2016年4月6日水曜日

大水指 大壷水指 炉

春、水ぬるむ頃、大水指が使われることがある。

家元利休忌の松風楼では、大壷水指(大瓶水指とも言う)が使われる。

瀬戸染付の大壷で、十代 吸江斎が紀州徳川家治宝公より拝領、十一代 碌々斎がアメリカ産松の木の黒掻合せ塗の大板を敷板として好んでいる。

拝領の大水指なので家元では大板に載せて使われているが、そうでない大水指には大板は使わなくてもよい。

大瓶水指は、炉縁の線の八寸(約24cm)先に、盆蓋をかぶせて置く。
蓋には、蓋の立ち上がりを山並みにした山路盆もある。

居前は外隅中心。
居前のままで大水指の蓋を扱うので、扱い易い様に外隅中心に座っている。

蓋置は竹でなく、少し侘びた物を使う。
柄杓の湯返しはしない。

茶器(茶入)、茶筅は、大水指と炉隅の間に流して置く。

大瓶の蓋を取る時

右手親指を上にして、蓋の手前正面を取り、膝の上に持って来て、
左手親指を上にして、蓋の左横を持ち、左手で大瓶の左(勝手付き)に、
蓋の表を客付きにして立て掛ける。

蓋をする時は、そのうち返し。

柄杓・蓋置を残す時は、入り飾りの様にして、置き残す。

稽古で、大瓶の水が少なくなった時は、柄杓・蓋置を水屋に下げ、水次薬缶で水を次ぐ。
蓋の上に、結び帛紗を置き残してもよい。




2016年4月7日 「大水指 大口 炉」 も参照。


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2016年4月3日日曜日

美味しいお茶 茶の湯自慢

「江岑夏書」を四代 江岑が自筆で清書した「逢源斎書」が家元に伝わるが、
その中で、茶の湯が出来ると言うには長い年月がかかると言っている。

江岑が元伯宗旦から聞いた事と思われる。

「茶之湯は 二十年も致候ハては ならす候
極を 二三斤のミ候ハては ならぬと古より申候
今は 昨日今日の茶之湯いたし ちまんいたし候」

「茶の湯は 二十年も致し候はでは ならず候
極(良質のお茶)を 二三斤(一斤は約750g)飲み候はでは ならぬと古くより申し候
今は 昨日今日に茶の湯を始めたのに 自慢いたし候」

「茶の湯は、20年以上しなければならない」
「極(濃茶)を1,500g~2,250g飲まなければならない」
となると、
お茶の味が分かるレベル、上手に点てられるレベルに中々達しないのは当たり前の事と納得した。

濃茶1人前4g(~3.5g)として、375服~640服飲まねばならないが、
上手に点てた濃茶を月に3回(3服)飲んだとして、10年~18年かかるので、
上手に点てた濃茶を月に3回飲むのは大変な事であり、濃茶の味が分かる所に到達するのは至難の業と思える。

ある本には、茶事に月二回呼ばれたとして、極を二三斤飲むには20年かかると書いてあった。

また最近は、薄茶も もっと美味しく点てられるはずだと悩んでいる。

ある人は、

薄茶は、少し濃い目に、少量点てた方が良いと言っていた。
お客がもう一服欲しいと思う様に、点てなければならないと言っていた。

また、茶事に行っても美味しいお茶に当たる事は少ないとも言っていた。

これにも納得してしまった。
形や道具にばかりこだわっても、美味しいお茶を出さなければ茶事とは言えないと反省。



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初座後座 衣服替え 茶事

茶事に於いて、初座と後座に衣服を替える事がよく行われている。

四代 江岑の自筆書が家元に伝わっているが、その中に聞書として、次の様な記載がある。

「衣服替ル事 人によるへし わひならは其儘可然候」

「衣服を替える事 人によるべし 侘びならば そのままで然るべく候」

侘茶では、初座後座共に同じ衣服で良いと言っている。




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2016年3月5日土曜日

抱清棚

抱清棚 (ほうせいだな)

