2015年1月30日金曜日

薄茶 亭主相伴 茶事

茶事も終わりに近づき薄茶を頂いていると、ねぎらいの気持ちもあり、亭主にも相伴して頂きたいと思うもの。

下記に薄茶亭主相伴の一例を記す。
特に定まった手順がある訳ではないので、その場の状況に合わせたやり方で良い。

正客は、連客に十分頂いたかどうかを尋ね、十分との返事があったら、
(亭主がお湯で茶碗をゆすいでいる頃、尋ねれば良い)

正客は、亭主に「ご自服頂きたい」等の挨拶をする。

正客(又は詰)は、自席で菓子器の正面を回して逆にし、亭主が茶碗を出すのに邪魔にならない所(茶碗の並びで下座側の位置)に置く。

亭主は、通常通り薄茶を点てて、定所に出す。

正客より再度「ご自服下さい」等と挨拶する。

亭主はそれを受ける。

亭主は、客の方に膝を動かし、身体の向きを変える。
炉では、客付き正面に。
風炉では、客付き斜めに。

亭主は、膝前に茶碗を取り込み、「お相伴します」等の挨拶をする。

女子は、茶碗を出した時のままの位置で、膝前に茶碗を取り込む。

亭主は、菓子器を取って(菓子器が重たければ、出された場所で)、正面を客の方に回し、出された所に返す。
又は、出された所より客付きに少し近づけて置いてもよい。

亭主は、茶碗を取り上げて、おし戴く。

飲み口を回して、お茶を飲む。

茶碗の正面は客側にあるので、飲み口は通常の逆(左横)になっている。
一手で、飲み口を回す。(時計と逆回り)

飲み終わったら、飲み口を拭かないで、

また一手で、飲み口を回す。(時計と逆回り)
茶碗の正面は自分側になる。

亭主は、茶碗を持ったまま、膝を繰って居前に戻り、茶碗を膝前に置く。

女子は、一度膝前に仮置きして、居前に戻り、茶碗を取って、膝前に置く。

お湯を入れて、茶碗をゆすぎ、建水に捨てる。

正客より、「お仕舞い下さい」の挨拶。

後、亭主は通常通り終いにかかる。

亭主の茶筅すすぎが始まれば、正客(又は詰)は菓子器を取りに出る。

菓子器は正客が預かるか、又は詰が預かる。

後は通常通り。


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8 件のコメント:

  1. 「詰(又は正客)は、自席で菓子器の正面を回して逆にし、亭主が茶碗を出すのに邪魔にならない所(茶碗の並びで下座側の位置)に置く。」
    「亭主は、菓子器を取って(菓子器が重たければ、出された場所で)、正面を客の方に回し、出された所に返す。」
    「亭主の茶筅すすぎが始まれば、詰(又は正客)は菓子器を取りに出る。」
    「菓子器は正客に戻すか、又は詰が預かる。」

    上記の場面、いつもうやむやにしておりましたが、はっきりわかりました。
    ありがとうございました。

    一つお尋ねしたいのですが、詰が菓子器を正客へ戻す場合、自分の方に向いている菓子器の向きを変える場所は、亭主が置いた菓子器の所ですか?それともこの時だけ正客の前まで自分に向いたまま持っていき、そこで回した方がよろしいでしょうか?







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    1. 自分の常識で行動する場面ですので、どの様にしても(それより良い方法があるかも知れませんが)、間違っているとは言えないでしょうが、
      それでは返答にはならないでしょうから、
      自分が詰だったら、どうするだろうかを記してみます。

      亭主相伴の時は、菓子器は既に詰が正客に戻しているでしょうから、
      正客(又その他の客)のお世話係である詰が、正客に替って菓子器を亭主に持って行く場面は、
      詰が正客より亭主に近く座っている場合、
      ないし、
      正客が菓子器を持って行くには、にじるか、立って持って行くかしなければならない場合、だと思います。

      持って行く時、
      正客前にある菓子器の正面は、正客に向いていますから、そのまま取って(小間の場合、少し斜めになるかも知れませんが)、そのまま亭主の近くに置けば宜しいと思います。

      持って帰る時、

      小間では、
      にじって行動しますので、にじっている途中で菓子器の正面を廻すと思います。

      広間では、
      立ったり座ったりして行動しますので、正客の前に座ってから、正面を廻して正客前に置くと思います。
      茶碗などと同じ方法で、葉っぱ様の二番目のやり方ですね。

