・ 2月    如月(きさらぎ)、梅見月
季春 ・・ 3月    弥生(やよひ)、花見月

孟夏 ・・ 4月    卯月(うづき)、卯花月
仲夏 ・・ 5月    皐月(さつき)、田草月
季夏 ・・ 6月    水無月(みなづき)、鳴神月

孟秋 ・・ 7月    文月(ふづき、ふみづき、ふんづき)、七夕月
仲秋 ・・ 8月    葉月(はづき、はつき)、月見月
季秋 ・・ 9月    長月(ながつき、ながづき)、菊月

孟冬 ・・ 10月  神無月(かんなづき、かむなづき、かみなづき)、小春月
仲冬 ・・ 11月  霜月(しもつき)、雪待月
季冬 ・・ 12月  師走(しはす、しわす)、臘月



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雨の時の席入 茶事

小雨の時の席入には、

露地下駄と露地笠を用意する。

雨が強い時には、露地笠では用をなさないので、
晴れの日の露地の使い方ではなく、別の濡れない通り道を通って席入する工夫をした方が良い。

それも出来ないならば、亭主は茶事の延期を申し出た方が宜しい。

露地笠は、寄付近くの壁に人数分掛けておくが、
正客分は、1枚下におろして立て掛けておく。

大雨の時に、軒下を通って席入する場合には、
軒がある場所に据えてある手水鉢を使うか、又は
軒下に作る塵穴に添えてある覗き石に片口やヤカン等を載せておき、それを使って、客に手を洗い口をすすいで頂く。

その為、塵穴に添える覗き石は、上が平らな石を据えなければならない。

下記も参照
2015年1月4日 「露地笠を置く 茶事
2015年1月4日 「露地笠 茶事
2015年1月4日 「露地笠の持ち方 茶事
2015年1月3日 「腰掛の正客の座 露地草履を脱いで置く位置 茶事


2016-12-21 修正

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腰掛の正客の座 露地草履を脱いで置く位置 茶事

半東から案内があった後、客は腰掛に移るが、

腰掛の正客の座は、茶室に近い方に座るように作られている。

石の大きさを見れば判るが、
原則、腰掛の正客の座は、茶室に近い方になっている。

客は、躙り口から茶室に入るが、

亭主が露地草履を立て掛けている位置の踏み石を挟んで反対側の壁に、
客は、露地草履を立て掛ける。

亭主が躙り口の柱の所に草履を立て掛けていれば、
客は踏み石(つくばい石、乗り石)を挟んで反対側の戸尻側に立て掛ければ宜しい。
何しろ、亭主の草履と並べて客の草履を置くことはない。

客にとって草履を置き易い方を空けておき、その反対側に、亭主は草履を置けばよい。
亭主が柱側に草履を置けば、客は戸尻側の広い所に草履を置くことになり、客は置き易くなるかも知れない。

小間で客が小人数の場合、並べて立て掛ける事が出来る余裕があれば、
正客の草履の上に、次客の草履を重ねる等はしない。
次客以下は、正客の草履の横に並べて、立て掛けて置く。

客の人数が多くて、横に並べて置く余裕がない場合は、重ねて置く事は当然。

但し、自分の左右の草履を重ねておく事は勿論である。
汚れる心配がない、通常の場合は、右足(左足)の鼻緒の上に左足(右足)の裏を重ねて置く。
未使用の草履であれば、右足(左足)の鼻緒の中に左足(右足)のつま先を差し込んでもよい。

下がひどく濡れる等して汚れる心配がある場合は、裏と裏を合わせて重ねる。

亭主がどのように重ねているかを見て、同じようにすればよい。


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2015/01/03には、草履を置く位置について、下のように書いていたが、
コメントを頂いたので、検討して2015/07/05上記の様に修正した。

「躙り口から茶室に入るが、
亭主は、露地草履を腰掛から遠い方に立て掛けているので、
正客は、腰掛に近い方の壁に、露地草履を立て掛ける。」

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下記も参照
2015年1月3日 「雨の時の席入 茶事
2015年1月4日 「露地笠を置く 茶事
2015年1月4日 「露地笠 茶事
2015年1月4日 「露地笠の持ち方 茶事

2016-12-21 修正


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茶碗の持ち方

茶碗を両手で持つ場合、

茶碗を右手で取り上げて、左手の上に載せて持ち運ぶ事があるが、

原則、茶碗は右手で持つ。

右手親指を茶碗の縁に当て、人差し指以下を高台脇に当てて、右手の平の中にウズラの卵でも入る状態で持つ。
手の平全体を茶碗の横に当てる事はしない。

左手を茶碗の下に置いて、左手に載せた格好になっているが、形はそう見えても実際茶碗を持つ手は右手である。
左手に載ってはいるが、左手に持たせている訳ではない。

茶碗を右手で取った格好のまま、左手で下から支えて持つ感じ。




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蓋物の扱い 茶事 懐石

茶事の懐石に於いて、

蓋が付いている椀等が出て来た場合、

亭主から「お取り上げ下さい」の挨拶があるので、客はそれを受けてから食する。

蓋が付いている器

最初に持ち出される膳(飯椀と汁椀が付いている)
煮物椀
小吸い物椀(箸洗い)
重菓子器(縁高、喰籠など)



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