2019年2月14日木曜日

茶事 案内、前礼、礼状の実際

2015年1月に、茶事の案内から礼状迄の流れを書いたが、
これは、客が亭主との立場が同等ないし同等に近い方の場合であり、
常にこの流れで進行する訳ではない。

2015年1月14日「茶事 案内状 返書 前礼 礼状」を参照。
2017年1月12日「手紙 名宛人・差出人 書き方」を参照。

亭主と客との関係がどうであるのかを考慮しなければならない。
客が、亭主の師匠であったり、社会的地位が高い方であったり様々であるが、
亭主なりに配慮する必要がある。

例えば、亭主の師匠が客の時には、
案内状から出席の返事までは通常通りだろうが、
前礼と礼状は通常と異なる配慮も必要だろう。
前礼は、客からではなく、亭主から客に対して前礼をする、
又、礼状も客からではなく、亭主から客に対してする等になるだろう。

何しろ、亭主と客の関係をよく考えた上で、行動する必要があると思う。



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尺 間 寸法 長さ単位

重さの単位に「匁」があるが、
2016年9月20日 「匁 斤 重さ」参照

長さには、「尺・寸」「間」等がある。

「尺」は、「曲尺かねじゃく」と「鯨尺くじらじゃく」の区別がある。

明治以降、「曲尺」は、約30.3cm。「鯨尺」は、約37.9cm。
明治時代、「曲尺」の1尺は、10/33メートルと決められた。

和服や帯の寸法に使うのが、「鯨尺」。
その他の寸法に使うのが、「曲尺」となっている。
「曲尺」の1尺 = 「鯨尺」の8寸。
「鯨尺」の1尺 = 「曲尺」の1尺2寸5分。

お茶の道具は、布の物であっても「曲尺」を使う。

畳や建物には、「間」を使う事がある。
「間」は、柱と柱の間を言い、元々寸法の単位ではなかった。
長さの単位は、「尺」であった。

太閤検知で有名であるが、豊臣秀吉が租税の為に土地の測量を行ったが、それの単位に「間」が使われた。
太閤検知の場合は、1間=6尺3寸。
明治時代に、1間=6尺に決められた。

茶室に使われる「間」「尺」の関係は、次になる。
京間では、
建物を言う場合は、1間=6尺5寸。 畳を言う時には、1間=6尺3寸。
江戸間では、
建物を言う場合は、1間=6尺。 畳を言う時には、1間=5尺8寸。

2019-5-5 文字修正


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2018年12月20日木曜日

平炭斗 炭点前 炉

炭斗には、竹のザルの様な形をした、大きい平たい物もある。

この様に平たい炭斗には、少し深めの炭斗とは違って、火箸に鐶を掛けて持って出る事が出来ない。
普段の様に火箸が置けないからである。

この様な炭斗に炭を組む時には、炭台と同じ様に組めばよい。
但し、小奉書を敷く事はない。
炭点前も、炭台の点前に習ってすればよい。

下記を参照の事
2019年6月2日 「平炭斗 炭点前 炉(2)
2015年1月7日 「炭台 炭点前 炉
2015年1月7日 「炭台 炭その他の配置


2019-1-10 修正

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2018年10月14日日曜日

蓋置の扱い(置く、取る)

仕組んだ建水から蓋置を取る場合

左手で柄杓を取り上げ、右手を使いながら、柄杓を左手で左脚上に構える。
柄杓を構えたまま、右手で蓋置を取り、そのまま右手で定所に置く。
蓋置を握る右手の親指は、蓋置正面に当て、そのまま右手で定所に置く。

女子の場合は、

左手で柄杓を持ち上げ、右手で蓋置を取り出し、左手の柄杓はそのまま建水に戻す。
右手の蓋置を、左手の平に載せ、右手で握り直して、定所に置く。

女子も男子も、一度左手の平に蓋置を載せ、右手で握り直して置く場合には、
右手の親指は無理に蓋置正面に当てる必要はないだろうと思う。
握り易いように、右手は握ればよいと思っている。
右手の親指を蓋置正面に当てて悪い事もないだろう。

男子は、特殊な場合を除けば、右手で蓋置を取り、そのまま握り替えずに蓋置を置くので、蓋置の正面に親指を当てる必要がある。
しかし、左手の平の上で握り替える場合には、無理に蓋置正面に親指を当てる必要もないと思う。

次も参照
2021年6月19日 「竹の蓋置
2016年1月11日 「柄杓を構える 左手 握り方
2015年10月6日 「柄杓・蓋置 飾り残し
2015年10月1日 「風炉 大板(敷板)(4) 飾り残し柄杓を使う
2015年10月1日 「風炉 大板(敷板)(3) 点前の終わり
2015年10月1日 「風炉 大板(敷板)(2) 点前の始め


2019-5-5 一行追加

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濃茶 仕服を置く場所

仕服(袋)の打止め(緒の結び目)は、客付に向ける。

2014年11月3日 「仕服の紐 緒縒」参照

風炉 水指運びの時

風炉の右側に水指を置く場合

仕服は、水指の左、風炉との間の向こう寄りに置く。
水指の蓋を水指の左に立て掛けるので、又 、水指と風炉の間は広くないので、
水指の蓋から少し離れた向こう寄りに置く。

