2026年8月29日土曜日

薄明り 道具の美

 薄明り  道具の美  真価

表千家の月刊誌 同門 令和8年5月号24頁に

「陰翳への回帰」として、

「薄暗がり(薄明り)の中でこそ 、(道具の) 真価を発揮する美がある」

との一文がある。

私も従前からそう思っている。




最近では、掛物を掛けている床にも照明が付いていて、

あかあかと掛物を照らし 細部まで見えるのを良しとする考えもあるようだ。


しかし、

この文にもある様に 

明かるく白々として浮いている掛物より、薄明りの中で見る掛物の方が美しく見える。

茶入や茶碗なども同様で、薄明かりの中でこそ その良さを見ることが出来ると思う。


自然の明かりは横から来るものであり、特に軸を掛けている床については、上からあかあかと照らす照明は一考すべきだと思う。

2026年8月19日水曜日

手水鉢 柄杓 使い方

 手水鉢  柄杓  使い方


よく見かける手水鉢には、

蹲(つくばい)や縁先手水鉢(えんさきちょうずばち) がある。

両方共 柄杓を使って、手を清め 口をすすぐ為に設置してある。

つくばい柄杓には、大中小とあるようだが、私は小は見たことがない。

大が利休形らしい。


柄杓の置き方は、合(水を汲む部分)を横にして、左(合の部分)を奥に、右(柄の先)を手前にして斜めに置く。

合は上を向けて置かない、横にして 口は手前側に向く。


汲み方は、沢山すくう。合一杯にすくう。

一酌目の水半分で 左手を洗い、残りの水で右手を洗う。

水は残らず使う。

次にもう一度、合一杯になるように水をすくい、左手のひらに水を受け、口をすすぐ。

私は、口をすすいだ水は 吐き出さずにそのまま飲んでしまっている。

吐き出した方が良いのかも知れないが、流しを汚したくないので 飲んでしまっている。


その後、合を上にして 柄杓を縦にして 合に残った水で柄杓の柄を流す。

自分の手で柄を触ったので、その部分を洗い流している。

元あった通りに、柄杓をつくばい(手水鉢)に戻す。


柄杓はどう置いてあったか、初めによく見ておくこと。


何しろ、水は沢山すくう。合一杯にすくう。遠慮せずにすくう。

合を横にして手水鉢に置く。


下記も参照

2014-12-19 「手水鉢の柄杓

2014-10-13 「茶事 つくばい 柄杓 後座入り

2026年6月10日水曜日

小間の照明 油皿 スズメ

 小間の照明

私の小間には電気設備を用意していないので、 照明も油やロウソクを使うしかない。

初座後座ともに、暗すぎて、最低 油皿(スズメ)を竹檠に載せて、灯りを取る必要がある。

場合によっては、更にロウソクも追加する


初座に出す懐石は、スダレも掛かっていて暗いので、 どうしてもロウソクを追加する必要がある。


油皿には、燃えてきた灯芯を調整する為に、黒文字を一本付けている。


スズメの 初座の形 (蓋をしている)




スズメの 後座の形 (蓋を取り去った)




私の場合は、スズメと言われる形の油皿を使っているので、写真の様にしている。

初座では、

蓋をした状態で使う。

黒文字は 竹檠の燃え芯受け(?)の上に載せている。

後座には、

蓋を取り去って、黒文字を横にして載せている。


楽焼の器に油を入れると、

油は染み出て来て、下の油受け皿に溜まって来る。

私は1cm強の高さに 竹を輪切りにして、スズメと下皿の間に入れている。 スズメの底が丸みをおびて 安定しないものもあるようなので、その場合は輪切りの竹は必需品になるだろう。


点前座が台目畳で、竹檠を置けない場合には、油皿を壁または柱に掛けることになるだろう。
私は持っていないが、下の図の写真の様に竹の節の上を切って、油皿を載せて掛けるように作ってあるのを見たことがある。



