掛物の表具(軸表装)には、色々あるようだが、
よく目にするのは、図の様な表具が多い。
本紙
一文字
中回し(ちゅうまわし) ・・ 中縁(ちゅうべり)とも言う
上(じょう)下(げ) ・・ 天地(てんち)とも言う
風帯(ふうたい)、露(つゆ)
表木(ひょうぼく)
掛緒(かけお)、巻緒(まきお)
軸先(じくさき)、軸木(じくぎ)
等々から出来ている。
名称は、様々に言われていて、一定していない。
「風帯」には、普通、「一文字」と同じ裂を使う。
時には、「中回し」と同じ裂を使ってあるものもある。
「露」は、「風帯」の下端の左右に付いている綿の糸。
「露」を摘まんで「風帯」を扱う。
普通「露」は白色だが、色が付いている「露」もあり、「花」と言うらしい。
中でも薄い黄色の「露」は、「水」と言うらしい。
「風帯」には、普通折り目が付いているが、折り目を直そうと思って押さえ過ぎないように注意する。
折り目は付いていて宜しい。
貴方の為に箱から出してきたばかりですと言っている様に見える。
「掛緒」を「掛物釘」に掛けて、掛物を掛ける。
「掛物釘」は、表千家では竹を使う。
掛物を掛けている時には、「巻緒」は「掛緒」の端まで移動させる。
床の勝手付きの方の「掛緒」の端に持ってくる。
掛物を巻きあげた時に、一番外の「表木」の横に「外題」(げだい)が貼ってある物もある。
軸の内容を記してある紙である。
習事にある「軸飾り」は、「外題」を客に見せる為に、巻いたままの軸を床に飾った「外題飾り」から始まっている。
室町時代に、能阿弥などの同朋衆が軸の内容を極めて、外題にそれを記したことによる。
下記も参照
2015年11月3日 「掛物と後ろの壁」
2015年9月23日 「床の掛物と花入」
2016-10-25 修正
このページ最下部の「ホーム」をクリックすると、私のブログのホームに飛びます。
いつもお勉強させて頂き感謝申し上げます。初座の挨拶が済み
返信削除軸飾りで床に掛けられた軸を拝見する時ですが、やはり扇子を前にして拝見させて頂くべきでしょうか?
掛軸に頭を下げるということを
重く捉えるべきと考えてしまいました。どうかお教え願えませんでしょうか。
どうでしょうか?
削除普通は扇子を前にしては拝見しませんので、扇子を自席からわざわざ持って出る必要はないと思いますが、持って出ても悪くもないかも知れませんね。
扇子は結界の意味で単に相手との境を作っている物だと私は思っています。
相手に敬意を表して、扇子で境を作っているとの考え方もあるようですので、その考えですとこの場合扇子を前にしようと思っても不思議ないですね。
普通は扇子を前にしないが、自分は軸に敬意を表して扇子を前にすると決めたら、それでも良いのだろうと思います。回答にもならず、申し訳ありません。
扇子について考えさせられました。
削除例えば、初座席入りで、床・釜・水指など扇子を前に拝見します。
なんの為だろうかと思いました。
その結果、
私の現在の結論は、
自席に着くまで扇子は右手に持っている。
拝見する時どこかに置かなければならないので、
利休さん乃至過去の家元宗匠のどなたかが膝前に置くと決められた。
です。
(いい加減な話しです。笑って下さい。)
(前に置かない流派もあると思います。千家流以外です。)
なお、
初座で亭主と挨拶する時の扇子は、結界として使っている。
です。
ありがとうございます。
返信削除扇子の意味を結界とするか敬意を表す境とするか、考え方で違いが起こると理解しました。
拝見時、置くところが無いから膝前に置くことに決められた。とても楽しいお話まで含めて頂き、楽しいご回答感謝申し上げます。茶道は色々考えると楽しいです。こんな楽しいものはないなぁ?と思うのですが、若者の皆様にも茶道仲間に是非なって頂きたいと感じる今日このごろです。
本当にありがとうございました。