風炉 中置
仕服は、釜の右横で畳の左右の空きの中央に置く。

炉 水指運びの時

仕服は、水指の左横、水指左横畳の空の真ん中あたりに置く。

台子
仕服は、天板・勝手側・手前に置く。

長板 諸飾り・二つ飾り
茶碗を仮置きする辺りに置く。

長板 一つ飾り
細水指の右横辺りに置く。

紹鴎棚
地袋の上の板の勝手側・手前に置く。

袋棚
右側中板の勝手側・手前に置く。

小袋棚
右側地袋の上の板の勝手側・手前に置く。

小棚
柄杓蓋置を飾り残す板(例えば、二重棚の場合、天板)の勝手側・手前に置く。

2015年10月6日 「茶入の袋 置き場所 棚物」参照

三木町棚(江岑棚)
引出しの中に入れる。

旅箪笥
柄杓を掛ける切込みの上辺りに置く。

竹釘が付いた棚(例えば、抱清棚)であれば、竹釘に掛ける。


2018-10-14 2行追加

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2018年9月8日土曜日

老松割蓋の茶入 男子のお茶のはき方

老松割蓋の茶入

千家六代 覚々斎好みである。
利休好みの茶室である待庵(国宝)がある山崎の妙喜庵の境内にあった老松が枯れ、
覚々斎がその枯れた老松を挽かせて茶入を好んだ。
30個好まれたそうだ。
溜塗。蓋は割蓋。仕服の緒は長緒。
それ迄は表千家では茶入の緒は短緒で、長緒は覚々斎の頃には絶えていたが、この茶入に覚々斎は長緒の仕服を好んだ。

この時に、同じ老松の材で 硯箱、鴛鴦おしどり香合、四方盆が作られているそうだ。

「茶入」とは、通常 焼物の濃茶入れを言う。
この茶入は焼物ではないが、茶入と呼んでいる。
茶器と言っても悪くはないと思う。

習事の一つであるので、細かい扱いは、先生から習うことであるが、男子と女子では異なる所もあるので、少々書いてみた。

茶入から濃茶を茶碗に入れる。

平棗の時と同じ様に、茶入は左手に受けて持つ。
左手の親指を蓋に掛けて、蓋の右側を開いて、お茶をすくう。
人数分の濃茶を茶碗にはいたら、
茶杓を茶碗の口で一度払って、茶杓を右手に握り込み、右手で割蓋の蓋を閉める。
茶入を茶筅の横に戻して、
茶杓を持ち直して、お茶をさばく。
後は通常と同じ。

女子は、普通の茶入と同じ様に、茶杓を茶碗に預けて、茶入の蓋をする。

拝見に出す時は、
右側の蓋を開け、右半分の口を帛紗で拭く。
お茶を取った方の口だけ拭けば良い。

御三器を持ち運ぶ時には、
仕服の底が大きくて、底の右横に置いた茶杓を、左手の親指で押えられない時は、
仕服の底の上に茶杓を置いて、親指で押えても良い。

2021-4-30 一行追加
2025-4-29 一行追加

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2018年7月1日日曜日

柄杓 お湯(水)を汲む

お湯(又は水)を汲む時の「柄杓」の使い方

柄杓でお湯を汲む時、汲むお湯の量は、汲む前に決めている。
茶碗を温める時、お茶を掃いた茶碗にお湯を入れる時には、柄杓に一杯(沢山)のお湯を汲む。
茶碗をゆすぐ時、お仕舞に茶筅をすすぐ時、水指から釜に水を差す時には、柄杓に一杯ではなく、半分位ないし適当な量のお湯(水)を汲む。

柄杓がお湯の水面に来た時に、合の傾きを動かして、適量のお湯になる様に、調整することはしない。

汲みたいお湯の量になる様に、柄杓がお湯の中にある時に、柄杓の合の傾きを決めてしまう。
同じ傾きのまま柄杓を上げてきて、柄杓のお尻が、水面から離れてから、柄杓の合を水平にする。

これは、釜から茶碗まで柄杓を移動させている間に、お湯が落ちない様にする(又は、落ちにくくする)やり方である。

柄杓の合の底は、凹型になっているので、水面から出た後に合の底面に未だ残っているお湯は、直ぐには合から落ちない。
合の底面でサマヨッテいるお湯が畳に落ちる前に、茶碗の中にお湯を入れる事になる。

水中で傾けた柄杓のその角度をそのまま変えることなく、柄杓の合のお尻を水面から上げると、お湯の切れが良いので、合の底には余りお湯は残らない。

柄杓の合を水面から上げた後、お湯が切れるまで待つ必要もない。



次も参照
2018年7月1日「お茶を点てる 留意点 茶の量 お湯の量
2015年5月9日「濃茶の点て方 濃さ
2015年5月9日「薄茶の点て方 お茶の量 お湯の量
2015年5月9日「茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる

2018-7-9 修正
2018-7-19 修正


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