油には、私はサラダ油を使っている。

油皿専用(?)の油もあると聞いたことがあるが、私は使った事はない。

サラダ油で、特に嫌な臭いもなく、問題ない。


油やロウソクを使う利点。

(1) 風情がある。お客様へのご馳走の一つになる。

(2) 油やロウソクを燃やしたスス(煤)が、壁土 天井 木材 竹材に時代をつけて、見栄えが良くなる。

これは電気で照明を取る小間との大きな違いで、

電気照明の小間では、築20年以上経っていても、使った事のない小間に入った様な感じを受ける。

油やロウソクで普段照明を取っている小間の経験がない方には、この感じは 分からないかも知れない。


以上


2026年4月3日金曜日

茶通箱 自茶(棗) のすくい方

 茶通箱は相伝ものであるが、 お茶のすくい方は、棗を使った普段の濃茶の点前と違いはないので、書いてみる。

このブログの 2016年8月14日 

棗 濃茶入としての扱い

にも同等の事を書いているので、参照のこと。


茶杓の扱い等

(1)常の通りお茶を入れている棗から お茶をすくう時

・男性は、

人数分を茶杓ですくい入れて、

茶杓を一つ打って握り込み、

茶杓を握り込んだまま、

右手の親指と人差指中指で棗の蓋をして、

棗を元に戻し、

お茶をさばき、

茶杓を二つ打って、

茶入に戻す。


・女性は、

人数分を茶杓ですくい入れて、

茶杓を一つ打って、

茶杓を茶碗に預け、

棗の蓋をして元に戻し、

お茶をさばき、

茶杓を二つ打って、

茶入に戻す。


(2)計りきりのお茶を棗からすくう時

・男性は、

1人分位を茶杓ですくい入れて、

棗を斜めにして残りを掻き出したら、

茶杓を一つ打って握り込み、

茶杓を握り込んだまま 棗の蓋をして元に戻し、

後は(1)と同じ。


・女性も、

1人分位茶杓ですくい入れて、

残りを掻き出し、

茶杓を一つ打って、

茶杓を茶碗に預けたら、

後は(1)と同じ。


以上

2026年3月6日金曜日

茶筅飾 (稽古の場合) 準備を中心にした要点

 茶筅飾は習事の一つであるが、本にもなっているので書いてみた。
今は飾物と習事に分かれているが、以前は習事十三箇条として一つにまとめられていた。

即中斎十三代家元のお話しでは、習事は小習とも言って、稽古のことを言い、初心者の稽古を意味するらしい。
しかし、中身は初心者の稽古とは言えないものばかりとなっている。

茶筅飾
亭主が正客から茶杓を頂いたので、亭主は茶筅飾りにしたと仮定して、話しをすすめる。

(1)席入り前の準備

支度用の茶碗に、茶巾・茶筅・茶杓をいつもの通り仕組んで水指前に持ち出す。
帛紗で水指の蓋を清める。
帛紗を腰につける。
茶杓を右手で取り、水指の蓋の右側半分の中央に載せる。
茶杓は上向き置く。
水指の蓋の大きさにかかわらず、茶杓の手前を一寸ばかり蓋の端から出しておく。
茶筅を右手で取り、左手に持たせ、右手で茶巾を蓋に載せる。
左手の茶筅を右手に持ち直して、茶巾に載せる。
点前に使う茶碗をよく拭ききり、仕服に包んだ茶入を茶碗に入れて、普段茶入を飾る水指前に置く。
水指が共蓋の場合は、茶杓は水指蓋の上に置かず、茶入の入った茶碗の右側に下向きに載せておく。

(2)点前

柄杓蓋置を仕組んだ建水を、左膝の横に置いて、茶道口で一礼。
居前のまま、茶碗を両手で取り、膝前向こう寄りに両手で置く。 
左手を茶入に添えて、茶入を茶碗から取り出す。
茶入の底が茶碗から離れたら、左手は茶入から離す。
後は、いつもの通り。

(3)ご三器拝見
亭主が茶杓を正客から頂いたと仮定しているので、
亭主は、正客に茶杓のお礼を申し、正客から茶杓の話しを伺う。
但し、
稽古でない茶事の場合は、初座で茶杓のお礼を言っているはずなので、それなりの茶杓の話しになると思う。

以上


2026年1月12日月曜日

台子 諸飾り 濃茶 炉 点前の要点

(a)準備
茶入は 棚前中央に飾る。
途中でも、茶入と仕組んだ茶碗、茶入と茶筅は、棚中央に置き合わせる。
薄茶器は、天板中央に飾る。

(b)点前の始まり
 (座り火箸)
茶碗を持って出て、仮置きする。
先ず 柄杓立から右手で飾り火箸を取り、棚の左 畳の上に左手で置く。
その後、茶入と茶碗を置き合わせる。

(c)点前の終わり
 (立ち火箸)
水指に水を加え、蓋をする。
拝見を請われ、拝見物を出す。
身体を棚正面に回る。
火箸を左手で取り、右手で柄杓立に戻す。
その後、建水を持って、退出する。

(d)柄杓を蓋置に引くことはない。通常の点前で蓋置に引く時には、必ず柄杓立に立てる。

(e)台子の高さ、柄杓立の大きさにより、柄杓を上手く取れない事がある。
その場合は、左手で柄杓立を前に傾けながら、右手で柄杓を取れば良い。
柄杓を柄杓立に入れる時も同様。

(f)居前は、外角中心。

(g)仕服は 天板上勝手側に置く。

(h)初炭点前の時に、天板に羽箒香合を飾る事はない。
但し、竹台子風炉一つ置きの時には、天板右三分の一位に 羽箒香合を飾っても良い。
その時には、茶入や薄茶器は飾らない。

