2021年2月9日火曜日

膝と柄杓の位置 炉 小棚、運び

 炉の居前の向きには、2種類ある。

大棚の場合は、外隅に向かい、小棚(又は 運び)の場合は、内隅に向かう。
更に、柄杓は、蓋置に引いても、釜の口にのせても、身体に平行になる様にする。

小棚ないし水指運びの場合は、
図のように座ることになる。


内隅に向かって座り、
「内隅と両膝頭の中央と尾てい骨のあたり」が一直線になり、
「蓋置に引いた柄杓の柄」ないし「釜の口にのせた柄杓の柄」と
「身体の向き」が平行になる。

更に、柄杓の柄は炉縁の三分の一あたりを通る。
「柄杓の柄」の先は、右膝頭の横辺りに来る。

「身体の向き」とは、「両膝頭の中央と尾てい骨のあたりを結んだ線」。

「両膝頭の中央」と内隅に向かった線の畳の縁に当たる迄の距離は、
約8寸(24cm)取る。
私の場合は、8寸+α 取っている。

点前の始まりで、茶器(茶入)と茶杓を清める時、
茶碗と膝の間が狭い為、茶器を入れようとして後に下がらざるを得ない等見苦しいので、
膝前は十分取るように留意する。



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2021年1月22日金曜日

筒茶碗 扱い

 筒茶碗


女子は大き過ぎる筒茶碗は使わない。
見栄えが悪い。
大きい筒茶碗は、矢張り男子の物である。
筒茶碗の横を持ったり、口を持ったり、底を持ったりして扱うが、
普通の茶碗の持ち方で対応出来る場合には、
特に女子は、普通の持ち方にしておく。 見栄えが悪いからである。
茶碗の底を持ってお湯を捨てるなど、女子がする仕草とは見えない。
客座から見れば、よく分かる。


表千家では、女性らしさが損なわれない様に、女子の点前を工夫してあるにもかかわらず、わざわざ筒茶碗の扱いで女性らしさをなくす事はない。
普段の茶碗の扱いが出来ないから、筒茶碗の扱いをしている。
普段の扱いが出来るのであれば、筒茶碗であっても普段の扱いをしておく。
また、
筒茶碗に限らず、
傾けないと茶筅を使えない場合を除いて、茶碗は真っ直ぐに立てたまま、茶筅を使う。
筒茶碗だからと、わざわざ茶碗を斜めに傾けて茶筅を使うことはしない。

高さが、直径✕85%になっていると、筒茶碗らしく見える。
高さが直径✕80%に作られていると、直径と高さが同じに見える。


参照

2014-10-13 「道具 高さと直径 筒物


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2021年1月14日木曜日

帛紗 さばく時の指使い

 帛紗の寸法 わさ8寸8分(26.7cm)✕9寸3分(28.2cm)
「わさ」を右縦にして置いて、左側を上に重ね、更にその上に下から重ねて四つ折りにする。



四つ折りの右上角を右手で取って、対角線の反対角を左手で取る。
茶入茶器茶杓を拭く部分が身体の表になる様にして帯に挟む。

帯から引き出した帛紗は、

(1)薄茶 : 上の角を、右手親指を上にして取る

(2)濃茶 : 下の角に、右手人差し指を中に入れて取る

(3)唐物帛紗 : 上の角に、右手親指を中に入れて取る

(4)唐物帛紗 /行から真に移る時: 上の角に、右手親指を下に入れて取る

(5)唐物帛紗 /真で終わる時: 上から3番目の角を、右手親指を上にして取る


下記も参照

2015年12月13日「包み帛紗 濃茶 棗
2015年11月3日「帛紗の寸法

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2020年12月9日水曜日

抱清棚 初炭 羽箒の扱い

抱清棚


柄杓釘(竹釘)に羽箒を掛ける。 羽箒の下の畳の上に香合を置く。
中棚には濃茶入を飾る。
炭斗を運び出し、灰器も運び出す。
体を棚正面に回し、
右手で羽箒を取ってから、左手を使って持ち直して、右手で膝前に膝と平行に置く。