桐木地 吸江斎好み
杉木地 碌々斎好み

三井家のどなたかが入手した朝鮮唐津の水指の為に、小間の雰囲気を広間に取り入れられるように、吸江斎がこの棚を好まれたと聞いた事がある。

炉用と決まっている訳ではないが、風炉と並べると非常に窮屈になるので、炉用と言っても過言ではない。

水指は、運び。
湯返しは、しない。
蓋置は、竹を使う。

茶入の仕服は、緒の輪になっている方を竹釘(柄杓釘)に掛ける。
仕服の口は、棚の奥の方を向く。

柄杓は、合を竹釘に掛ける。
蓋置は、柄杓の柄の足元に置く。

「柄杓」と「仕服」を竹釘に掛ける(取る)時には、

居前から掛ける(取る)には、左手を使う。
柄杓の柄の節の少し上を、左手で竹の表皮の方から掴む。

棚正面で掛ける(取る)には、右手を使う。
柄杓の柄の節の少し上を、右手で竹の裏の方から掴む。

初炭の時、羽箒を竹釘に掛け、下に香合を置いても良い。


抱清棚 濃茶



抱清棚 薄茶





下記も参照
2016年12月1日「柄杓湯返し 竹蓋置 広間
2015年5月27日「竹蓋置
2020年12月9日「抱清棚 初炭 羽箒の扱い
2021年6月19日「竹の蓋置




2016-8-18 修正

2020-3-2  修正
2020-12-10 参照項目追加



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2016年3月3日木曜日

腰掛 円座 煙草盆 手あぶり 茶事

客は、寄付で白湯(さゆ)を頂いた後、半東の案内に従って腰掛に移る。

腰掛には、円座・煙草盆が用意されている。
寒い時期には手あぶりが出されている場合もある。

腰掛は、通常茶室に近い方が正客の座になっている。
正客が足を載せる石は、次客以下と異なっているので、直ぐに分かる。

円座・煙草盆・手あぶりは、詰の席(下座)に用意されている。
円座を重ねて、その上に煙草盆の正面を横にして置いてある。
正客の座が右側にある場合は、キセルの吸い口が右(壁側)になる様に煙草盆を置いてある。
正客が煙草盆を、正客と次客の間に、そのまま移動させれば良い様になっている。

手あぶりは、正客の座が右側にある場合は、煙草盆が載った円座の右側に置いてある。

手あぶりがない時、

正客は、先ず煙草盆を持って、正客と次客の間に、煙草盆の正面が自分の方を向くように、キセルの吸い口が右(壁側)になる様にして置く。
次に、一番上の円座を取って、自分の席に置いて、そのまま座る。
次客も、正客に続いて、上から円座を取って、自分の席に置いて座る。

手あぶりがある時、

正客は、先ず手あぶりを持って、正客と次客の間に置く。
次に煙草盆を持って、正客の席より上座に、煙草盆の正面が自分の方を向くように、キセルの吸い口が右になる様にして置く。手あぶりと煙草盆は正客の席の左右に分かれて置くことになる。
煙草盆の向きは、次客との間に置く時とは逆になる。

又は、手あぶりを次客に近い方、煙草盆を正客に近い方に、正客と次客の間に両方とも置いても良い。

席入りを始めると、腰掛を整理するが、それは詰(末客)の仕事になる。
正客は、円座の表を手前にして(裏が壁側になる)、後ろの壁に立て掛けて、蹲踞に向かう。
次客は、正客の後を追いかけない様に、少し余裕を持って、同じ様に円座を後ろに立て掛けて、正客に続く。
詰(末客)は、円座・煙草盆・手あぶりを元の様に片づけて蹲踞に向かう。


2014年11月19日 「腰掛 煙草盆 円座 扱い」を参照のこと。




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2016年2月22日月曜日

花所望 茶事 (2)

