2016年8月16日火曜日

平水指 割蓋

平水指 割蓋

啐啄斎好み「立浪蒔絵 割蓋 朝鮮平水指」、
即中斎好み「芦水蒔絵 割蓋 万古青磁平水指」 などがある。

風炉敷板より畳目1目奥に水指を据える。

運びの道具立てではあるが、蓋置は竹に限ることはない。
柄杓・蓋置を置き残す時は、焼物などの蓋置にする。
焼物であれば少々侘びた物が良い。

柄杓・蓋置を水指の蓋に置き残す時は、湯返しをしない。
入り飾りの様にして残す。

割蓋ではないが、平水指の一枚蓋の場合は、蓋のツマミが邪魔になるので、
柄杓・蓋置は、置き残さない。

2016年4月6日「大水指 大壷水指 炉」 を参照。


濃茶では、

仕服は、風炉と水指の間の奥の方に寄せて置く。

茶巾は、割蓋の開ける方(左側)の手前に置く。

薄茶では、

中仕舞いはしない。
棚の場合と同じく、点前の終わりには水指前に茶器・茶碗を置き合せる。

2014年11月13日「中仕舞 炉 濃茶 風炉 薄茶 広間
2014年11月13日「本仕舞 点前の終わり
を参照。


尚、平水指でなく、普通の水指に割蓋の時には、

合せ目は、平水指と同じ様に縦にして置き、釜に近い方の蓋を開ける。
広間であれば、
風炉では、左側の蓋を開け、炉では右側の蓋を開ける事になる。

蓋の開け方は、平水指の場合と同じ手の使い方で開ける。
左側の蓋を開ける時は、右手で右の蓋を押え、左手で開け始め、手を替え右手で開けきる。
右側の蓋を開ける時は、左手で左の蓋を押え、右手で開け始め、手を替え左手で開けきる。
開けている手の反対の手で、蓋が動かない様に押えて置くのは同様。

濃茶では、開ける方の蓋の上に茶巾を載せる。




啐啄斎好み「立浪蒔絵 割蓋 朝鮮平水指」




2016-9-29 修正
2018-12-16 追加


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2016年8月14日日曜日

棗 濃茶入としての扱い

棗は、蒔絵等していない、真塗又は黒の棗を使う。

棗に入れる濃茶の量

大棗 ・・ 人数分計り切り
中棗 ・・ 常の茶入と同じ
小棗 ・・ 人数分計り切り、又は 常の茶入と同じ

仕服の部分名称は、2014年11月3日「仕服の紐 緒縒」を参照。

小棗・中棗の扱い (仕服をぬがせる)

膝前に小棗(中棗)を取って、「緒(お)」の結び目を一つほどき、左掌に載せ、
右手で残りの結び目の「緒」を引いてほどき、
緒の「打止め」を右手の親指・人差し指でにぎり、
同じ右手の中指・薬指で仕服を押えながら、「緒」を引き出す。

右側の打止めの方の「縒(つがり)」の端の部分を、右手の人差し指・中指で押えておいて、
同じ右手の親指と薬指で「つがり」を広げながら、「緒」をゆるめる。

次に、左側も同じ様にして、

仕服の口の部分を右、左とくつろげて、
右手で棗を膝前に取る。

左掌にある仕服は、常のとおりに扱って処置する。

棗は、常の様に帛紗で清める。
四方さばきをして、蓋の上を「こ」の字に拭き、甲拭きもする。

女子は、小棗・中棗も常の茶入と同じ様に扱って仕服を脱がせ、四方さばきした帛紗で清める。甲拭きはしない。

小棗の場合、
膝前で「緒」の結び目をほどかず、全て左掌の上で行っても良い。

大棗の扱い (仕服をぬがせる)
常の茶入と同じ扱い。

小棗・中棗の扱い (濃茶を掃く)

薄茶の時と同じく、茶杓を握り込んだ右手で、蓋を取り、茶碗の横に蓋を置いて、
濃茶を茶碗に掃き、掃き終わったら、
茶杓を茶碗で一つ打って、お茶を払い、
右手に茶杓を握り込んで、蓋をして、棗を茶筅の横に戻す。

右手の茶杓でお茶をさばき、茶碗で二つ打って、お茶を払い、
茶杓を棗の上に戻す。

濃茶を人数分計り切りに入れている場合は、
先ず、1人分位を茶杓で茶碗に掃き、
その後、お茶を茶杓で掻き出して、茶碗に入れる。

茶杓で細かく掻き出して、お茶が棗に残らない様にする必要はない。
大きく掻き出して、少し棗に残っても良い。

女子は、小棗・中棗も常の茶入と同じく、茶杓を茶碗に預ける等同じ扱いをする。.

大棗の扱い (濃茶を掃く)
常の茶入と同じ扱い。


2015年12月13日「包み帛紗 濃茶 棗」も参照。



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2016年8月9日火曜日

四滴茶入

四滴茶入 ・・ 「水滴」、「油滴」、「手瓶(てがめ)」、「つる付」


昔は、4種共濃茶に用いていたそうだ。
現在では、薄茶の道具になり、「水滴」だけ濃茶にも用いる。

私は、唐物の「油滴」の茶入を見た事がある。その時は濃茶入として使われた。

「手瓶」は、手の反対側に「口」があるつもりで扱う。


棚に飾る時  (濃茶にて水指前に飾る時も)、

「水滴」「油滴」「手瓶」は、「口」を釜付きに向ける。
「つる付」は、「つる」を横にする。

茶碗 又は茶筅と置き合せる時、

「水滴」「油滴」「手瓶」は、「口」を茶碗(又は茶筅)に向ける。
「つる付」は、「つる」を縦にする。

蓋を拭く時、

「水滴」「油滴」「手瓶」は、置き合せた「口」の向きのまま、左手で取り上げ、「こ」の字(又は「ニ」の字)に拭く。
「つる付」も、「つる」を縦にしたまま、「つる」の下から「こ」の字(又は「ニ」の字)に拭く。

濃茶の時、

胴拭きはしない。

蓋に茶杓を乗せる時、

茶杓は蓋の釜付きにのせる。

お茶を茶碗に掃く時、

「水滴」「油滴」「手瓶」は、蓋を右手で取り、右手で「口」を手前に廻し、お茶を掃く。
お茶をはき終わったら、「口」を右手で元に戻して、右手で蓋をする。
「つる付」は、「つる」を縦にしたまま蓋を取り、お茶を掃く。

「水滴」もそれ以外もすべて、蓋は茶碗の右に置く。
茶碗と膝との間には置かない。

普通の茶入の様に、左手で胴を持って、お茶を掃く。
又は、平棗の様に扱って、左手の平の上にのせて、お茶を掃く、
の二通りある。

四滴茶入が平茶入の時は、
平棗と同じく、左手に受けて拭き、お茶を掃く時も左手に受けて掃く。

拝見に出す時、

「水滴」「油滴」「手瓶」は、「口」を茶杓に向ける。
「つる付」は、「つる」を縦にして置く。

客が拝見する時、

「水滴」「油滴」「手瓶」は、「口」を茶杓に向ける。
拝見に廻す時は、「口」を進む方向に向ける。
「つる付」は、「つる」を縦にする。

口を廻す時は、常に口が手前の方を通る様に廻す。


2014年10月17日 「耳付き茶入 濃茶 お茶をはく」 を参照。

2017-1-17 修正



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