2017年1月12日木曜日

手紙 名宛人・差出人 書き方

手紙などの名宛人、差出人の名前をどう書くか、最近思う事があり、
一番無難で、悪感情を持たれない書き方について、現時点の私の書き様を記してみた。

「宛名にも自分の名前にも、『姓名』を書く」 である。

世間の人は様々で、平等が一番と考えている人もいれば、昔風の考えの人もいるので、
特に礼状を書く場合には、
自分の感謝の気持ちが打ち消されてしまわない書き方にした方が無難だと思う。

手紙の書き方の本や辞典類に色々書いてあるが、本を頭から信用しない様にしたい。
岩波書店の「広辞苑」等に書いてある事柄を絶対に正しい等思っていると、
大恥をかくことがあるので、間違っていることも書いてあると思っておいた方が良い。

夏目漱石が東京帝大の講師だった頃からの門下生に対して、手紙の末尾の書き方を教えた手紙があるそうで、
それには、

名宛人が尊敬する人の場合は、「姓のみ」又は「号」を書く。
自分は、「名だけ」書く。

差出人が自分の「号」を書くのは失礼になる。

と書かれている。

相手が恩師・師匠の場合は、「先生」と必ず書く。

私は師に対して「様」と書いた為、師から「師匠に向かって「様」と書いて手紙を出す馬鹿がいる」とこっぴどく叱られたことがあり、以降「先生」としか書いたことがない。

明治大正の世とは変わって、現在は宛名や呼び名に対する感覚が違って来ており、相手の「姓」だけ書くのは略式の様な感覚になっているので、
尊敬する人に対しても同等の人に対しても「姓名」を書いた方が無難になっている。

自分の名前も、現在では「名だけ」では略式の様な感覚になっているので、「姓名」を書いた方が良い。

昔風の、尊敬する人には「姓のみ」書く、
現在の感覚の、「姓」だけでは略式に感じる、
ことの両方から、
自分の名前を「姓のみ」書くのは、横柄な奴だと思われる可能性がある事を知っておく必要がある。

昔風の考え方の人にとっては、
自分の「姓のみ」書くは、自分は尊敬されるべき人間だと表現している様に感じると言うことです。

以上は、礼状や目上の方などに宛てる時の書き方であり、
同等の人や家族、親しい人に宛てる場合には、自分の好きにすれば良いだろう。

自分の「姓のみ」書くも、親しい関係の人との間では全く問題ないと私は思います。


下記も参照
2015年1月14日 「茶事 案内状 返書 前礼 礼状
2019年2月14日 「茶事 案内、前礼、礼状の実際

2017-1-17 修正


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3 件のコメント:

  1. 常々、先生に対して「~様」と書くことに違和感を感じていました。
    今回のお教え身に染みました。
    ありがとうございました。


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    1. 有難うございます。
      本文にも書いておりますように、
      「本を頭から信用しない様にしたい。・・・間違っていることも書いてあると思っておいた方が良い。」
      ですから、
      私のブログも「間違ったことも書いてあるかも知れない」の視点からご覧になって頂きたいと思います。
      気になる事がありましたら、コメント頂きたいと思います。

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    2. 私は表千家で稽古をしている者(初心者)ですが
      偶然数日前にこちらのブログを拝見し
      1回目から毎日少しずつ勉強させて頂いております。


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