2016年6月27日月曜日

稽古 お辞儀 総礼 茶事

稽古の始まりと終わりには、亭主・客共に一緒にお辞儀をする。 総礼とも言う。
これは稽古のものである。

稽古の時、例えば、
薄茶点前の始まりに、亭主は茶碗を膝前に置き、茶道口の襖を開けて、お辞儀をする。
同時に客もお辞儀をする。 ここから薄茶点前の稽古が始まる。

薄茶点前の終わりには、亭主は水次ぎ薬缶を膝前に置いて、茶道口の外でお辞儀をし、
客もまたお辞儀をして、亭主が襖を閉めた所で、薄茶点前の稽古が終わる。

しかし、これは稽古だからやっている事である。

実際の茶事ではしない事である。

茶事の初座では、客が入室した後、亭主は茶道口を開けてお辞儀をする。
正客から席に入る様に勧められて、亭主は席中に進み、
改めて正客にお辞儀をして挨拶をする。
その後、亭主は連客にも挨拶して、茶事が進行して行くことになる。

初座の炭点前を始める時に、
茶道口で炭斗を前にして、亭主がお辞儀をする事はない。
後座でも、濃茶を始める時に、
茶道口を開けて茶碗を膝前に置いて、亭主がお辞儀をすることもない。

初炭の場合、
炭を直す旨を正客に申して、水屋に戻り(茶道口は開けたまま)、
炭斗を持ち出して(炉の場合は、灰器も)茶室に入る。
茶道口前で座ることなく、立ったまま入る。
茶道口を閉め、炭を始める。

後座、濃茶の場合、
客が後座入りをした後、
茶碗を膝前に置き、茶道口を開けて、そのまま立って茶室に入り、
いつもの通りに濃茶を始める。

初座の始まりでお辞儀をして挨拶をしているので、個々の点前の始まりと終わりで挨拶などはしないものである。

稽古は稽古であって、実際の茶事とは少し違う事を理解して置く必要がある。

大寄せ茶会の場合は、点前毎にお客が入れ替わるので、席主の考え方で好きにすればよい。


下記も参照
2018年3月16日 「稽古 お辞儀 総礼 茶事(2)
2015年03月14日 「お辞儀 一礼
2014年10月21日 「稽古 煙草盆と菓子器の運び出し お辞儀


2018-4-22 修正


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2016年6月2日木曜日

桑小卓 柄杓・蓋置 建水・蓋置

桑小卓 柄杓・蓋置飾る

点前の終わりの柄杓と蓋置の飾り方には二通りある。

(1)天板に斜めに飾る、入り飾り。

蓋置は合の真下、柄の節にかかる辺りに置く。

(2)左側の奥の柱に柄杓の合をもたせかけ、柄の先は左側の手前の柱の根元に置く。

水指の蓋をしたら、すぐに柄杓・蓋置を飾る。

柄杓の合は手前を向かせ、斜めに柱に立てかける事になる。
右手で柄杓の節の少し上を持ち、左手は柄の先に添えて、立てかける。

蓋置は、中棚の左側手前、柄杓の柄の先の右横に取り敢えず仮置きして、
水指前に並べてある茶碗・茶器(薄茶の場合)の内、茶碗を勝手付きに仮置きし、茶器を天板に戻す。

棚前が空いたところで、
仮置きの蓋置を右斜め上から握り、左手であしらって、地板に置き易い様に、横から握り直して、地板の左右中央の少し奥に置く。

薄茶でも拝見がある場合は、濃茶の場合に準じる。

濃茶の場合、
水指の蓋をした所で、正客から拝見の挨拶。
それを受けて、すぐに柄杓・蓋置を飾る。

蓋置は、中棚に取り敢えず仮置きして、
水指前に並べてある茶碗を、勝手付きに仮置きし、茶入他を拝見に出す。

建水を勝手に引く前に、
仮置きの蓋置を右手で取り、地板の左右中央の少し奥に置く。

建水も飾る場合、

水指に水を加えた後、
洗った建水を持ち出し道具畳の左右中央に座り、

建水を左膝の線から少し前に出して、左手で置き、地板の蓋置を建水に右手で入れ、
建水の左右の真中を両手で持って、地板に入れる。
両手が棚に触る位入れたら、
右手、左手と建水の手前に持ち直して、建水の手前が地板から少し出る位まで、両手で奥に入れる。

又は、
拝見物がある場合、
拝見物を取りに来る時、建水を持って出て、建水を棚の地板に入れてから、拝見物の前に移り、お尋ねに答える。

建水を必ず飾る必要はありません。
お客に特に見て頂きたい建水でない場合でしたら、建水は飾らない方がむしろ宜しいでしょう。

建水も飾っている時の点前の始まりは、

茶碗を持ち出し、左手で勝手付きに仮置き。
建水を飾った時の打ち返しで、建水を棚から引き出して、
左手で左膝横の膝から少し下がった定所に置く。
茶器を天板から下して水指前右寄りに置き、仮置きした茶碗を右手で取り、水指前に置き合せる。
右手で建水の中の蓋置を取って、左手であしらい、右手で定所に置く。
柄杓を取って、蓋置に引く。
「どうぞお楽に」の挨拶。
建水を進めて、後はいつもの通り。

蓋置だけ地板に飾っている時の点前の始まりは、

茶碗を持ち出し、左手で勝手付きに仮置き。
地板に置いている蓋置を、中棚の左側手前、柄杓の柄の先の右横に取り敢えず仮置きして、
茶器を天板から下して水指前右寄りに置き、仮置きした茶碗を左手で取り、水指前に置き合せる。
建水を勝手から持って出て、いつもの様に身体の横に置く。
蓋置を取って定所に置き、柄杓を取って、蓋置に引く。
「どうぞお楽に」の挨拶。
建水を進めて、後はいつもの通り。

なお蛇足になるが、柄杓蓋置を飾った状態からは濃茶点前を始めないので、上記の「点前の始まり」は薄茶の場合です。
(組合点、仕組点を除く)

参照
2015年6月5日 「桑小卓 風炉 平建水」 
2021年5月2日「七種蓋置


2016-08-17 修正

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