2015年5月27日水曜日

竹蓋置

竹蓋置

引切(ひききり)とも言う。

青竹の蓋置は、茶事の濃茶に使う。薄茶では別の蓋置に替える。
青竹の蓋置には、1年目の竹を使う。

白竹の蓋置には、2~3年以上経った竹を冬に切って、油抜きして使う。

炉用、風炉用、炉風炉兼用(節なし)がある。

特殊な物で、表千家九代 了々斎好みの、
「根竹、三ツ節、炉風炉兼用」の蓋置がある。

小間で使う蓋置は、竹だけ。

広間では、水指運びの時に竹の蓋置を使う。

竹蓋置は、棚の上に飾り残す事はない。
柄杓、蓋置共に持ち帰る。

抱清棚では、柄杓を竹釘にかけ、その柄杓の柄の下の畳の上に蓋置を飾り残す。
この時の蓋置は竹を使う。

2016年3月5日 「抱清棚」 を参照。

広間の風炉で、
運びの水指ではなく、置き水指ではあるが、台子・長板二つ飾りの場合、竹の蓋置を使う。
蓋置は、台子・長板の左端手前の畳の上に置き、柄杓を引く。
柄杓・蓋置は、飾り残さず、水屋に持ち帰る。
台子で二つ飾りをする事は少なく、薄茶点前に限って長板でする事が多い。

2016年5月11日 「風炉 大棚、長板」 を参照。


竹蓋置
利休好みは、炉・風炉共に、高さ 1寸8分(約5.5cm)。

根に近い方から炉用、その次の節から風炉用を取る。
竹の厚さが同じ位になる。
逆竹にして作る(根の方が上になる)。

直径は、炉用1寸8分位(約5.5cm)。
風炉用1寸6分位(約4.8cm)。

炉蓋置の節は、上下の中央より上にある。
風炉蓋置の節は、上端にある。

下記も参照

2015年2月17日 「黒文字 青竹 保存方法
2015年2月17日 「青竹の蓋置、灰吹き 茶事
2021年6月19日 「竹の蓋置


2016-08-28 修正



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2015年5月15日金曜日

唐金 砂張 モール 銅の合金

銅の合金には色々ある。

唐金(からかね)

金皆具、風炉、古銅花入など。
地金の色 桃色がかる。

銅 8割以上
亜鉛 2割以下
鉛、錫等も少量含む。

鋳物が中心。

モール (真鍮)(しんちゅう)

惺斎好モール建水など。
地金の色 黄味がかる。

銅 7割以下
亜鉛 3割以上

打物、細工物が中心。

砂張(さはり)

建水などに多い。
地金の色 白っぽい。

銅 7割位
錫 3割位

鋳物が中心。

唐金にしろ、モール・砂張にしろ、道具の表面には色付けするので、仕上り色は様々になる。

広間の喚鐘 ・・ 唐金
小間の銅鑼 ・・ 砂張 (砂張としては例外的に打物)

利休形 水次薬缶(腰黒薬缶) ・・ (素)銅

水次薬缶の内側を亜鉛引きにして、緑青が生じない様にしてある。
利休が浄益に注文した水次薬缶の口には蓋が付いていた。
表千家九代 了々斎が、口の蓋と鎖を取り外した。家元に了々斎が由来を記した箱書がある。



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2015年5月9日土曜日

濃茶の点て方 濃さ

濃茶を点てる

濃茶は、ねらない。
茶筅は振って点てる。

古い書物には、「ねる」とは出ていない。
「振る」と出ている。

振って点てると、味が良くなる。

私は現在は、一人前、濃茶3.0~3.6g、お湯40cc~50cc前後が丁度良い位の濃さになると思っている。

「ねる」と表現出来る濃さでは、お湯が足りないと思う。
サラッと濃茶を点てたい。 

茶筅の握り方は、薄茶の場合と同じ。
(「薄茶を点てる。茶筅の使い方」を参照)

濃茶は、2度に分けてお湯を注ぐが、
最初のお湯を入れたら、よくお茶とお湯を馴染ませる。
よくお茶をお湯に溶かす。
茶筅は少しゆっくり目に振る。
横に動かしたり、丸く回したりする。

2度目のお湯では、矢張りお茶をお湯に溶かすが、
同時に茶筅に付いた濃茶を洗う事も行う。
茶筅を洗う時には、少し早めに茶筅を振る。横に振る。

濃茶の濃さは、
飲み終わった後、お湯を入れて建水に捨てたら流れてしまう位の濃さ。

お茶を当てる茶カフキで、茶碗を一度しかゆすがないのを見ても分かる。
茶碗に濃茶がべったり付いて一度ゆすいだ位では取れないのでは、茶カフキは出来ない。

この場合の、「お茶をお湯に溶かす」 は、塩をお湯に溶かす様に物理的に溶かすのではなく、
お茶がお湯の中でダマにならない様に均一にすると言う事。


下記も参照

2015年5月2日 「濃茶 濃さ 元伯宗旦
2015年5月9日 「茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる
2015年5月9日 「薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量
2015年6月26日 「薄茶をすくう ガケ 茶器

2021-1-17 修正(お茶の量を修正)
2021-1-31 お茶ちゃとお湯の量を修正


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薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量

