稽古の始まりと終わりには、亭主・客共に一緒にお辞儀をする。 総礼とも言う。
これは稽古のものである。
稽古の時、例えば、
薄茶点前の始まりに、亭主は茶碗を膝前に置き、茶道口の襖を開けて、お辞儀をする。
同時に客もお辞儀をする。 ここから薄茶点前の稽古が始まる。
薄茶点前の終わりには、亭主は水次ぎ薬缶を膝前に置いて、茶道口の外でお辞儀をし、
客もまたお辞儀をして、亭主が襖を閉めた所で、薄茶点前の稽古が終わる。
しかし、これは稽古だからやっている事である。
実際の茶事ではしない事である。
茶事の初座では、客が入室した後、亭主は茶道口を開けてお辞儀をする。
正客から席に入る様に勧められて、亭主は席中に進み、
改めて正客にお辞儀をして挨拶をする。
その後、亭主は連客にも挨拶して、茶事が進行して行くことになる。
初座の炭点前を始める時に、
茶道口で炭斗を前にして、亭主がお辞儀をする事はない。
後座でも、濃茶を始める時に、
茶道口を開けて茶碗を膝前に置いて、亭主がお辞儀をすることもない。
初炭の場合、
炭を直す旨を正客に申して、水屋に戻り(茶道口は開けたまま)、
炭斗を持ち出して(炉の場合は、灰器も)茶室に入る。
茶道口前で座ることなく、立ったまま入る。
茶道口を閉め、炭を始める。
後座、濃茶の場合、
客が後座入りをした後、
茶碗を膝前に置き、茶道口を開けて、そのまま立って茶室に入り、
いつもの通りに濃茶を始める。
初座の始まりでお辞儀をして挨拶をしているので、個々の点前の始まりと終わりで挨拶などはしないものである。
稽古は稽古であって、実際の茶事とは少し違う事を理解して置く必要がある。
大寄せ茶会の場合は、点前毎にお客が入れ替わるので、席主の考え方で好きにすればよい。
下記も参照
2018年3月16日 「稽古 お辞儀 総礼 茶事(2)」
2015年03月14日 「お辞儀 一礼」
2014年10月21日 「稽古 煙草盆と菓子器の運び出し お辞儀」
2018-4-22 修正
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2016年6月27日月曜日
2016年6月2日木曜日
桑小卓 柄杓・蓋置 建水・蓋置
桑小卓 柄杓・蓋置飾る
点前の終わりの柄杓と蓋置の飾り方には二通りある。
(1)天板に斜めに飾る、入り飾り。
蓋置は合の真下、柄の節にかかる辺りに置く。
(2)左側の奥の柱に柄杓の合をもたせかけ、柄の先は左側の手前の柱の根元に置く。
水指の蓋をしたら、すぐに柄杓・蓋置を飾る。
柄杓の合は手前を向かせ、斜めに柱に立てかける事になる。
右手で柄杓の節の少し上を持ち、左手は柄の先に添えて、立てかける。
蓋置は、中棚の左側手前、柄杓の柄の先の右横に取り敢えず仮置きして、
水指前に並べてある茶碗・茶器(薄茶の場合)の内、茶碗を勝手付きに仮置きし、茶器を天板に戻す。
棚前が空いたところで、
仮置きの蓋置を右斜め上から握り、左手であしらって、地板に置き易い様に、横から握り直して、地板の左右中央の少し奥に置く。
薄茶でも拝見がある場合は、濃茶の場合に準じる。
濃茶の場合、
水指の蓋をした所で、正客から拝見の挨拶。
それを受けて、すぐに柄杓・蓋置を飾る。
蓋置は、中棚に取り敢えず仮置きして、
水指前に並べてある茶碗を、勝手付きに仮置きし、茶入他を拝見に出す。
建水を勝手に引く前に、
仮置きの蓋置を右手で取り、地板の左右中央の少し奥に置く。
建水も飾る場合、
水指に水を加えた後、
洗った建水を持ち出し道具畳の左右中央に座り、
建水を左膝の線から少し前に出して、左手で置き、地板の蓋置を建水に右手で入れ、
建水の左右の真中を両手で持って、地板に入れる。
両手が棚に触る位入れたら、
右手、左手と建水の手前に持ち直して、建水の手前が地板から少し出る位まで、両手で奥に入れる。
又は、
拝見物がある場合、
拝見物を取りに来る時、建水を持って出て、建水を棚の地板に入れてから、拝見物の前に移り、お尋ねに答える。
建水を必ず飾る必要はありません。
お客に特に見て頂きたい建水でない場合でしたら、建水は飾らない方がむしろ宜しいでしょう。
