初炭で、羽箒と香合を飾る(飾っても良い)大棚と飾らない大棚がある。
台子
天板に羽箒・香合を飾ることはない。
茶入を天板の中央に飾る。
竹台子
諸飾りにして、天板の中央に茶入(薄茶の場合は茶器)を飾る。
天板に羽箒・香合は飾らない。
但し、風炉一つ飾りの場合、初炭で天板の客付き三分の一程に羽箒・香合を飾ることもある。
紹鴎棚
天板の客付き三分の一程に羽箒・香合を飾る。
中棚の中央に茶入を飾る。
利休袋棚
右側中棚に羽箒・香合を飾る。
左側中棚に茶入を飾る。
天板には何も飾らない。
長板
飾る場所もないので、羽箒・香合を飾ることはない。
炉の初炭で羽箒・香合を飾った場合、
炭斗、灰器を持ち出してから、
身体を大棚斜めに向かい、羽箒を右手で取って、膝前に真横に置き、
そのまま更に、右手で香合を取って、左手に受けて持たせ、
右手で膝前の羽箒を取って、身体を炉正面に廻して定所に置く。
女子は、
棚正面に向かい、羽箒を右手に取って、左手をあしらって右手にしっかり持たせ、
炉正面に廻って炭斗横に置く。
更に、もう一度、棚正面に廻って香合を右手で取って、左手に受けて持たせて、
炉正面に廻って定所に置く。
女子も、棚正面に向かわずに、男子と同じく棚に斜めに向かって、羽箒と香合を取るやり方もある。
棚正面に向いた時と同様に羽箒と香合は別々に取る。
2020-01-12 追加
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天板の中央に茶器や茶入れを飾る時、峯はずし?などという表現で、ほんの少し中心を避けるというような話を聞いたことがありますが、仙石様はどのようにお考えですか?
返信削除「峰はずし」、初めて聞きました。
削除言葉だけでなく、中心を外すことも知りませんでした。
中央に飾る場合ではありませんが、それに関連すると思いますので、私が教えて頂いたことを少し記してみます。
例えば、竹台子一つ飾りでは、「薄茶器は天板の客付き三分の一に飾る」と本などに書いてありますが、
私が教えて頂いたのは、「客付き三分の一」ではなく、「中央から少し客付きに寄せる」でした。
本では、理解し易くするように「三分の一」と書いてあるが、寸法での「三分の一」ではない。 と言うことでした。
見た目にどう見えるかが大切で、ここにお茶のセンスが問われるのだと思います。
薄茶器だけ三分の一に置くではなく、置いた道具全体のバランスなんですね。
ここにお茶の感覚が優れた人とそうでない人の違いが出てくるのですね。
そこがお茶の難しいとこですね。
私も中々感覚を研げません。
今回の「峰はずし」も、
最初にされた方は、全体のバランスからそうせざるを得なくてされたのだろうと思いますが、
それを真似た方は外すことだけに目が行ってしまったのでしょうね。
全然回答になっていませんね。
それから余計なことですが、
「宗匠方が色々教則本を出版されているが、あれに書いてある事全てが正しいと思ってはいけない。本がどの様な手順で出版されているか知らないから全て正しいと思ってしまう」とも言われました。
本当に余計なことですが。
私のブログも色々間違いがあると思います。
但し、私は正しいと思って書いていますよ。
「本では、理解し易くするように「三分の一」と書いてあるが、寸法での「三分の一」ではない。」
削除「お茶のセンスが問われる」
「置いた道具全体のバランス」
お茶の世界は学べば学ぶほど先が見えなくなってきます。(涙)
色々な出版物も仙石様のブログも、先ずはそのまましっかり頭に入れて理解し、もし私には適さない部分があったなら、取り込んだ知識とか積み重ねた時間の量が自然と取捨選択の道を開いてくれるものと思っています。
この度もどうもありがとうございました。
棚飾りは出先でいつも「あれ、これでいいの?」の世界ですので、このページをコピーして数奇屋袋にいれておきます。
返信削除「女子は、棚正面に向かい、羽箒を右手に取って、左手をあしらって右手にしっかり持たせ、~」
やはり右手になるんですね。女子の場合、左手だと膝を繰りやすいので、時々羽箒を左手に持ったまま繰っていらっしゃる方をお見かけしますがやはり宜しくないですね。
確認できました。ありがとうございました。
ぶりぶり香合の扱い(紹鴎棚)をご教示ください。
返信削除①初炭点前において,天板にぶりぶり香合を「左に傾けて」置き,羽箒は香合の上に「右に傾けて」置くのでしょうか?
②ブリブリ香合を天板から下ろす場合,炭台の手前に横に置き,使用後の羽箒は十字に置くのでしょうか,それともぶりぶり香合は左に傾けて置き,羽箒は香合の上に右に向けて置くのでしょうか。
③男女で扱いの違いがあれば,ご教示ください。
④ブリブリ香合(小)の扱いにおける相違点も合わせてご教示ください。
よろしくお願いいたします。
コメントを頂き有難うございます。その上返答が遅くなり申し訳ありません。
削除ぶりぶり香合は持っておりませんし、初炭の状態で飾ってある所を拝見した事もありません、又ぶりぶり香合を使っての炭点前も拝見したことがありません。床脇にぶりぶり香合だけを飾ってあるのを拝見したことがあるだけです。
と言うことでお答え出来ずに申し訳なく思います。
(1)については、仰る様に「メ」の形になる様に飾ると思いますが、
(2)~(4)については、分かりませんが回答になります。
お返事が遅くなった上に、こんな回答で申し訳ありませんでした。
いつもお勉強させて頂いております。
返信削除長板諸飾りで盆香合をする事は、望ましくないでしょうか?
台子の天板に羽と香合を飾らないとすると、やはり台子の時も盆香合は、出来ないのでしょか?
台子類の棚は、特別と考えるべきでしょうか?
どうぞ宜しくお願い致します。
習事など相伝ものについては、このブログでは出来るだけ書かないようにしています。
削除盆香合を飾るか否かですので、今回は返信させて頂きます。
先ず、初炭で羽箒と香合を飾っておく場合と、盆香合とは全く別物だと考えるべきだと思います。
盆香合は、香合を尊しと考えて盆に載せて飾っておくのだと思います。
千宗左(即中斎)著の「習事十三箇條」河原書店版にも、千宗左(而妙斎)著の「茶の湯表千家」主婦の友社版にも、盆香合を載せる棚については、小棚のことしか書いてありません。
しかし、盆香合は拝領の香合などを尊んでの所作ですから、
棚がある時は棚に飾り、
棚がない時には盆に載せたまま水屋から持ち出して用いる事になるようです。
諸飾の台子では、天板中央に飾る。
竹台子風炉一つ飾りでは、天板客付き三分の一に飾る。
長板では、運び出し。
長板の場合、
香合が必要になった時点で、水屋から運び出すのは、何か間が抜けてしまいそうですから、少なくとも風炉の長板では盆香合は止めておいた方が良さそうですね。
炉では道具を持ち出す最後にでも持って出て、炭斗の手前の普段香合を置く所に置けば何とかなりそうです。
本当に詳しくありがとうございました。
返信削除風炉の長板での持ち出しは、確かに間が抜けてしまいそうで、避けた方がよさそうです。
大変参考になりました。
ありがとうございました。