習事の花所望では定まったやり方で行われるが、
ここでは実際の茶事で、花を所望される(所望する)場合の心得を記す。
習事とは若干異なる部分もある。
花所望は後座の初めに行われる。
よって、茶室は濃茶の飾付となる。
花入は、後座であり掛物は外してしまうので、通常、床正面の大平壁に掛けるか、床の中央に置くかのどちらかになる。
花台には、花・小刀・水次・茶巾を用意する。
花台は良く濡らして、水を切っておく。
客より到来の花であれば、全部の花を載せて置いても良い。
花の上部を花台の左斜め上にして、右斜め下に向かって、斜めに置いておく。
花には、よく水をかけて濡らしておく。
畳んだ茶巾をのせた水次を花台の右上隅に、花に平行に置く。
小刀は、花に平行にして、花台の手前の枠に、柄を掛けておく。
後座の客席入り前に、花台を床に置いておく場合と、置いておかない場合の二通りある。
花台を床に置いて置く場合にも、
何も膝前に置かずに襖を開ける場合と、仕組んだ濃茶の茶碗を膝前に置いて襖を開ける場合の二通りある。
花台を床に置いておかない場合には、膝前に花台を置いて襖を開ける。
花台を置く位置は、床の下座三分の一位。
碌々斎は、花台を前もって床に飾っておいた方が良いと言われている。
花入には、水を七分目~八分目入れておく。 当然ながら、花は入れておかない。
掛け花入の場合は、掛ける穴を上端にして、水を七分目~八分目入れる。
花台に載った花から、花入に入れる花を作るには、
先ず主になる花を選び、左手に持たせておき、次に後ろに添える花を選び、右手で左手の主になる花に添わせる。
花を揃えたら、花入の長さに合わせて、下端を小刀で切りそろえる。
お茶の花は、少し寂しい方が良いと即中斎は言われている。
小刀で花を切るには、
選んで花入に入れる様にまとめた花を横にして、左手で持ち、右手に持った小刀を枝に当て、
刃の部分で枝を右手で折って、押えたまま右斜め下に、右手の小刀を引いて切る。
切り口は奇麗に切れる訳ではない。ギザギザに切れている。その方が水揚げも良い。
花入に水次で水を加えるには、
水を花入の右から入れるか、左から入れるかによって異なるが、
右から入れる場合は、水次の上の茶巾を右手で取り、左手に持ち替えて、水次の口の下に当て、水次を右手で上から握って、水を加える。
左から入れる場合は、この逆となる。
二重切り、三重切りの花入では、前もって全部に水を入れてある。
花はどれか一か所に入れるが(下から入れた方が良い)、水は上から下へ向かって全部に加える。
花を客が持参する場合は、よくよく考えた上で持参する事。
亭主は吟味して花を用意しているからである。
客が花を持って来れば、亭主は気に入らなくてもそれを使わざるを得ない。
お菓子も同様である。
明らかに水屋見舞いに見える菓子以外は持参しない方が賢明だ。
逆に、亭主としては、水屋見舞いに頂いた菓子が薄茶に使えるものであれば、出来るだけ薄茶の菓子に加えて出す事を考えた方が良い。
2016-10-2 修正
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