一客一亭は、独客とも言う。
私は独客の茶事をした事がないので詳しい事は分からないが、
独客の場合、亭主は客を寂しくしないように、相手をし、相伴しなければならないそうである。
懐石にしろ濃茶にしろ、亭主は相伴することになる。
濃茶の相伴の一例を下記に記すが、これには決まったやり方がある訳ではなく、亭主の裁量による所が大きい。
炉の濃茶相伴
茶杓を取り、客の濃茶を茶碗に掃いてから、「お相伴します」と断わって、更に一人分の濃茶を掃く。
又は、茶杓を取り上げる時に、「お相伴します」と断わって、二人分の濃茶を茶碗に掃く。
通常通り、濃茶を立て、帛紗を添えて、定所に出す。
客は、それを取り、膝前に帛紗と共に置いて、「お先に頂きます」等の挨拶。
客が一口飲んだ所で、亭主は服加減を尋ねる。
亭主は、中仕舞。
膝を繰って、客付正面に身体を動かす。
(風炉の場合は、客付き斜めに)
客は、一人分を飲み、茶碗と帛紗を亭主に返す。
客の茶碗と帛紗の返し方には、二通りある。
(上座床として説明する)
客から見て、帛紗を茶碗の右側に置く、又は
帛紗を茶碗の左側に置く、の二通り。
二通り共、帛紗の折り目は通常通りで、亭主側と左側になる。
帛紗を茶碗の右側に置く場合は、
亭主がお茶を飲む時は、亭主も客であると見なしている。
客がお茶を飲む時は、帛紗は茶碗の下座側(左側)にある。
よって、亭主がお茶を飲む時も、亭主から見て、帛紗を茶碗の左側になる様に出している。(客から見て右側)
帛紗を茶碗の左側に置く場合は、
通常亭主に茶碗を返す通りに、置いている。いつもの通り。
亭主は、先ず帛紗を懐に入れ、茶碗を膝前に取る。
「お相伴します」等の挨拶の後、通常通り濃茶を頂く。
茶碗の正面は自分側にあるので、普通通りに飲み口を回す。(時計回り)
但し、一手で回す。
飲み終わったら、懐紙で飲み口を拭く。
亭主が飲み口を拭き、その懐紙を右袖に始末している頃、
客は、茶碗と帛紗の拝見を乞う。
亭主は、茶碗の正面を一手で元に戻し、更に二手で正面を客の方に向けて、茶碗を定所に出す。
帛紗を懐から出し、常の通りに茶碗に添える。
亭主が茶碗と帛紗を拝見に出した所で、そこに置いたままで、
客は、お茶銘等を尋ねる。
客は茶碗と帛紗を自席に引き、拝見する。
亭主は、中仕舞を解く。
後は通常通り。
客から返された出し帛紗を、亭主が取る時には、
親指が帛紗の上になる様にして取る。
その親指のまま、親指を身体の外側にして、帛紗を懐に入れる。
懐の中の帛紗の折り目は、下と外になる。
女子は、取った帛紗を左手で一度あしらって、右手の親指が帛紗の下になる様に握り直し、親指を身体の内側にして、帛紗を懐に入れる。
懐の中の帛紗の折り目は、下と外になる。
その帛紗を再び出す時は、
親指が身体の内側になる様にして、帛紗を取り、(取る指の形は通常通り)
右手の親指が、左手のひらに付く様に手を合せて、
左手のひらの上で、親指を上にして右手で帛紗を回してやると、いつもの様に帛紗を出す事が出来る。
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