取り方は、
右手で羽箒の柄を取る。
羽箒の柄を取った右手の親指を下に向けて、柄を水平にする。
柄の下にある右手の親指と反対側に左手の親指が来る様に、左手の親指を上にして左手で柄を掴む。
次に、
左手の親指と右手の親指の両方が柄の同じ側をなるようにして、
右手で掴み直して、膝前に右手で膝に平行に羽箒を置く。

右手で香合を取り、左手で下から受けて持ち、
右手で羽箒を持って、炉正面に回り、
羽箒を炭斗と炉縁の間に置く。
左手の上から香合を右手で取り、炭斗正面の縁内に右手で置く。

女子は、羽箒と香合を別々に置く。
男子と同じ様にして、羽箒を右手で取り、左手で扱って、右手に持ち直して、
炉正面に回り、炭斗と炉縁の間に置く。
再び棚正面に向き直り、右手で香合を取って、左手に載せて炉正面に向き、
右手で縁内に置く。

後は、
常の通り、鐶・火箸を炭斗から下ろす。

参照
2016年3月5日「抱清棚


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2020年12月4日金曜日

椿 炉の花

椿 炉の花

椿は、通常 蕾を生ける。
開いた花は生けない。

理由は色々あるのだろう。

冬の寂しさを表現する。
開いた花は派手すぎて侘の気分に合わない。
更に、開いた椿の花は何時落ちるか分からない。

但し、
杓子定規に椿は蕾だと言って、蕾だけしか生けないのも、能がない。
七代如心斎も、四月の炉の花に赤の藪椿の開いた花を生けられたと
伝えられている。
四月ともなれば、茶室の外の野山は花の最盛期であるからだろう。

小間であれば、侘の花入に茶味豊かな花が合うが、
広間であれば、小間と同じ花入と花では、取り合わない事も多い。

花と花入の調和、
花入と茶室の取り合わせ、
花と茶室の調和、も大切である。

ふっくらとして形の良い蕾、
少しほころび始めた蕾、
葉の色や形が良いもの
が喜ばれる。

以上

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2020年11月22日日曜日

茶杓 拭き漆

拭き漆 茶杓


利休から古田織部、細川三斎、小堀遠州頃までは、ほとんど拭き漆の茶杓である。

三代 元伯宗旦になると漆を拭いてない茶杓が多くなるそうである。


拭き漆の茶杓(写真)

土岐二三 作。1640年頃~1730年頃の有楽流の茶人。




拭き漆 茶杓の作り方


400年前にはどの様にして漆を拭いたのか知らないが、

現代 拭き漆の茶杓などを作るには、

茶杓を仕上げてから、

透明漆を塗り、すぐにそれを完全に拭き取ってしまう。

毎日一回 同時刻に同じことをする。

20日~30日くらい経つと、拭き漆の茶杓が出来るそうである。


以上

2020年10月2日金曜日

十五夜

 十五夜

令和2年の十五夜(旧暦8月15日)は、新暦10月1日に当たる。


秋は旧暦では、7月8月9月の3ヶ月。

秋の真ん中の月(8月)を仲秋と言う。(旧暦7月は孟秋、9月は季秋)

旧暦8月15日の夜を十五夜と言う。

旧暦8月15日の月を「中秋の名月」「芋名月」と呼ぶ。「仲秋の名月」とも。

(芋は里芋で、サツマイモではない)

日没と共に東の空に昇り、明け方には西の空に没む。

これ以降、月の出は約50分づつ遅くなる。

「月々に 月見る月は 多けれど 月見る月は この月の月」(読み人不知)

旧暦9月13日の夜を「十三夜」と言う。

9月13日の月を「栗名月」「豆名月」と言う。

旧暦では閏月があるので、閏8月または閏9月が挿入される年がある。

その場合は、1年で十五夜または十三夜が2度現れることになる。

二度目については、それぞれ「後の十五夜」「後の十三夜」と呼ばれる。

直近の閏8月は1995年その前は1976年、閏9月は2014年その前は1843年。それぞれ「後の十五夜」「後の十三夜」があったことになる。


参照

2014年12月7日「月の色々の名称

2021-1-22 参照を追加

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