      正客に戻す時には、この様にするでしょうが、
      亭主相伴の場合、客はその前に飲み終わっていますから、
      亭主が飲んだ茶碗をゆすいだ時には、正客から「おしまい下さい」の挨拶があると思います。
      そうなると、わざわざ正客に菓子器を返す必要もない訳です。
      菓子器や煙草盆は詰が最後に始末しなければなりませんから、
      詰が菓子器を預かっておいても良いことになります。

      これは私であれば、こうするだろうと言うだけで、正しい正しくないとは別だと思います。

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  2. 上記たいへん参考になりました。

    仙石様の仰る通りをイメージして、詰の働きを頭の中でシミュレーションしてみました。

    小間の場合は、頭を柔らかくしてその都度臨機応変な対応が必要なんですね。

    広間の場合は、正客の前に戻ってから正面を廻すことにします。
    でも仙石様ご指摘の通り、亭主相伴の時にはもう客がお茶を飲むことは無いわけですから詰が預かった方がよろしいですね。

    本当にありがとうございました。

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  3. いつもお勉強させて頂いております。
    薄茶の運びで替茶碗を使う場合についてお教え願えれば幸いです。
    替茶碗が先に返り仮置、主が戻るのを待つ時、主が返り湯ですすぎ総礼。拝見所望があれば勝手付きより替え茶碗主茶碗の順に並んでいますが、建水を持ち帰りその後は、主を持ち帰り再度席中に出て替茶碗を引くのでしょうか? ここでの質問に相応しくないかもしれませんが、どうぞ宜しくお願い致します。

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    1. コメント有難うございます。
      しかし、おっしゃるような場面は、なかなか無いだろうと思われます。

      茶事の場合、
      正客が「おしまい下さい」を言う迄は、亭主はお茶を点て続けていますので、
      主茶碗が亭主に戻って来て、正客の「お仕舞いにして下さい」の挨拶の時には、替え茶碗は客の所にあると思います。

      その替え茶碗を亭主に戻さなければならない時には、

      半東がいない場合は、
      お詰めが最後の替え茶碗の客に声を掛けて、お詰めが預かっておいて、
      亭主が水指を引いた後に茶道口に返す。

      または半東がいる場合は、
      客が自分で亭主の所へ行って、茶碗を取ったり返したりする事はないでしょうから、
      半東が替え茶碗を亭主に返さないで、自分で預かる。

      ないし、
      大寄せでは、
      半東がお仕舞い用の茶碗を持って出て、点て出しの茶碗も含めて茶碗が未だ客に出されている時に仕舞ってしまう。
      出ている茶碗は全て半東や手伝いの者が水屋に引いてしまう。

      稽古の場合には、
      先生がどう教えられるかによりますが、
      同じ事で、
      お詰め迄一巡してお茶を飲んだら、普通お仕舞いにするでしょうから、
      替え茶碗であっても、正客は「お仕舞い下さい」の挨拶をして、
      お詰めが飲んでいる茶碗は、
      水指が引かれて、茶道口で亭主が最後の挨拶をする時に、
      お詰めが茶道口に持って行って返す。

      以上になるだろうと思います。

      但し、
      稽古で、必ず主茶碗でお仕舞いにすると教えられる先生でしたら、
      貴方が言われる様な事が発生するかも知れませんね。
      替え茶碗が返って来た時には、まだ主茶碗はお詰めが飲んでいますので、どの様に「替え茶碗はゆすぐだけにして下さい」と言うかが難しそうです。
      その時には、主の茶碗と薄茶器を引いた後に、替えの茶碗を引くことになるのでしょうねぇ。

      どうででょうか?

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  4. 色々な場面に対し、それぞれ的確なご回答ありがとうございました。
    必ず主茶碗で仕舞うと考えず、亭主が水指を引くとき
    別のお茶碗は茶道口に詰めが返すのが一番だと思いました。棚なしではそれがベストだと感じますし、主客お互いに想い合えば自然とこの所作になると思いました。ありがとうございました。

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  5. お尋ねします、棚の飾りついてです。四方棚や糸巻き二重棚は 3飾りまで(割かざり、総飾りもですが) あると思いますが
    三木町棚や丸卓は2飾りだと記憶しています、この場合 初飾りは あくまで初めのみで
    以後は2飾りの繰り返し(総飾りと交互)なのでしょうか、ご教授 宜しくお願いします

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    1. 仰っしゃる通りだと思います。
      初飾、二飾などで1項書いてみました。

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