後座で亭主は、茶道口を開けて、

花台を床の上に置いておいた場合は、
(1)膝前に何も置かずに、正客に花を所望する。 又は
(2)茶碗を膝前に置いて、花を所望する。

花台を床に置いておかなかった場合は、
(3)花台を膝前に置いて、茶道口を開け、花台を床に運び出し、
茶道口外に下がって、花を正客に所望する。

正客は、次客以下に会釈をして尋ね、次客以下が辞退する時には、必要であれば亭主に花入についてお尋ねをした後、
花入の前に行き、花入をよくよく拝見する。

花台の前に移り、花台を手前に引き寄せ、花を見繕って、小刀で花の下端を切り揃え、
花入の前に戻って花を入れる。

花を花入に入れるには、
座ったまま入れるか、立って入れるかの二通り。
出来るだけ、膝で立って入れない方が良い。

正客が花を入れ終わった頃、又は花台を整理し始めた頃、
亭主は、水を差す様に正客にお願いする。
水を差す事によって、以後花を直しませんと言う事になる。

正客は、水を差し加え、花台を整頓して、切り屑を花台の手前の小刀の下あたりにまとめる。
花台を元の位置に戻し、花をもう一度見た上で、席に帰る。


亭主は、茶道口を出て、床前に進み、花を拝見し、
膝を少し動かし、正客の方に向かい花の礼を述べる。

亭主は、花台を下げる。
茶碗を持ち出し、濃茶となる。

亭主が茶碗を膝前に置いて、花を所望した場合は、
正客が花を入れた後、茶碗を持って席に入り、点前座に進んで茶碗を茶入と置き合せてから、
花台を取りに床前に進む。
花台を水屋に下げた後、建水を持ち出し、濃茶となる。

茶事の終わりに、客が退出する時、

亭主は、「お花はそのままお残し下さい」の挨拶をする。

亭主からその挨拶がない時は、客は花入から花を取って懐紙に載せ、
床の隅に置いて退出する。



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2016年2月7日日曜日

花所望 茶事 (1)

習事の花所望では定まったやり方で行われるが、
ここでは実際の茶事で、花を所望される(所望する)場合の心得を記す。
習事とは若干異なる部分もある。

花所望は後座の初めに行われる。
よって、茶室は濃茶の飾付となる。
花入は、後座であり掛物は外してしまうので、通常、床正面の大平壁に掛けるか、床の中央に置くかのどちらかになる。

花台には、花・小刀・水次・茶巾を用意する。
花台は良く濡らして、水を切っておく。
客より到来の花であれば、全部の花を載せて置いても良い。

花の上部を花台の左斜め上にして、右斜め下に向かって、斜めに置いておく。
花には、よく水をかけて濡らしておく。
畳んだ茶巾をのせた水次を花台の右上隅に、花に平行に置く。
小刀は、花に平行にして、花台の手前の枠に、柄を掛けておく。

後座の客席入り前に、花台を床に置いておく場合と、置いておかない場合の二通りある。

花台を床に置いて置く場合にも、
何も膝前に置かずに襖を開ける場合と、仕組んだ濃茶の茶碗を膝前に置いて襖を開ける場合の二通りある。

花台を床に置いておかない場合には、膝前に花台を置いて襖を開ける。

花台を置く位置は、床の下座三分の一位。

碌々斎は、花台を前もって床に飾っておいた方が良いと言われている。

花入には、水を七分目~八分目入れておく。 当然ながら、花は入れておかない。
掛け花入の場合は、掛ける穴を上端にして、水を七分目~八分目入れる。

花台に載った花から、花入に入れる花を作るには、
先ず主になる花を選び、左手に持たせておき、次に後ろに添える花を選び、右手で左手の主になる花に添わせる。
花を揃えたら、花入の長さに合わせて、下端を小刀で切りそろえる。

お茶の花は、少し寂しい方が良いと即中斎は言われている。

小刀で花を切るには、
選んで花入に入れる様にまとめた花を横にして、左手で持ち、右手に持った小刀を枝に当て、
刃の部分で枝を右手で折って、押えたまま右斜め下に、右手の小刀を引いて切る。
切り口は奇麗に切れる訳ではない。ギザギザに切れている。その方が水揚げも良い。

花入に水次で水を加えるには、
水を花入の右から入れるか、左から入れるかによって異なるが、
右から入れる場合は、水次の上の茶巾を右手で取り、左手に持ち替えて、水次の口の下に当て、水次を右手で上から握って、水を加える。
左から入れる場合は、この逆となる。

二重切り、三重切りの花入では、前もって全部に水を入れてある。
花はどれか一か所に入れるが(下から入れた方が良い)、水は上から下へ向かって全部に加える。

花を客が持参する場合は、よくよく考えた上で持参する事。
亭主は吟味して花を用意しているからである。
客が花を持って来れば、亭主は気に入らなくてもそれを使わざるを得ない。

お菓子も同様である。
明らかに水屋見舞いに見える菓子以外は持参しない方が賢明だ。
逆に、亭主としては、水屋見舞いに頂いた菓子が薄茶に使えるものであれば、出来るだけ薄茶の菓子に加えて出す事を考えた方が良い。





2016-10-2 修正


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