2016年4月12日火曜日

向切 炭斗に炭を組む 小間 炉

炉が向切の場合、炭斗は炉の左側に置く。
よって、炭斗の炭の組み方は、炉・風炉の右側に炭斗を置く広間の場合と逆になる。

胴炭を中心として、
炭斗の左側に、添炭・丸管・割管・枝炭・釜敷を入れる。
右側に、火箸・鐶(火箸に掛けて)・香合・羽箒を置く。

火箸・羽箒を下ろす位置は、炉の左横に羽箒、その左に火箸、その左に炭斗となる。
香合は、羽箒の先に置く。

灰器を仮置きする場所は、炭斗の更に左側(少し前)となる。
羽箒の仮置きは、灰器の前に斜めにして置く。

羽箒の羽根の狭い方が火箸を向く原則があるので、羽は所謂「風炉の羽根」を使う。

2014年11月13日「羽箒 羽根 炭点前」を参照のこと。

炭斗から羽箒・火箸・釜敷を取る(入れる)時は、左手を使う。
香合だけは、右手を使う。
香を焚く為に、香合を左手に載せている場合は、右手で火箸を取る(置く)。

写真の炭斗の火箸には鐶が掛かっていないが、これは自在で釜を吊っている為で、
五徳に釜を載せている場合には、火箸に鐶を掛けて持ち出す。





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2016年4月7日木曜日

大水指 大口 炉

大水指 大口

水屋の物であるが、炉の時季、置き水指として使う。
大壷水指と同じく、3月後半~4月初め頃、雪が解け水が温む頃に使う事が多い。

黒は利休形。
杉木地は、碌々斎好み。
溜塗 内 海松貝(ミルガイ)蒔絵は惺斎好み。

居前は、外隅になる。
居前のままで大水指の蓋を扱うので、扱い易い様に外隅中心に座っている。

炉縁の線の八寸(約24cm)先に、水指の口を客付にして置く。
蓋置は竹は使わない。 少し侘びた物が良いかもしれない。

茶器(茶入)、茶筅は、大水指と炉隅の間に流して置く。

大口の蓋を取る時

右手親指を上にして、蓋の手前正面を取り、少し浮かせて、
人差し指以下を蓋の奥まで掛けて、右手でしっかり持ち、
そのまま右の方にずらし、大水指の口の上と水指の上縁にかけて置く。

蓋をする時は、そのうち返し。

柄杓・蓋置を残す時は、入り飾りの様にして、置き残す。
柄杓の湯返しはしない。

稽古で、何人も大水指から水を汲んだ時、柄杓・蓋置を水屋に引いてから水を足す。
この時、点前帛紗を結び帛紗にして置き残してもよい。




2016年4月6日 「大水指 大壷水指 炉」 も参照。

2016-08-17 修正

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2016年4月6日水曜日

大水指 大壷水指 炉

春、水ぬるむ頃、大水指が使われることがある。

家元利休忌の松風楼では、大壷水指(大瓶水指とも言う)が使われる。

瀬戸染付の大壷で、十代 吸江斎が紀州徳川家治宝公より拝領、十一代 碌々斎がアメリカ産松の木の黒掻合せ塗の大板を敷板として好んでいる。

拝領の大水指なので家元では大板に載せて使われているが、そうでない大水指には大板は使わなくてもよい。

大瓶水指は、炉縁の線の八寸(約24cm)先に、盆蓋をかぶせて置く。
蓋には、蓋の立ち上がりを山並みにした山路盆もある。

居前は外隅中心。
居前のままで大水指の蓋を扱うので、扱い易い様に外隅中心に座っている。

蓋置は竹でなく、少し侘びた物を使う。
柄杓の湯返しはしない。

茶器(茶入)、茶筅は、大水指と炉隅の間に流して置く。

大瓶の蓋を取る時

右手親指を上にして、蓋の手前正面を取り、膝の上に持って来て、
左手親指を上にして、蓋の左横を持ち、左手で大瓶の左(勝手付き)に、
蓋の表を客付きにして立て掛ける。

蓋をする時は、そのうち返し。

柄杓・蓋置を残す時は、入り飾りの様にして、置き残す。

稽古で、大瓶の水が少なくなった時は、柄杓・蓋置を水屋に下げ、水次薬缶で水を次ぐ。
蓋の上に、結び帛紗を置き残してもよい。




2016年4月7日 「大水指 大口 炉」 も参照。


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2016年4月3日日曜日

美味しいお茶 茶の湯自慢

「江岑夏書」を四代 江岑が自筆で清書した「逢源斎書」が家元に伝わるが、
その中で、茶の湯が出来ると言うには長い年月がかかると言っている。

江岑が元伯宗旦から聞いた事と思われる。

「茶之湯は 二十年も致候ハては ならす候
極を 二三斤のミ候ハては ならぬと古より申候
今は 昨日今日の茶之湯いたし ちまんいたし候」

「茶の湯は 二十年も致し候はでは ならず候
極(良質のお茶)を 二三斤(一斤は約750g)飲み候はでは ならぬと古くより申し候
今は 昨日今日に茶の湯を始めたのに 自慢いたし候」

「茶の湯は、20年以上しなければならない」
「極(濃茶)を1,500g~2,250g飲まなければならない」
となると、
お茶の味が分かるレベル、上手に点てられるレベルに中々達しないのは当たり前の事と納得した。

濃茶1人前4g(~3.5g)として、375服~640服飲まねばならないが、
上手に点てた濃茶を月に3回(3服)飲んだとして、10年~18年かかるので、
上手に点てた濃茶を月に3回飲むのは大変な事であり、濃茶の味が分かる所に到達するのは至難の業と思える。

ある本には、茶事に月二回呼ばれたとして、極を二三斤飲むには20年かかると書いてあった。

また最近は、薄茶も もっと美味しく点てられるはずだと悩んでいる。

ある人は、

薄茶は、少し濃い目に、少量点てた方が良いと言っていた。
お客がもう一服欲しいと思う様に、点てなければならないと言っていた。

また、茶事に行っても美味しいお茶に当たる事は少ないとも言っていた。

これにも納得してしまった。
形や道具にばかりこだわっても、美味しいお茶を出さなければ茶事とは言えないと反省。



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初座後座 衣服替え 茶事

茶事に於いて、初座と後座に衣服を替える事がよく行われている。

四代 江岑の自筆書が家元に伝わっているが、その中に聞書として、次の様な記載がある。

「衣服替ル事 人によるへし わひならは其儘可然候」

「衣服を替える事 人によるべし 侘びならば そのままで然るべく候」

侘茶では、初座後座共に同じ衣服で良いと言っている。




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