建水も飾っている時の点前の始まりは、
茶碗を持ち出し、左手で勝手付きに仮置き。
建水を飾った時の打ち返しで、建水を棚から引き出して、
左手で左膝横の膝から少し下がった定所に置く。
茶器を天板から下して水指前右寄りに置き、仮置きした茶碗を右手で取り、水指前に置き合せる。
右手で建水の中の蓋置を取って、左手であしらい、右手で定所に置く。
柄杓を取って、蓋置に引く。
「どうぞお楽に」の挨拶。
建水を進めて、後はいつもの通り。
蓋置だけ地板に飾っている時の点前の始まりは、
茶碗を持ち出し、左手で勝手付きに仮置き。
地板に置いている蓋置を、中棚の左側手前、柄杓の柄の先の右横に取り敢えず仮置きして、
「どうぞお楽に」の挨拶。
建水を進めて、後はいつもの通り。
なお蛇足になるが、柄杓蓋置を飾った状態からは濃茶点前を始めないので、上記の「点前の始まり」は薄茶の場合です。
(組合点、仕組点を除く)
参照
点前の終わりの柄杓と蓋置の飾り方には二通りある。
(1)天板に斜めに飾る、入り飾り。
蓋置は合の真下、柄の節にかかる辺りに置く。
(2)左側の奥の柱に柄杓の合をもたせかけ、柄の先は左側の手前の柱の根元に置く。
水指の蓋をしたら、すぐに柄杓・蓋置を飾る。
柄杓の合は手前を向かせ、斜めに柱に立てかける事になる。
右手で柄杓の節の少し上を持ち、左手は柄の先に添えて、立てかける。
蓋置は、中棚の左側手前、柄杓の柄の先の右横に取り敢えず仮置きして、
水指前に並べてある茶碗・茶器(薄茶の場合)の内、茶碗を勝手付きに仮置きし、茶器を天板に戻す。
棚前が空いたところで、
仮置きの蓋置を右斜め上から握り、左手であしらって、地板に置き易い様に、横から握り直して、地板の左右中央の少し奥に置く。
薄茶でも拝見がある場合は、濃茶の場合に準じる。
濃茶の場合、
水指の蓋をした所で、正客から拝見の挨拶。
それを受けて、すぐに柄杓・蓋置を飾る。
蓋置は、中棚に取り敢えず仮置きして、
水指前に並べてある茶碗を、勝手付きに仮置きし、茶入他を拝見に出す。
建水を勝手に引く前に、
仮置きの蓋置を右手で取り、地板の左右中央の少し奥に置く。
建水も飾る場合、
水指に水を加えた後、
洗った建水を持ち出し道具畳の左右中央に座り、
建水を左膝の線から少し前に出して、左手で置き、地板の蓋置を建水に右手で入れ、
建水の左右の真中を両手で持って、地板に入れる。
両手が棚に触る位入れたら、
右手、左手と建水の手前に持ち直して、建水の手前が地板から少し出る位まで、両手で奥に入れる。
又は、
拝見物がある場合、
拝見物を取りに来る時、建水を持って出て、建水を棚の地板に入れてから、拝見物の前に移り、お尋ねに答える。
建水を必ず飾る必要はありません。
お客に特に見て頂きたい建水でない場合でしたら、建水は飾らない方がむしろ宜しいでしょう。
建水も飾っている時の点前の始まりは、
茶碗を持ち出し、左手で勝手付きに仮置き。
建水を飾った時の打ち返しで、建水を棚から引き出して、
左手で左膝横の膝から少し下がった定所に置く。
茶器を天板から下して水指前右寄りに置き、仮置きした茶碗を右手で取り、水指前に置き合せる。
右手で建水の中の蓋置を取って、左手であしらい、右手で定所に置く。
柄杓を取って、蓋置に引く。
「どうぞお楽に」の挨拶。
建水を進めて、後はいつもの通り。
蓋置だけ地板に飾っている時の点前の始まりは、
茶碗を持ち出し、左手で勝手付きに仮置き。
地板に置いている蓋置を、中棚の左側手前、柄杓の柄の先の右横に取り敢えず仮置きして、
茶器を天板から下して水指前右寄りに置き、仮置きした茶碗を左手で取り、水指前に置き合せる。
建水を勝手から持って出て、いつもの様に身体の横に置く。
蓋置を取って定所に置き、柄杓を取って、蓋置に引く。建水を勝手から持って出て、いつもの様に身体の横に置く。
「どうぞお楽に」の挨拶。
建水を進めて、後はいつもの通り。
なお蛇足になるが、柄杓蓋置を飾った状態からは濃茶点前を始めないので、上記の「点前の始まり」は薄茶の場合です。
参照
2015年6月5日 「桑小卓 風炉 平建水」