帛紗
千家流では、帛紗は左に附けると思われているかも知れないが、
茶室が本勝手か逆勝手かによって異なる。
大抵の場合、茶室は本勝手に作られているので、左腰に帛紗を附けている。
逆勝手の場合は、右腰に帛紗を附ける。
帛紗は、勝手側に附けるものである。客側には附けない。
本勝手: 亭主の右側に客が居る。
逆勝手: 亭主の左側に客が居る。
表千家では、逆勝手は小間のみに作られる。
本勝手は、広間と小間に作られる。
帛紗を附ける位置は、腰の横の方ではなく、勝手側の乳房の下あたりに、
帯の下から帯を通して附ける。
女子は、帯の上から、帯に差し込む。
帛紗の下の線が水平になるように心掛ける。
刀掛け
刀を置く為の棚。
茶室の入り口付近に設けられた。
一段の棚、二段の棚、竹釘を打っただけのもの等あると言う。
1700年代に成立した「茶湯秘抄」には、利休が始めたと書かれているそうだ。
利休の頃から、茶室の中では帯刀しなかったらしい。
二段の刀掛けは、古田織部が始めたらしい。
片桐石州も「大小の取りよき程に釣り申し候」と言っているので、大刀小刀ともに刀は茶室に持ち込まなかった様だ。
お茶の流派によっては、
脇差(小刀)を左腰に差すので、帛紗は右に附けるとする流派もある様だが、
客が刀を差さずに席に入る時に、亭主が刀を差しているとは考えられないので、
帛紗を右に附ける理由としては、刀を差さなくなって久しい大正・昭和の頃からのものと思われる。
帛紗を右に附けるのには、別の理由があるのだろう。
参照
2020年2月29日「茶碗の飲み口」
2017年10月9日「茶碗と茶器(茶入)の置き合わせ 道具の格」
2015年2月12日「逆勝手 客 お茶の飲み方」
2014年10月30日「茶入・茶器・茶碗等の格 扱い」