旅箪笥は、炉の終り頃よく使われるが、本来は季節を選ぶ棚ではない。
炉の時季であればいつ使ってもよい棚である。
また、釣釜と取り合わせて使う事も多いが、釣釜と取り合わせて使わなければならないものでもない。
薄茶の場合、点前の始まりに旅箪笥の中棚を扱うには、3通りある。
(1)濃茶の場合と同じく、水指を引き出す場合
茶碗を持ち出し仮置し、
水指を手前に引き出してから、薄茶器を中棚から下ろし、茶碗と置き合わせる。
その後、建水を持ち出す。
仕舞いの時は、薬缶で水を加えるまで水指は引き出したままにしておく。
水指は旅箪笥から下ろして水を差す。
(2)芝点ての場合
柄杓を蓋置に引いて、「お楽に」の挨拶。
居前から中棚を取り出し、斜めに畳の上に置いてから、居ずまいを直す。
その後、建水を進める。
仕舞いの時は、水指の蓋をしたら直ぐに棚板を元に戻す。
水指は旅箪笥から下ろして水を差す。
(3)中棚を上棚に重ねる場合
柄杓を蓋置に引いて、「お楽に」の挨拶。
居前から中棚を取り出し、上棚に重ねてから、居ずまいを直す。
その後、建水を進める。
仕舞いの時は、水指の蓋をしたら直ぐに棚板を元に戻す。
水指は旅箪笥から下ろして水を差す。
下記を参照
2021年4月9日 「旅箪笥 柄杓・蓋置飾り残し 棚板 炉」
2023年4月9日 「旅箪笥 点前の終わり 柄杓を棚に掛ける」
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いつもお稽古の参考にさせていただいております。
返信削除五徳の蓋置のことでお伺いします。定本によりますと、炉横の定位置に出す時は、輪を下に畳につけて、つめの一本が手前に、柄杓を引く方向におく。
点前中で釜の蓋を取る前に、左手のひらに受けて左から右へ打ち返して上下を逆に、輪を上に直すとあります。
台子や長板と違って釜の蓋を開けるときは、左手に柄杓を持っていますので、どのように扱ったらよろしいのか、社中でなやんでいます。さざえや三つ葉も同様ですので
よろしくご教授ください。
仰る通りに「定本 茶の湯表千家」には書いてありますね。
削除即中斎本にも而妙斎本にも同じことが書いてあります。
書いてある通りにしようとしたら、手が3本なければ出来ませんね。
下記は私の意見ですので、保証の限りではありません。
しかし、
私が師匠(内弟子の宗匠です)からお習いしたと思っていて、現在行っている順序では、次の通りです。
多分間違いないと思います。
五徳だけでなく、さざえ、三つ葉も同じです。
点前の準備
(1)輪を下にして、建水に入れる。
(2)柄杓を建水に掛ける。
点前の始まり
(1)建水から右手で蓋置を取り、左手に載せて左から右に打ち返して輪を上にして炉の横定所に置く。
(2)柄杓を取って、蓋置に引く。
濃茶の中仕舞い
(1)釜の蓋をした後、建水に柄杓を掛ける。
(2)右手で蓋置を取って、左手に載せ、右から左に打ち返して、輪を下にして、左手で柄杓の柄の下に置く。
濃茶の中仕舞いをとく
(1)蓋置を左手で取って、右手で左手の上に輪を下のまま置いて、右手で輪が上になる様に左から右に打ち返して、右手で炉の横定所に置く。
(2)柄杓を構えて釜の蓋を取る。
点前の終わり
(1)柄杓を取って、右手で棚に飾る。
(2)蓋置を取って、左手の上に載せ、輪が下になる様に右から左に打ち返して、棚の方に向き、輪が下のまま棚に飾る。
(3)柄杓を建水に掛ける場合も、同じく輪を下にして置く。
以上の方法で宜しいと思います。
「定本 茶の湯表千家」には、その他炭点前でもチェックミスがありますし、
この蓋置の場合も単なる校正ミスだと思います。
丁寧なご返事ありがとうございます。おっしゃる通りにお点前するのが自然の流れと思われます。近くならぜひご指導受けたいくらいです。これからもお茶を楽しんでいきたいです。
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