2018年2月16日金曜日

濡れ灰を作る 撒き灰 炉

炉の炭点前では、濡れ灰を撒くが、灰匙からサラサラと落ちる灰を作りたい。
奇麗であって、撒き易い灰を作りたいが、中々良い灰が出来なかった。
この5~6年は同じ方法で作っている。
同じやり方ではあるが、途中に色々試行錯誤を繰り返して、現在は今の方法に落ち着いた。

小さな「灰の球」を作る事を目指している。
以前は、小さな目の篩いを先ず通し、その後大きな目の篩いを通す等色々試したが、
現在は4mmの篩いを通すだけにしている。

(1)湿った灰を、桶から適当な大きさのボウル(料理用)に移す。



湿った灰には、塊がない方が良い。
湿り過ぎていない方が良い。(自分で試行錯誤が必要)

(2)湿った灰を入れたボウルを、円を描く様に廻す。
廻している内に、微細な灰の球が出来て来る。
廻す回数は数えていないが、50回~200回位ではないだろうか?
湿り気が足りないと思ったら、スプレーで霧を掛けてやる。



写真は、分かり易い様に大粒の灰の球にしているが、実際にはもう少し小さな粒の方が良いと思う。

(3)廻している内に、湿った灰の中から更に湿気が出て来る。
あまり湿気が出て来過ぎると思ったら、乾いた灰(風炉の灰で良い)を少しづつボウルの灰に振りかけて、更に廻してやる。



(4)適当に「灰の球」出来て来たと思ったら、篩いの上にボウルの中の「灰の球」を空けてやる。
篩いの目は、4mmの物を使っている。


(5)そして篩ってやると、「濡れ灰」の出来上がり。
乾いた灰を振りかけているので、湿り過ぎていない、適当に湿った「濡れ灰」が出来上がる。


(6)篩いの目を通らなかった湿った灰は、もう一度ボウルに戻して、塊や大きな灰の球をつぶして、上記を繰り返す。

(7)自分なりに何度か試行錯誤をすれば良いと思う。
1時間もあれば、炭点前10回分位は出来ると思う。


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2018年2月11日日曜日

道具 仮置き 客

拝見その他で、客が亭主の道具を手元に持って来て仮置きする場合がある。
お茶の習い始めには、どちらからどの順番で並べるか迷う事がよくあった。
理屈を知らないから迷いが出て来るので、出来るだけ理屈を知り、考える様にした方がよい。

道具の仮置きについて、濃茶の御三器(茶入、茶杓、仕服)を例にして記してみる。

お茶では、原則、格の高い道具は右手で扱う。
よって、
仮置きする場合も、右手の方向から左手の方向へ、格の高いものから順に置く事になる。

自分の前に並べる時には、
自分の右手の方から、左手の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。

末客が道具を正客に返す場合、正客の前に並べて置く時には、
正客の右手の方から、左手の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。

正客が亭主に道具を返す時に置く場合も同じで、
亭主の右手の方から、左手の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。


但し、例外が一つだけある。
それは拝見する前に、正客が自席の前に仮置きする時である。
この時には、拝見する順番に並べる。
正客から見て、左から右の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。


これは、普段稽古をする上座床(正客の右手側に床がある)の場合である。

下座床(正客の左手側に床がある)の場合も、理屈を考えれば直ぐ分かる事で、
拝見する前の正客は、正客から見て右の方から、左の方へ、「茶入」「茶杓」「仕服」の順に並べる事になる。
上座床の場合とは逆に並べる事になる。
下座床でもそれ以外の場合は、上座床の場合と同じ様に、右手の方向から左手の方向へ置く。

普段の稽古する広間は、上座床が大半であるが、
小間では、下座床が結構多くあるので、知っておいて悪くない。

下記も参照
2014年10月30日 「茶入・茶器・茶碗等の格 扱い
2015年4月7日 「正客の席 表千家 上座床・下座床
2015年4月20日 「下座床 濃茶 客 茶碗と出し帛紗
2017年10月9日 「茶碗と茶器(茶入)の置き合せ 道具の格


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