2015年8月17日月曜日

茶事 座掃(小間) 初座・後座

亭主は、初座・後座の席入の前に、座掃を使って席中を清め、躙り口から掃き出す。

客は、畳を座掃で掃く音を聞くと、もうすぐ席入の案内があると思い、緊張するものである。

「初座の迎付」「後座の銅鑼」の前の亭主の手順の一例を記す。
特に決まりがある訳ではないので、その場の状況に合わせればよい。

初座 迎付の前、

初座の飾り付をした後、躙り口の戸を開けて、座掃で席中を掃いて、躙り口から掃き出す。

手桶を水屋から持ち出し、躙り口から露地に出、蹲踞の水を張り替える。
蹲踞の水は三分の一程、周りに撒き、手桶の水を注ぎ足す。
手桶を躙り口の内に戻し、迎付に向かう。

迎付から戻ったら、躙り口を閉める。
再度部屋を検分し、釜の蓋を切り、躙り口の戸を手掛かりだけ切って、茶道口を閉める。
台所にその旨伝える。

昔は、手桶でなく、中口・小口と呼ばれる木地の片口がよく使われていたらしい。

後座 銅鑼の前、

床の軸を外し、釜の蓋を閉める。

躙り口の戸を開けて、座掃で席中を掃いて、躙り口から掃き出す。
その後、戸を閉める。

花入・水指・茶入等を飾り、炉(風炉)の火相を整え、香を焚き、釜の蓋を切る。

躙り口の戸を手がかりだけ開ける。
迎付の銅鑼を打つ。

又は、
釜の蓋を閉め、後座の飾り付けをする。

躙り口の戸を開け、座掃で掃き出して、手がかり分だけ残して躙り口の戸を閉める。

釜の蓋を切った後、銅鑼を打つ。

銅鑼は、「大、小、大、小、中、中、大」。



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茶事 初座 迎付から席入迄の時間

初座 亭主迎え付

亭主は蹲踞に水を足してから、客の迎え付に向かう。

亭主と客が無言で出会った後、亭主は躙り口に戻る。

その後正客は、手を洗い口をすすぐ為に蹲踞に向かうが、亭主が茶室に戻った後どの位の時間を待つべきかに心を配る必要がある。

亭主の背中を追っかける様にしてはならない。

時間を置く事。
亭主は、茶室に戻った後、部屋の最終見分をするので、その位の間合いを取る必要がある。

以前は、下腹雪隠(実際に使う便所)が腰掛の近くにある場合は、迎え付の後小便を済ます人もあったらしい。

何しろ、早く行きすぎない様にしなけらばならない。
二人が小用に立てば、最低5分以上掛る訳だから、その位の時間を待って、正客は蹲踞に向かわなければならない。

茶事の経験が少ない人程、早く蹲踞に向かう様に思える。
心する必要がある。



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茶事 初座 亭主迎付 客の動き

初座 席入の前

客が腰掛まで進み、待っていると、亭主からの迎付がある。

亭主は、蹲踞に水を足し、中門(又は中潜など)に進んで客を迎えるので、
客は、自分がいつ中門に進むか、その頃合いに留意する必要がある。

亭主が中門に到った時に、客が早々と進んで、亭主を今か今かと待っている状態は宜しくない。

亭主と客がほぼ同時に中門に進む(到る)位がよい。

亭主が小間を座掃で掃き出している音が聞こえたら、客は中門に進む心構えをする。

亭主が蹲踞の水を張り足す音が聞こえたら(見えたら)、中門に進む用意をする。

亭主が中門に進み始めたら、それに合わせて、亭主が中門に到る頃、正客も中門そばの大きな飛び石に到る様に足を運ぶ。

亭主・客共にかがんで黙礼する。

黙礼が終われば、亭主・客共に立ち上がり、客は亭主が躙り口に戻る頃まで見送って、腰掛に戻る。

何しろ、亭主が中門に着いた時、それよりずっと早く客は待っていましたとならない様に留意する。




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2015年8月14日金曜日

雀瓦 照明

茶室の照明には、蝋燭(ろうそく)と灯芯(とうしん)による二種類がある。

小間で使われる灯芯による照明では、

竹檠がよく用いられる。



竹筒の上に、油次を載せ、灯芯に火を点ける。
灯芯を灯す部分を炉の方に向ける。

小間では、普通灯芯を5本使うが、明るさにより見計らって増減させる。

油は、江戸時代は種油(菜種油)を使ったらしい。
火持ちの良いのは種油らしいが、煙の量が少ないのは、サラダ油らしい。
私は、簡単に手に入るサラダ油を使っている。

サラダ油でも、中立に一度油を注ぎ足せば十分で、注ぎ足さなくても何とかなる。

油次(いわゆる雀瓦)のベロの方に火を点ける。

新しい灯心を取り付けた時には、ベロの方の火を点ける方の灯芯には、油を十分浸み込ませておく。
油が浸み込んでいないと、芯がパラパラと燃え尽きてしまう。

すぼまった口の方に灯芯を集め、形よく立てておく。
これが雀の尾を立てた様に見える所から、雀瓦と言うらしい。

新しい灯心を扱う場合、灯心が乾燥し過ぎて扱いにくい時には、曲げたり・矯正したりしたい部分に息を吹きかけてやると、少し湿気を帯びて扱いやすくなる。

間違えて、すぼまった口の方に火を点けると、火持ちが悪いそうで、火がすぐ消えるらしい。

露地行灯に用いる、雀瓦に似た「するめ瓦」と称する油次もあるらしい。
それは江戸末期からの物で、初めは「すずめ」を崩した文字が「するめ」と読まれて「するめ瓦」と言われる油次が作られる様になったとの説もある。
現在のするめ瓦は、雀瓦より少し平たく、すぼまった口が少し広く作られている事が多いらしい。

何しろ、露地行灯であれ何であれ、普通の雀瓦を使って宜しい。

竹檠には、火を掻き立てる楊枝を添える。黒文字で良い。

黒文字は、
初座では、竹檠の下板の上に横にして置き、
後座では雀瓦の蓋を取り外し、蓋のあった所に黒文字を横一文字に置いておく。



下記も参照
2014年10月29日 「茶事 灯り 小間・竹檠 広間・短檠


2016-12-25 修正


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