やみくもに点てるだけでは、中々美味しいお茶にはならないと思う。
茶碗に、お茶をはき、お湯を入れて、茶筅を使う訳だが、
茶筅を使うより前の段階にも十分留意しなければならない。
何千回、何万回と点てている方は別として、
まだ千回、二千回位しか点てていない人は、次の点に留意した方が良いと思う。
薄茶の場合
毎回お茶の量を決めただけキチンと取れるようにする。
1.4g~1.7g位だと思うが、自分の量を決める。
一般的には、少なめにお茶を取る人が多い。
お湯の量をいつも一定量入れるようにする。
40cc~60cc位だと思うが、お茶の量に合った自分のお湯の量を決める。
一般的には、お湯の量が一定せず、多すぎる人が多い。
お湯の量は、薄茶であっても、三口半で飲める位の量を目安にしたら良い。
何度か試してみて、自分なりに美味しいと思うお茶の量とお湯の量を決めて、
その量を毎回取れる様にする事が大切。
お茶の量は、見た目で分かるので、
一定量を取れるようになるのは、それ程難しい事ではないと思う。
お湯の量を一定に取る為には、工夫が必要となる。
風炉の柄杓には、100cc~110cc位のお湯が入る。
炉の柄杓には、130cc位のお湯が入る。
どの位柄杓の合を傾けたら、自分の量になるのかを掴む必要がある。
お湯を茶碗に入れた後、柄杓の合にどの位お湯が残っているかを掴む必要がある。
その前提としては、お湯を汲む場合、必ず同じ量を汲む必要がある。
出来るだけ多い量を汲んだ方が良い。
合の上をどの位空けるのか、例えば2mm位空けると決めて、毎回必ず決めたお湯の量を取る。
茶碗の中をのぞいて、様子を見てお湯の量を決めていては、適量を入れる事は出来ない。
茶室が明るく、同じ茶碗を使うのであれば、
茶碗の中をのぞいてお湯の量を見る事が出来るだろうが、
暗い茶室では、茶碗の中のお湯の量など見えない。
お湯の量を見るのではなく、柄杓の傾け方と残ったお湯の量で、どれ位お湯を入れたのか判断しなければならない。
何万回とお茶を点てている方は、柄杓が勝手に適量を入れてくれるだろうが、
点てている回数が少ない者はそうはいかないので、工夫をしなければならない。
お茶とお湯が入った後、上手に茶筅を使って、美味しいお茶を点てる事になる。
稽古では、自分が点てたお茶を客に出すだけで、自分で飲んでいないので、
どんなに不味いお茶を客に出しているかが分からない。
自宅で、自分でお茶を点て、自分でそのお茶を飲むことが大切である。
又、茶筅の使い方で、お茶も美味しくもなれば、不味くもなる。
どの様に茶筅を動かすと美味しいお茶になるのか研究した方が良い。
実践あるのみ。
濃茶の場合も
基本は、薄茶と同じ。
お茶の量とお湯の量が変わるだけ。
美味しく点てられている人のお茶を飲む必要もある。
大寄せの茶会で出て来るお茶が美味しいお茶だと思うのは、錯覚にしか過ぎない。
美味しいお茶を飲み慣れている方に伺うと、
美味しいお茶は外では中々飲めないと言われる。
点前の形、順序にばかりに気を使っているからだと思う。
茶事に行って、美味しくない濃茶・薄茶を飲まされたら、
申し訳ないが、道具と料理を褒めるしかない。
六代 覚々斎ではないが、
「料理 賞められ 無念に候」になってしまう。
茶カブキでも、同じ様にしないと、客はお茶を当てられない。
5服のお茶は、同じ濃さ、同じ点て方でなければ、当たる方がおかしい。
次も参照
2018年7月1日「柄杓 お湯(水)を汲む」
2015年5月9日「濃茶の点て方 濃さ」
2015年5月9日「薄茶の点て方 お湯の量 お茶の量」
2015年5月9日「茶筅の使い方、握り方 薄茶を点てる」
2016年9月20日「茶事 懐石 元伯宗旦 覚々斎」
2018-7-2 修正
2021-1-17 修正(お茶の量を修正)
2021-2-27 修正
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