………………

点前
(1)棚正面に座って、茶碗を仮置き。
(2)座り火箸
(3)茶入と茶碗を置き合わせる。
(4)両手で棚の建水を取り、左手で左膝横(風炉先屏風にかからない)に置く。
(5)右手で蓋置を取り出し、左手に載せて、身体を居前に回る。
右手で蓋置を定所に置く。
(6)建水を進め、後は常の通り。
(7)茶巾を水指の蓋の上に載せる。
(8)柄杓立から 右手で柄杓を取り、左手に構えて、釜の蓋を取る。
(9)お湯を茶碗に入れて、釜の蓋を閉める。
(10)柄杓を右手で柄杓立に戻す。
(11)茶筅通しなど、後は 常の通り。

(12)お茶をはいたら、
右手で柄杓を取り、左手に構えて 釜の蓋を取り、お湯を適量茶碗に入れる。
(13)柄杓は釜の口に伏せて掛けておく。
(14)柄杓の柄は、炉縁の右から四分の一位を通る。
(15)お茶を点て、茶碗と出し帛紗を出す。
(16)正客に服加減を尋ねてから、柄杓を構えて、釜の蓋を閉める。
(17)柄杓を右手で柄杓立に戻し、右手で蓋置を取り、左手に載せて、身体を棚正面に回す。
(18)右手で蓋置を柄杓立の前に置く。
身体を棚正面に回らず、居前のままで 蓋置を上げ下げするやり方もある。
(19)中仕舞をし、中仕舞を解く。
通常 中仕舞では、建水に柄杓をたたみ 蓋置も置くが、
この点前では、柄杓は 柄杓立に戻し、蓋置は 柄杓立の前に置く。
(20)身体を棚正面に回し、右手で蓋置を取って、左手に載せて居前に戻り、蓋置は右手で定所に置く。
(21)柄杓立から右手で柄杓を取り、左手に構えて 釜の蓋を取る。
(22)柄杓を右手で釜の口に伏せて掛ける。
(23)茶巾を釜の蓋に置き、水指の蓋を取る。
右手 → 左手 → 右手
(24)後は 常の通り。
(25)茶入と茶碗を棚前中央に置き合わせた後、釜に水を二杓足し、湯返しをする。
(26)釜の蓋をして、柄杓は右手で 柄杓立に戻す。
(27)水指の蓋を閉める。
右手 → 左手 → 右手

(28)ご三器拝見の挨拶を受ける。
(29)蓋置を取り、左手に載せて身体を棚正面に回し、蓋置を右手で柄杓立の前に戻す。
(30)茶碗を仮置きしてから、右手で茶入を取り、拝見に出す。
(31)居前に戻り、茶杓 仕服を拝見に出す。
女子は、いちいち棚正面に回り茶杓 仕服を拝見に出す。
(32)身体を棚正面に回す。
(33)立ち火箸。
左手で火箸を取り、右手に持ち替えて、柄杓立に戻す。
(34)建水を持って退出。
(35)茶碗を取って退出。
(36)水指に水を加える。
(37)建水を飾る場合、
水屋で洗い拭き清めて、左手に持って、棚前中央に座る。
左膝横 少し膝より出して建水を置き、
右手で蓋置を取って 建水に入れ、
両手で建水を持って、柄杓立の前に戻す。
(38)再び出て、ご三器のおたずねに答えて、退出。

以上

下記も参照
2016年1月19日 「台子・長板 諸飾 炉 火箸・建水・蓋置の扱い等

2026年1月13日 文言追加

2025年12月31日水曜日

炭台の炭点前の初め 火箸の扱い 炉

柄杓立がない場合
点前の始まりに、羽箒に並べて火箸を下ろすか否か。

炭台は炭斗に余裕がある為、
柄杓立がない場合には、
点前の始めに 火箸を下ろすか否か 2通りのやり方がある。

(1)炭斗と炉の間に、羽箒のみ下ろす。
火箸は炭斗に残し、畳に下ろさない。
特に邪魔にならないので、炭斗に残したままにしておく。

(2)いつもの炭点前の通り、炭斗と炉の間に、羽箒と火箸を下ろす。

「定本 茶の湯 表千家」而妙斎版では、
柄杓立がない場合には、下ろしてない写真を使ってある。
ただし、炭台から火箸は下ろさないとは書いてない。

しかし、
而妙斎宗匠・猶有斎宗匠のお考えは知らないが、
内弟子宗匠の間では、火箸を下ろさない方と下ろす方の両方ある様で、
自分の考え方で どちらでも良いと思われる。

但し、柄杓立がある場合には、羽箒に並べて火箸を置く。

平炭斗の場合も同様。

下記も参照
2025年12月17日 「炭台の炭点前、紙釜敷、大棚の炭点前関連テーマ
2022年3月31日 「炭斗 羽箒 火箸 香合を下ろした後 鐶と枝炭 炉
2015年1月7日 「炭台 炭点前 炉