2017年5月11日木曜日

前茶 茶事

数か月前招かれた茶事では、濃茶が懐石の前に出されたが、初めての経験だったので、少し調べてみた。

前茶の茶事と言うらしい。

寒季に行われる夜咄や暁の茶事で、温まって頂きたいと、初座席入の直ぐ後に薄茶を供されるのも前茶と言うが、それとは別物である。

前茶の茶事は、正午の茶事の変形で、懐石を出す前に濃茶を差し上げるやり方になっている。

初座席入 → 初炭 → 菓子 → 中立 → 後座席入 → 濃茶 → 広間に移る
 → 懐石 → (後炭) → 薄茶

古くから行われている訳ではなく、昭和になってから行われるようになったらしい。

これが行われるようになった理由は知らないが、
想像するに、
(1)一度に大人数(10人~13人位?)を招きたい
(2)小間を使いたい
事から、行われるようになったのではないだろうか。

茶事の雰囲気を盛り上げるのは、やはり小間であるが、
懐石を出すには小間では窮屈すぎる人数であることから、
濃茶を小間で先に差し上げてしまって、広間に移って懐石・薄茶の順序にすると解決すると言ったところだろう。

懐石が出されない位に詰め込まれて小間で濃茶を頂いても、茶事の雰囲気は出てこないので、
矢張り、人数を減らして小間で懐石も頂く形式の方が、茶事に来た気分になる。

私は、初座から後座まで同じ小間で行われる茶事の方が好きだ。
前茶の茶事ではなくとも、濃茶の後 広間に移って薄茶を頂く場合もあるが、
茶事の流れが途切れてしまい、あまり好ましいやり方とは、私には思われない。

数か月前の私が招いて頂いた茶事は、客5人であり小間で懐石を頂けない人数ではなかったので、何の為に前茶の茶事にされたのか、理由は分からない。

「同門」を見ていたら、而妙斎宗匠の喜寿の茶事は、前茶でされていた。
今回のような家元お祝いの茶事では、招かれる客も多く、一席の人数も不審菴で懐石を出すには窮屈になるだろうから、
不審菴で濃茶、残月亭で懐石と薄茶となるのは仕方ない事なのだろう。


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4 件のコメント:

  1. 前茶の茶事とは初めて聞きました。今度夜咄の茶事に招かれていまして、何か特記する注意点があれば教えてください。

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    1. お楽しみで、羨ましいです。
      昔ですと夜咄は炉の時期のものでしょうが、近年は勤め帰りにでも参加出来ますので、炉風炉関係なく楽しめる茶事ではないでしょうか。
      薄明かりに初座、すっかり暗くなって後座、お楽しみ下さい。
      夜咄だからと言って、特に違うことはないと思いますが、
      風炉の夜咄は炉の厳寒の頃とは違いますので、
      初座の初めにちょっと身体を温めて頂きましょうとの事で出して頂く、後座の道具とは違った軽い道具での前茶はないでしょうね。
      暗くなるのは確かなので、油や蝋燭を使った照明が必ず出るでしょうから、電灯でない昔の明かりを楽しまれてはどうでしょうか?
      一番はお茶を楽しむ事でしょうがね。
      楽しんで頂きたいと思います。
      行かれた後で又コメントを下さい。

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    2. ご返信ありがとうございます。当方南半球に住んでおりまして、現在極寒の中におります。夜咄の茶事は初めて参加させていただきます。初座の前にお煎茶が出るのは、楽しみです。今から体調を整えて楽しんできます。

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    3. 煎茶ではなく、薄茶です。
      炭点前の前に出ます。

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