2020年5月8日金曜日

火吹き竹

火吹き竹(ひふきだけ)

炭の火が上手く点かなかった時に使用する。
表千家では点前の中では使うことはない。
利休形がある。
直径:8分(約2.4cm)
長さ:9寸8分(約29.7cm)
中の節は、口から3寸(9.1cm)
下は節止めになって、小穴を開けてある。




今年の1月と2月の茶事で、炭点前の火が2度上手く点かなかった。
懐石の終わり頃、炉の火が静まり返っていたので、
懐石の後、菓子の前に炭斗に火吹き竹を入れて持ち出し、
お客の前で釜を上げ、火吹き竹で吹いて炭の火を起こした。
炭に火がつかなかったのは、私の落ち度で恥ずかしいことだったが、
火吹き竹が目の前に出て来たのは、お客様も初めての事だったので、
座興にはなったと思って、自分を慰めている。

六代覚々斎の事として七代如心斎が話した中に、
風炉でも炉でも火相が悪ければ、火吹き竹を持ち出して、客の前で火を勢いづけたとあるそうだ。
それを聞くと、昔の家元宗匠方にもあった事だと何処となくうれしい。

私の子供の頃には、火吹き竹はどこの家庭にもあって、普通の物だったが、
今の若い方は初めて見る、珍しい物だったろう。

この火吹き竹は、利休形の寸法で、紫竹の自作したもの。

2021-4-4 修正

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