薄茶

茶碗に茶杓 1杓半の薄茶をはき、適量のお湯を注ぎ、茶筅を振ってお茶を点てる。

現在の私は、薄茶1.4~1.8g、お湯40cc~50cc前後だろうと感じている。

茶筅は軽く振る。
泡は自然と立つ位。

茶碗の形・釉薬の掛り具合で泡の立ち方は変わるが、お茶の上に泡が盛り上がらない様に、サラッと点てる。

時間を掛けない事。つまり茶筅を長い時間振らない事。お茶の香りが飛んでしまう。

抹茶は、お湯に溶ける事はない。どんなに長時間茶筅を振っても、抹茶はお湯の中に浮遊しているだけ。

時間をかけ過ぎると、苦み成分・渋み成分が多くなり、香りも飛んで、お茶が不味くなる。

さて、
現代は、冷蔵技術が発達しているので、昔の様な事はしないだろうが、

昔は、抹茶は、5月初~中旬頃(八十八夜前後)に摘まれ、半年後の炉の時期から飲み始められた。
そして1年後の風炉の終わり迄、飲み続けられた。
その年摘まれたお茶は、半年後から1年間飲まれる事になる。

だから、現在の様に冷蔵技術が発展していなかった頃には、お茶を如何に涼しい場所で保存するかに頭を悩ましていた訳だ。

しかし、どんなに涼しい場所に保存しても、風炉の終り頃には、抹茶は暑い夏を2度経験するのだから、現代と比較できない程に品質は劣化してしまう。

それで、風炉の名残のお茶と言えば、現代の茶人は経験した事のない様な古いお茶となる為、如何にしてそれを美味しく飲むかが工夫のいる所だった。

逆に言えば、炉開きのお茶(今年の新茶)が如何に美味しいお茶だと思われたかは想像に難くない。

風炉の名残のお茶を不味く飲まない工夫として、昔の人は、
1.お茶を少なめに入れる
2.お湯を多目に入れる
3.長い時間かき混ぜて、お茶の臭みを飛ばす
等を行って、出来るだけ不味くないお茶を飲むようにした。

現代人は想像も出来ない事だ。

それも知らずに、「少ないお茶・多いお湯・長く茶筅を使う」を実行している現代人達も多い。

ちなみに、お茶の保存は冷蔵庫で保存します。冷凍庫では保存しない様に。


下記も参照

2015年5月2日 「濃茶 濃さ 元伯宗旦
2015年5月9日 「茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる
2015年5月9日 「濃茶の点て方 濃さ
2015年6月26日 「薄茶をすくう ガケ 茶器
2016年9月19日 「茶壺 口切り

2021-1-17 修正(お茶の量を修正)
2021-1-31 お茶の量を修正

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茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる

薄茶を点てる時の茶筅の使い方。

茶筅は、茶碗に傾けて入れる。
茶筅は、茶碗に垂直に入れるのではない。

茶筅は、横方向から握る。
縦方向から握るのではない。

肘で茶筅を振る気持ちで、茶筅を使う。
手首を使って茶筅を振らない。手首のスナップを効かせて茶筅を振らない。

きちんと茶筅を握ると、手首を使っては茶筅は振れない。

長い時間茶筅を振らない。
アッサリと点てる。サラッと点てる。
薄茶の上に泡が盛り上がらない様にする。

時間を長くかけて茶筅を振ると、お茶の香りが飛んでしまう。

濃茶を点てる時も茶筅の握り方は同じ。






下記も参照

2015年5月2日 「濃茶 濃さ 元伯宗旦
2015年5月9日 「薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量
2015年5月9日 「濃茶の点て方 濃さ
2015年6月26日 「薄茶をすくう ガケ 茶器



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2015年5月2日土曜日

濃茶 濃さ 元伯宗旦

「同門」平成27年4月号に熊倉功夫先生が書かれている「千宗旦(14)」の中に、表千家三代 元伯宗旦の濃茶の話が出ていたので、ここに転載する。

元伯の考えの様に、私も点てている。
私の意見は、このブログの2015年5月9日「濃茶の点て方 濃さ」を参照の事。

熊倉功夫先生の記事を下に引用。

-- ここから --

さて宗旦の点前で今と大きく違うのは濃茶の練り方です。
(表千家四代)江岑の「逢源斎書」に次のようにあります。

一、こい茶のふく(服)の事。
利(休)時分には今時のふく也。
織部時(分には)、こくねぢきるやうに立候。今のふく、薄きと申候。
(宗)旦は一代、利(休)時のことく立被成候(立て成され候)。
こくはやり候時も(濃く点てるのがはやっていた時も)、薄く御座候。

現代でも濃茶の濃いのがお好きな方と、薄いのがお好きな方があります。

 -- 一部省略 --

利休はゆるく濃茶を練ったのですが、その弟子の古田織部は濃いのが好きで、「捻じ切るように」というのですから、茶筅にお茶がまといつくのをこすりつけるように練ったのでしょう。

 -- 一部省略 --

しかし宗旦はずっと終生、利休風の薄い濃茶を好んで、世間で濃いのがはやっても変えなかった、といいます。

江岑は別のところで、濃茶を練る時、茶碗に左手を添えてはいけない。右手で茶筅を振るだけで練りなさい、と教えています。
「宗旦は手を茶碗に添えなかった。天目台の時は添えた」と記しています。

薄茶は泡がたつほど茶筅を振りますから、左手を添えて両手で点てないわけにはまいりません。
しかし濃茶は練るという通り、静かに茶筅を振りますので、ゆるければ十分練ることができるというわけです。

-- ここ迄 --

( )内は、私の補足です。


下記も参照

2015年5月9日 「茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる
2015年5月9日 「薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量
2015年5月9日 「濃茶の点て方 濃さ
2015年6月26日 「薄茶をすくう ガケ 茶器



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