2015年9月23日水曜日

床の掛物と花入

床の掛物

小間の床には、掛物は一幅。

広間の床には、一幅、双幅、三幅対など自由にすれば良い。

掛物の大きさにもよるが、出来るだけ垂撥(すいはつ)は使わない方が良い。

床に掛物と花入を共に飾る(諸飾り)時は、掛物の前や床柱に花入を置く(掛ける)。

花入を床に置く場合は、掛物の邪魔にならない様にする。
花入を掛物の前からずらす時は、勝手付に動かす。

花鳥の絵の場合は、花はない方が良い。

なお、絵の掛物の場合について、家元伝来の四代 江岑の自筆書では、
「絵賛ノ物カケテ 花ヲ入ル事 セヌ事也」と言っている。

花鳥の絵だけでなく、賛のある絵の場合でも、花はない方が良いと言っている。




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寸法 8寸の色々

八寸(約24cm)と言う寸法は多くの所で使われる。

8寸(約24cm) ・・ 畳目17目位
高級な畳では、畳目2目が1寸であるので、8寸は16目になる。
この寸法の畳は少ない。

客として座る場合、畳の縁(へり)から膝前まで、8寸。



床拝見の時、畳の縁から膝前まで、8寸。


襖や障子を開け切る時、敷居から手までの高さ、8寸。



風炉の時、風炉の敷板は、客畳の縁の延長線から8寸。
風炉の敷板の勝手付は、棚や水指の大きさにより、畳目3目~13目位に見計らって置く。



炉の時、棚の位置は、炉縁外側の延長線から8寸。
膝前の空きも畳の縁(へり)から8寸。



台子や長板も8寸。
左右は、畳中央に置くが、客付を奇数目にして1目寄せる。

炉向切の時、膝前の空きは、炉縁外側から8寸。
水指は、同じく炉縁外側から8寸。




向切 水指の位置は、炉縁外側から8寸奥に置いては、遠すぎる感じがする。
私は通常、炉釜の中心線より少し奥に水指を置いている。

2021-2-27 修正


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2015年9月5日土曜日

三木町棚 江岑棚

三木町棚、江岑棚と言われる物には、2種ある。

表千家四代 江岑好み

天板と地板は、杉木地。
引出は、樅(モミ)木地。 ツマミは、竹。
柱は、檜(ヒノキ)木地。

表千家六代 覚々斎好み

総桐木地。 ツマミは、桑。

江岑好みを「三木町棚」、覚々斎好みを「江岑棚」と呼ぶ事が多いが、逆に呼ばれる事もある。

表千家歴代家元の箱書には、江岑好みに「三木町棚」、覚々斎好みに「江岑棚」とある。

家元に伝来している江岑好みの本歌は、
若党の手造りと言い伝えられている通り、寄木造りで、引出はガタガタであり、四隅の足は全て異なる形をしている等の素人細工になっている。

一説には、殿様から頂いた菓子の箱を引出にして、江岑が若党に命じて棚に作らせたと言われている。

三木町は、和歌山城近くの町名(現在もある)で、紀州徳川家から江岑が屋敷を頂いていた。
現在、屋敷跡には、表千家屋敷跡の石碑が立っている。

濃茶の時、

仕服は、左手に持たせ、右手で引出を引き出し、同じ右手で仕服を入れる。

薄茶の時、

天板に柄杓・蓋置を飾る(入飾りのみ)場合、茶器は引出の真中に入れるが、
棗は右手一手で入れる。
横から持つ雪吹などは、一度左手に受けて、右手で上から持ち直して入れる。





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